今年もいよいよ押し迫ってきましたが、今回の大晦日はテレビの「ゆく年くる年」で見るだけでなく、自分で除夜の鐘を撞いて新年を迎えたいという方もいるのではないですか?
そこで、都内で除夜の鐘を撞かせてくれるお寺や神社で、比較的に穴場のスポットを紹介しましょう。
Contents
品川寺の除夜の鐘 詳細情報
「品川寺(ほんせんじ)の除夜の鐘」
品川寺は806年から810年にかけて開かれた品川では最も古い真言宗派のお寺で、開山は弘法大師空海とされます。
徳川家綱の寄進とされる除夜の鐘の大梵鐘は、一時海外流失後行方がわからなくなっていましたが、スイスジュネーブの美術館で見つかり、返還交渉後に好意で戻された経緯がある鐘で、「世に希なる梵鐘」として「武蔵風土記」や「江戸名所図絵」にもふれられています。
12月31日には23時よりお焚き上げが始まり、日付が変わる1日の0時から除夜の鐘をつき始めます。基本的に無料で誰でもつくことはできますが、回数は108回と決まっています。
僧侶の読経の中、関係者がついた後に何人かで鐘をつき始め、なるべく多くの人についてもらえるよう調整はされますが、早めに行くほうが確実です。
帰りにはお餅(かねもち)の供養があるので、終わるまで残ったほうがいいでしょう。
<基本情報>
住所:東京都品川区南品川3-5-17
TEL:03-3474-3495
時間:24:00~25:30頃
料金:無料
一般参加:一般参加可
アクセス:京浜急行青物横丁駅下車
公式ホームページ:http://honsenji.net/
善福寺の除夜の鐘 詳細情報
「麻布山善福寺の除夜の鐘」
824年に弘法大師空海によって開山されたお寺で、都内ではあの浅草寺に次ぐ最古の寺院です。当初は真言宗寺院でしたが、現在は浄土真宗です。
本堂は家康が建立した東本願寺別院を大阪から移築したもので、300年の歴史を持つ文化財建物です。
福沢諭吉の墓所や越路吹雪の歌碑があることでも知られており、境内のカエデは樹齢700年以上の天然記念物で、枝ぶりがあたかも上から下に伸びていることから「逆さ銀杏」と呼ばれ、親しまれています。
こじんまりしたお寺で、浅草寺などに比べれば穴場と言えるでしょう。
大晦日には、鐘撞きも目当てに23時頃から参拝者が並び始めます。無料で、原則人数制限がないため、並べばみんな鐘を撞くことが可能なのが嬉しいところ。
前述の通り、基本的に希望者は全員衝けることになっているので、人数制限があるお寺のように極端に早く行くことはないでしょう。
それでも近年、並ぶ方は増えているので、いくらか余裕を持って行っておいた方がいいかもしれません。
<基本情報>
住所:東京都港区元麻布1丁目6番21号
TEL:03-3451-7402
時間:23:45~
料金:無料
一般参加:一般参加可(制限なし)
アクセス:東京メトロ南北線・都営大江戸線「麻布十番」駅徒歩5分
公式ホームページ:http://honsenji.net/
護国寺の除夜の鐘 詳細情報
「護国寺の除夜の鐘」
1681年に徳川綱吉の生母・桂昌院の祈願寺として創建された真言宗の寺で、月光殿など重要文化財が多く、大隈重信らの著名人も数多く眠っている墓所としても知られています。
開運招福や所願成就のご利益があると言われています。
石段を登り不老門を抜けると、正面に見える大きく壮麗な本堂が、やはり文化財の観音堂です。その壮大な本堂前は、様々な祭事の舞台としても利用されます。
また、意外に知られていませんが、釈迦如来坐像の大仏様が本堂に向かって右側に鎮座しており、都内では浄蓮寺大仏と並んで大きいので、明るい内に整理券を貰いに来たときには、ぜひご覧ください。
時間の11時半になると本堂より住職さんらがさっそうと登場して鐘撞きが始まります。
護国寺は参道に屋台も出て、人出はそれなりにありますが、境内も広く有名寺社の混雑に比べれば余裕があるでしょう。
「除夜の鐘は予約制」という事になっていますが、実際は当日の15時ころから本坊で配布が始まる整理券を持っている人のみということで、もちろんこの整理券自体は事前に予約はできず、並ばないといけません。料金は1,000円かかります。
基本的には先着108名のみで、おそらく時間通りに行って並んでも手に入らないので、早めに行くことが必要です。
<基本情報>
住所:東京都文京区大塚5-40-1
TEL:03-3941-0764
時間:23:30~
料金:1,000円
一般参加:15時頃~整理券配布、先着108名迄
アクセス:東京メトロ有楽町線護国寺駅下車
