お月見にお団子やススキを飾るお宅もあると思いますが、不意に子どもから「お月見ってなに?」「なんでお団子やススキを飾るの?」なんて聞かれて困ってしまうこともあるでしょう。
仮に知らなくてもインターネットですぐ調べればわかることですが、そのまま伝えても難しくて理解できないから考えてしまいます。
そこで十五夜やお月見の意味や由来はどんな内容をどう伝えればいいのかを考えてみます。
お月見の由来を子供向けに説明すると?
お子さんにお月見の習慣の意味や由来を聞かれて、さっと答えられる大人はそういないですよね。お月見に限らず子どもの質問にはいつもドキッとして、わからなければあたふたしてしまうもの。
でもそんなときは、取り繕ったり知ったかぶりするより自分も知らないことをちゃんと告げたほうがいいと思います。その上で、「お母さんもとっても知りたい、すごく良い疑問だと思うから調べてみるわ。わかったら今度お話してあげるから待っててね」と約束したうえで調べてみればいいでしょう。
お子さんの疑問に答えられるように、十五夜やお月見の意味や由来をおさらいしてみましょう。あまり学問的なむずかしい言葉で知ってもかえって説明がしにくくなってしまうので、お子さんと共有できる簡単な概要にしてお伝えしますね。
<十五夜やお月見の説明しやすい概要>
十五夜は15日かけて丸くなった満月のことを指し、満月は1年に12~13回見れます。
そのうちの最も空が澄んできれいに見える9月から10月のころの満月を観賞する「月見」「観月」の風習が生まれ、ちょうどそのころが実りの時期でもあったことから収穫祭としても定着したのが「お月見」の始まりです。
満月に模したお米で作ったお団子を12個~15個(満月の回数や満ちる日数など場所によります)お供えして豊穣の感謝をするとともに、まだ収穫時期が来ない稲穂の代わりにススキの穂を飾って感謝や来年の豊穣もお願いしました。
ススキには魔除けの力があるとされ、併せて健康や幸せを願う意味も込められました。
子供向けに表現すると・・・
お月さまってね、15日かけてまん丸になるの。
だから十五夜って言うんだけど1年の内で一番まん丸のお月さまがきれいなのが今なの。
昔の人はそんなお月さまを見ながらお米や作物がいっぱい採れたことを喜んでお祝いしたのが「お月見」なのよ。
その時にお月さまと同じまん丸のお団子を採れたお米で作ってお月さまにありがとうって伝えたの。
だから本当はお米の稲穂も飾りたかったんだけど、もう少ししないと採れないので、悪いものを追い払う力のあるススキを一緒に飾ることにしたわけ。
本当に簡単なおさらいですが、こんな内容をお子さんに伝えてあげればわかりやすく理解できるのではないですか。
併せて余裕があれば、月の誕生や月に見えるウサギなどのことも教えてあげたら楽しいですよね。
お月見の由来をクイズで説明すると?
お子さんにいろいろなことを教えてあげる際に、お母さんも先生ではないので順序立ててわかりやすく説明するのはむずかしいもの・・・でしたらクイズの形にしてしまったら説明し易いのではないですか?
お子さんも、ただ説明を聞くより楽しく答えながら理解できますし、きっ興味やと関心が高まります。
でも、クイズって言われてもどんな問題にすれば?と困ってしまうと思いますので、以下のクイズサンプルを参考にしてみてください。
もんだい①
・お月見は、どうしてするようになったの?
(1)お米・野菜がたくさん実ったことを感謝するため。
(2)月のパワーをもらい、健康になるため。
(3)台風がこないようにお願いするため。
(1)のお米・野菜がたくさん実ったことを感謝するためなの。お月見をする秋は食べ物がとれる季節でしょ。だから今年もたくさんの収穫をありがとう、また来年もお願いしますと敬っていたお月さまにサトイモやおだんごをお供えししたのよ。
もんだい②
・お月見は、なぜ今やるの?
(1)1年でいちばんお月さまが大きいから
(2)1年でいちばんお月さまがきれいだから
(3)1年でいちばんお月さまにパワーがあるから
(2)が正解。お月さまは雨や曇りだと見えないでしょう。いまは1年の中でいちばん空気が澄んでてお月さまがきれいに見えるからなの。それにさっきも言ったようにちょうど畑の作物がたくさん採れるからなのよ。
もんだい③
・なぜおだんごをかざるの?
