都に暖かい春陽が穏やかに差す頃、桜も芽吹きはじめ、いよいよお花見のシーズンが幕を開けます。
その景色は、樹冠を大きく広げる枝垂桜から、情緒深く静かに立つ一本桜まで見どころに事欠かず、観光客を楽しませてくれます。
そこで、そんな春容溢れる京都へ、ぜひベストショットを撮りに出かけてみませんか?
今回は、そんな京都の右京区で、桜の穴場撮影スポットを紹介しましょう。
※左上(表題の頭)の→□ボタンでガイドエリアを表示させ、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。(スマホでは横回転させると見やすいです)
常照皇寺の桜の撮影スポットは?
<常照皇寺>
出典:京都の桜写真
京都市北部の山深い場所にある、光厳天皇が建立し隠棲した臨済宗の禅寺で、名前からわかるとおり皇室と関係が深いお寺です。
戦火や没収などで衰退した時期もありましたが、徳川の世になり再興を果たし、今に至ります。
重要文化財の「木造阿弥陀如来及び両脇侍像」目当てに訪れる客が沢山おり、春の桜、秋の紅葉、夏の新緑、冬の雪景色といつ訪れても日本の風情を見せてくれる、根強い信奉者が多い名刹と言えます。
ただ、右京区に最近編入された北部の旧京北町にあり、桜見頃には大変賑わいますが、そのアクセスの関係で極端な混雑は心配しなくていいスポットです。
・車でないと行きにくいがそのため混雑しているというほどではなくゆっくり見学できる。
・アプローチはよくないですが、気候もよく、ちょうど満開の桜に巡り会え、すてきなひとときを過ごせました
・静か…とは、この事をいうのか…と思いながら一段一段登りました。
桜の観光ポイントとしてはかなり有名で、以下の天然記念物の名木が数々あり、桜の宝庫とも言えるでしょう。
・九重桜~天然記念物指定でもある、白い泡が立っているように咲く4月中旬見頃の枝垂桜。
・左近の桜~京都御所の紫宸殿前の桜から株分けされた桜。
・御車返しの桜~4月中旬見頃の、一重八重を同時に付ける真っ白の桜。後水尾天皇が思わず牛車を引き返させたことが名前の由来。
緩やかに流れる静かな時間に身を委ねて名桜を鑑賞したいのなら、ここをおいて他にないでしょう。
注意点は、苔むした勾配や石段に転ばないよう、身軽な服装で行くことがおすすめです。
<基本情報>
住所:京都府京都市右京区京北井戸町14-6
TEL: 075-853-0003
拝観日:無休
拝観時間:9:00 ~16:00
拝観料:志納(300 ~500円)
駐車場:あり(無料)
アクセス:JRバス「周山」下車~ふるさとバス「山国御陵前」下車徒歩約10分
見頃:4月上旬~4月中旬
福徳寺の桜の撮影スポットは?
<福徳寺>
出典:京都の桜写真
711年に行基が開創した曹洞宗寺院で、あの弓削道鏡が整備に加わったことから「弓削寺」と称されました。
常照皇寺と同じく明智光秀の築城の用材調達のため破却されるなど法難に遭いましたが、明治の世に「福徳寺」として再興し今に至ります。
境内保存庫には重文の薬師如来、持国天立像、増長天立像など、重寺宝も多く収蔵されています。
福徳寺には溢れるほどの樹はありませんが、何と言っても桜のハイライトは本堂前の前庭に立つ「かすみ桜」です。
名前の通り、遠景には「春霞み」のごとく見えるこの桜は、一重の彼岸枝垂桜で、天然記念物としても指定され、地元でも愛されています。
社伝によれば1600年代に移植されたもので、樹齢は400年とも言われ、傘のように枝を伸ばす姿はまさしく霞のように道路からでも眺めることができます。
また、参道石段脇の紅枝垂れも、山寺の風景を瀟洒に飾っていて味があります。
桜の見頃は4月中旬頃で、ちょうど前述の常照皇寺の名桜とも重なるので、せっかく京北まで足を伸ばしたのなら、ぜひ併せて立ち寄って欲しい桜の古刹です。
<基本情報>
住所:京都市右京区京北下中町寺ノ下15
TEL:075-854-0971
拝観日:無休
拝観料:300円(境内自由)
拝観時間:境内自由
駐車場:あり(無料 10台)
アクセス:JRバス「周山」下車~ふるさとバス「下中」下車 徒歩5分
見頃:4月上旬~4月中旬
西明寺の桜の撮影スポットは?
<西明寺>
出典:京都の桜写真
高雄山神護寺から清滝川沿いを登っていくと10分ほどで着く真言宗のお寺で、空海の弟子の智泉が神護寺の別院として開き、「平等心王院」という通称でも親しまれています。
定番スポットの神護寺や栂尾山高山寺を含め「三尾(さんび)」と称される紅葉の名所ですが、名勝は春にも顔を覗かせます。
それが、寺の裏山に群生するミツバツツジと山桜の競演です。
おそらく、誰もが見た瞬間に我が目を疑うほど驚く絶景で、その赤紫に染まる山の斜面は4月中旬に出会うことができます。
濃いピンクのミツバツツジだけでなく、淡い桜色を加える山桜も咲き誇って絶妙な色彩を奏でているのが素晴らしい点。周囲の樹木が緑色の額縁を型どり、高名な画家の絵を眺めているようです。
まさしく高雄の豊かな自然が創り出した春爛漫の風景で、これをカメラに収めない手はないでしょう。
ちなみに絶景ポイントは高尾のバス停付近の駐車場で、遮るものなく目の前でこの絶景を撮影できるはず。
もちろん西明寺境内からでも堂宇とセットで眺めることができますし、朱塗りの指月橋や本殿を包む桜も味わい深くておすすめです。
また、面白いのがここのお守りで、「出るお金に感謝しましょう。倍になって帰ってきます」と記されているのです。
そう聞いたら、ご利益を信じて手に入れないわけにはいかないのでは? 1体200円ですから、少なくとも400円になって帰ってくるはず。
お賽銭箱に100円納めれば「1音100円」の鐘も自由につけるので、先ほどのお金の欲も落としてから帰途につくといいでしょう。
<基本情報>
住所:京都市右京区梅ヶ畑槇尾町1
TEL:075-861-1770
拝観日:無休(年末年始は休み)
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:500円
駐車場:なし
見頃:4月上旬~4月中旬
まとめ
言わずと知れた定番の観光スポットの嵯峨・嵐山エリアをかかえる右京区は、京都区の中では最大の面積を有する地域です。
桜の名所も、嵐山渡月橋周辺以外でも「天龍寺」「仁和寺」「龍安寺」などビッグネームを有しますが、混雑度も一級なので観光が心配な面があります。
それでも、まだ知られざる名所は沢山あるエリアでもあり、定番名所に比べればはるかにストレスなく楽します。
今回はそんな右京区の3箇所をピックアップしましたが、まだまだ撮影スポットはたくさんあるので、ぜひ別記事も参考に訪れてみてください!
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