公式ホームページ:http://www.gokokuji.or.jp/
法明寺の除夜の鐘 詳細情報
「池袋・法明寺の除夜の鐘」
810年に真言宗の「威光寺」という寺名で開創された古刹で、現在は日蓮宗寺院で、寺号も「法明寺」となりました。
関東大震災時や戦火などで、倒壊や消失の被害にあってきましたが、再建・復興を果たし現在に至ります。
昔の面影を残す雑司が谷界隈に都心とは思えない自然の佇まいをみせる由緒ある寺院で、名刹・鬼子母神堂も擁し、「雑司が谷鬼子母神」という俗称で親しんでいる方が多いでしょう。また、参道は桜の名所としても有名です。
除夜の鐘の梵鐘は度量衡にちなんだ珍しい文様があり、撞く際には注意してみてください。
基本的には回数は108回のみですが、全員に衝けるように引き綱を沢山付けて、1回を数人で撞き、うまく調整してくれます。
全員衝けるように進めてくれますが、毎年人出はかなりあります。開門が23:30からなのであまり早く行ってもしょうがありませんが、余裕を持って行ってみてください。
0:30を過ぎると受付が終わるので注意です。
<基本情報>
住所:東京都豊島区南池袋3-18-18
TEL:03-3971-4383
時間:23:55~26:00
料金:無料
一般参加:可(受付は0:30まで)
アクセス:JR池袋駅東口より徒歩約15分
JR目白駅より徒歩15分
都電荒川線「鬼子母神前」下車
公式ホームページ:http://www.homyoji.or.jp/index.html
五百羅漢寺の除夜の鐘 詳細情報
「天恩山五百羅漢寺の除夜の鐘」
かつては黄檗宗でしたが、現在は単立の浄土宗寺院で、その名の通り多数(300体以上、かつては500体以上あった)の重要文化財の羅漢(お地蔵さん)を祀っています。
開基した元慶の手で掘られた羅漢は失われたものもあり、また年月による損耗も進んでいますが、寄進などにより修復を進めています。
印象としてはビルがメインの近代的な印象の寺ですが、寺務所、書院、聖宝殿などが機能的に配され、霊廟も完備します。
除夜の鐘として撞かれるのは、その屋上の鐘撞き堂にある「平和の鐘」です。有料ですが人数制限がないので、都内ではおすすめの鐘撞きスポットでしょう。
こちらは、有料ですが鐘撞きに関してメニューが細かく決められていて、希望者に親切なシステムになっています。
①除夜の鐘撞き&年越しそばセット券
料金:1,000円
枚数:108枚
事前購入や電話予約可
②除夜の鐘撞き当日券
料金:500円
枚数:制限なし
販売時間:22:00~0:30
鐘撞き時間:23:40~1:00(0:45までに並ぶこと)
③年越しそば当日券
料金:500円
枚数:50枚
販売時間:22:00~1:30
提供時間:22:30~2:00(L/Oは1:30)
当日に行って鐘を衝きたければ22時から販売される券を買って、22時半から並び始めればいいでしょう。遅くは、0時半までに行って0時45分に列に付けば鐘が衝けるはずです。
少し複雑なので、詳しくはお寺さんのホームページで確認してみてください。http://www.rakan.or.jp/rakanji/joya.html
<基本情報>
住所:東京都目黒区下目黒3-20-11
TEL:03-3792-6751
時間:23:40~25:00(鐘撞き)
料金:500円
一般参加:可(受付は0:30まで)
アクセス:JR目黒駅下車 徒歩で12分
東急目黒線不動前駅下車 徒歩8分
公式ホームページ:http://www.rakan.or.jp/rakanji/index.html
妙法寺の除夜の鐘 詳細情報
「堀之内 妙法寺の除夜の鐘」
日蓮聖人が建てたこの日蓮宗の本山寺は、堀之内の「おそっさま(お師祖さま)」として親しまれ、「境内に入るだけで厄を払える」と言われるほど厄除けのご利益が高いことで知られているお寺で、その評判を聞き、全国から大勢の参拝者が詰めかけます。
落語「堀の内」で粗忽者の亭主をなんとするのに勧められるお寺としても登場する、昔から庶民に親しまれたお寺さんでもあります。
また、境内も広く立派で、壮大な山門・鉄門など重要文化財も見応えがあります。
お寺の4大行事の一つとして三が日に「初詣 太歳三が日大祝祷会」が開催され、12月31日の大晦日は、11時半に開門後、0時から除夜の鐘が誰でも無料で撞くことができます。
並んだ順番で鐘が撞かれますが、2時間ほどで終了し必ず衝けるわけではありませんので、早めに並ぶことをおすすめします。