(1)お月さまのようなお米だんごを作ってお米が採れた感謝をするため
(2)髪が白くなるまで長生きできるようにお願いするため
(3)お団子をたくさん飾って、赤ちゃんがたくさん生まれるようにお願いするため
(1)の今年もたくさん採れたお米でおだんごを作ることができましたってお月さまに感謝をするためなの。おだんごならお月さまにもそっくりでしょ。お月さまは15日かけてまん丸になるから15個作ることになってるのよ。
もんだい④
・なぜススキをかざるの?
(1)悪いものを追い払ってくれるようにお願いするため
(2)おだんごの虫除けのため
(3)たくさん実ってほしいお米の稲のかわり
このクイズには正解がふたつあるの。
ひとつは(1)の悪いものを追い払ってくれるため。節分に鬼さんが来ないように豆をぶつけてたでしょ?ススキも同じパワーがあるの。
もうひとつの正解は(3)の実ってほしいお米の稲の代わり。本当はお米の稲を飾ればいいんだけどもう少ししないとお米が採れないから似ているススキの穂を代わりに飾るようにしたの。
もんだい⑤
・お月さまはどうやってできたの?
(1)太陽のちりが、集まって固まった。
(2)地球にぶつかったいん石のかけらでできた。
(3)地球が大ふん火をおこしたため。
正解は(2)のいん石のかけら。すごく昔に飛んできた大きな岩の固まりが地球にぶつかって粉々になったの。そのちりがもう1回固まって地球の周りを回り始めたのがお月さまなのよ。すごいよね!
もんだい⑥
・月でウサギがもちをついているって本当?
(1)本当。人間のようにかしこいウサギ。
(2)月のもようがウサギに見えるだけ。
(3)もちはつかないが、ウサギはいる。
お月さまを見てみて。確かにお月さまにウサギさんが見えるよね。でも月の山や谷の形が黒い模様を作って、そういう風に見えるのよ。だから(2)が正解。外国じゃカニやライオンに見える国もあるんだって。
最後の問題は、少し夢がないかもしれませんね。
十五夜の団欒に、こんなクイズ形式のお話をするとお子さんは目を輝かせて答えてくれるのではないでしょうか?サンプルを参考にいろいろ伝え方などアレンジしてみてください!
⇒お月見クイズ問題・解答PDF ※よければダウンロードしてお使い下さい。
お月見の絵本 おすすめは?
いろいろな物事の由来や意味を伝えるのに、絵本の読み聞かせを利用するのも有意義な方法です。子どもは物語が大好きですし、そんな機会をたくさん作ってあげることで興味や関心が広がっていくものです。
本によっては、由来の核心には触れない内容のものもあるかもしれませんが、上記のような簡単な説明をしてあげた上で十五夜にちなんだ絵本を読んであげればお子さんは喜ぶでしょう。
それでは、十五夜やお月見にちなんだ絵本はどんなものがあるでしょうか?少しピップアップしてみますね。
「おつきみっておいしいね」 木村裕一/作ふゆのいちこ/絵
お月さまがだんだんまん丸くなっていくしかけ絵本です。少し小さい子向けですが、お月見の意味を教えるのに分かりやすい内容で、お月さまがどんどん満月になっていくのもお子さんはワクワクするはずです。
おつきみっておいしいね [ 木村裕一 ]
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「14ひきのおつきみ」 いわむらかずお/作・絵
お月見のために木の上に台を作ろうと奮闘するネズミたちの物語。絵も緻密で特に植物が美しく描かれているので、お子さんも自然への興味も育てる素晴らしい絵本です。
月が昇るクライマックスのころにはお子さんも引き込まれている、物語性に溢れたおすすめ本です。
14ひきのおつきみ [ いわむらかずお ]
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「おつきみうさぎ」 中川ひろたか/作 村上康成/絵
おだんごも作ってさあお月見というの時にうさぎさんが月にいない!それが最近拾って幼稚園で飼っていたうさぎだったというほのぼのとしたお話。幼稚園保育園に行っているくらいのお子さんなら親近感がわいておすすめです。
おつきみうさぎ [ 中川ひろたか ]
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まとめ
お子さんの知識欲ってすごいですよね。大人は当たり前と思うことにも理由や説明を求めてきますし、逆にそれで自分が何も知らなかったことに気づかされたりします。
調べて自分で理解しても子どもに教えるのはまた別で、いろいろ噛み砕いて興味を引きそうなお話にしないといけないので親御さんは大変です。
そんな際の参考になれば幸いです。ほのぼのとしたお子さんとの十五夜が過ごせるといいですね!
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