三が日は周辺道路は交通規制もかかるほど混雑しますので、計画的に予定ください。
<基本情報>
住所:東京都杉並区堀ノ内3-48-8
TEL: 03-3313-6241
時間:24:00~26:00頃
料金:無料
一般参加:可
アクセス:東京メトロ 丸ノ内線 東高円寺駅 徒歩15分
新高円寺駅 徒歩13分
公式ホームページ:http://www.yakuyoke.or.jp/
南蔵院の除夜の鐘 詳細情報
「業平山 南蔵院の除夜の鐘」
閑静な住宅街の中にある業平山南蔵院は、貞和四年、林能法師により開創された創建六百年を誇る天台宗のお寺です。
名の通り、業平が墨田川で舟遊びの際に船が転覆し亡くなった人を弔う塚の傍らに創建された、在原業平に縁が深い寺院です。
境内には「しばられ地蔵尊」を安置していることから、俗称を「願かけ しばられ地蔵尊」とも呼ばれ、訪れた人は縄を掛け、願を掛けます。
これは、南蔵院の境内での盗難に大岡越前が「ただ見ていた地蔵も同罪」と縄をかけたところ、盗賊が無事捕まったことで、「願い事の際に縛り(元旦)、叶えば解く(大晦日)」という盗難除け、足止め、厄除け、縁結びの象徴として祀られることのなった地蔵尊です。
大晦日は。年内では一番最後の達磨市である「達磨開眼供養」や「地蔵の縄解き供養」も行われ賑わいますが、22時からは除夜の鐘の整理券の配布があるので、撞きたい方は並んで入手する必要があります。
番号札は108回分の枚数になるので、希望の方は早めに行かないと厳しいでしょう。
鐘撞きは0時より始められますが、なんといっても嬉しいのは景気が付くようにとケーキが振る舞われることです。(除夜の鐘を撞く人のみ)
名前も「しばられているんだモン」というモンブランケーキ。
栗のクリームを縄に見立てて、お地蔵さまのお顔を付けるという、しばられ地蔵にちなんだ可愛いケーキで、これをもらうだけでも整理券をもらう行列に並ぶ価値がありますよ
<基本情報>
住所:東京都葛飾区東水元2-28-25
TEL: 03-3607-1758
時間:24:00~
料金:無料
一般参加:可
アクセス:JR常磐線 金町駅
京成金町線 京成金町駅
公式ホームページ:http://shibararejizo.or.jp/index.html
伝通院の除夜の鐘 詳細情報
「無量山 傳通院(むりょうざん・でんづういん)の除夜の鐘」
1415年に小石川極楽水に創建されたものを、徳川家康の生母・於大(傳通院殿)の方を埋葬する際にこの地に移した浄土宗の寺にして、江戸三十三観音霊場の札所にもあたります。
白木の色も鮮やかな瀟洒で立派な山門をくぐると、参道の先に徳川家の葵の紋を妻に飾った壮麗な本堂が迎え、左奥には於大をを始め、千姫や孝子など徳川家ゆかりの墓が立ち並びます。
大晦日には「除夜法要会・修正会」として法要が営まれ、11時より鐘撞きの受付整理券配布が始まり、0時の一番鐘が撞かれてスタートします。1打3人までですが、後半になると何人かで撞いてもよくなるようです。
参加料は2,000円と少し値が張りますが、守護矢のお土産付きですので、縁起物のお守りを授かったと思えば気にならないでしょう。
先着108名なので、1時間ほどは早めに行くほうが無難です。ただ108回の鐘が撞かれたあとも「初撞き」として109回以降も少し続くので、もし撞けなかったとしても待っている価値はあるかもしれません。(有料です)
また、限りはありますが甘酒の振る舞いもあるようなので、ぜひもらって温まってください。
<基本情報>
住所:東京都文京区小石川3-14-6
TEL: 03-3814-3701
時間:23:50~25:00(受付11:00~)
料金:2,000円
一般参加:可(先着108名)
アクセス:東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園」駅 徒歩10分
都営地下鉄三田線・大江戸線「春日」駅 徒歩10分
公式ホームページ:http://www.denzuin.or.jp/
まとめ
ご存知の通り、108つの煩悩を祓いながら来たる新しい年を迎える除夜(大晦日の夜)の鐘。
厳しい修行の上に祓うことができる煩悩を、除夜の鐘は庶民でも祓えると言われ、まさに1年の締めくくりとしてはこれ以上ない過ごし方と言えます。
ぜひ、行きやすそうな寺社を見つけて、今年は梵鐘の音に包まれながら新年を迎えられてはいかがですか?
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