お歳暮の季節ですが、中には贈られて困るものもありますよね。好き嫌い以前に嗜む人がいない場合に途方にくれるのがお酒類です。
それでもビールなら分けてしまえば高価なものではないのであげたりできますが、ウイスキーなどになるとちょっと事情が違います。
飲まないウイスキーをいただいた時はどうすればいいのでしょうか?
ウイスキーの保存や賞味期限ってあるの?
なぜか決め打ちして同じものを贈ってくださる方はいますよね。例えばお酒で、もちろん家に好きな者がいたからですが、亡くなってしまい通知もしてなかったりすると、お酒を飲む人がいなくなったと言い出しずらいことになったりします。
もし、ウイスキーをもらってしまったらどうすればいいでしょうか?そもそもウイスキーってどう置いておけばいいのかすらわかりませんよね。まず、そこから解説しましょう。
ウイスキーのラベルをよく見ると、製造年月日や賞味期限といった表示が見当たりませんよね。
食品表示法によると、ウィスキーなどの酒精飲料(エチルアルコールを含んだ飲料)は砂糖やアイスクリーム、かんきつ類やバナナなどとともに表示義務がなしではありませんが、省略が可能な品目として位置づけられています。
※ただ、清酒は「製造時期」表示を義務付けられ、ビールは業界の自主ルールを国が承認した形で「賞味期限」表示が義務可されています。
なぜ省略してもいいのかと言うと、アコール飲料は腐敗・劣化の可能性が低いからです。特にもともと日持ちをさせるために蒸留して作るウイスキーなどのお酒は、未開封・適正保存であれば消費期限はないと考えても差し支えはないでしょう。
冷暗所に保存することが勧められていますが、温度に関してはさほど神経質にならなくても大丈夫です。基本的に室内の人が過ごせる環境であれば問題ありません。
あまり冷やしすぎると沈殿が起こり劣化すると言われますが、一般的なウイスキーは起こらないようにしてあります。
普通、樽で熟成したウイスキーは冷えると確かに香味の一部が飽和して白濁します。そこでこれを防ぐため、0~5度まで冷却ろ過します。
これを「「Chillfiltered(チルフィルタード」といい、冷却ろ過せず熟成の進んだ高級ワインは「Non-Chillfiltered(ノンチルフィルタード)」と表示し区別します。(チルド食品の「チル」です)
ですので「Non-Chillfiltered(ノンチルフィルタード)」と表示があったら冷蔵庫保管で沈殿する恐れはありますが、それは腐る・劣化というよりも風味が損なわれてせっかくの高級品がもったいないという方が正しいでしょう。
むしろウィスキーは光のほうがよくありません。というより、食品全般に紫外線が影響が好ましくないと言えるのです。高級ウイスキーが着色瓶に入っていたり木箱に入っているのは、光を避ける理由が強いのです。
上記のことから、一般的なウイスキーでしたら、直射日光が当たって温度変化が極端な場所に置かなければそれほど神経質にならなくても大丈夫です。もし「Non-Chillfiltered(ノンチルフィルタード)」と表記があったり、木箱に入ったような高級そうなウイスキーでしたら、澱が出ることもあるので極力冷暗所を探しておいておく程度でいいでしょう。
ウイスキーに関しては、もう1点だけ注意することがあります。
これは古いウイスキーに見られますが、コルク栓がしてあるウイスキーは気密性が低く酸素劣化が進むことがあります。また保管温度によっては揮発が進んでいつの間に中身がなくなったなんてこともありえます。コルク栓でなくてもウイスキーのボトルは完璧に密封されているわけではないので、好きな方は専用フィルムで密封しているくらいです。
なお、現在コルク栓のウイスキーはほとんど販売していませんので出会うことはないと思いますが、もしそんなウイスキーを手にしたら、価値のわかる方を見つけて譲ったほうがいいでしょう。
このようなことに気を使えば、ウイスキーは半永久的に長持ちする飲料と覚えておいて下さい。飲んで美味しいか否かの判断は、前述の澱が出て濁っているか?ちゃんと澄んでいて透明か?である程度判断すればいいでしょう。(もちろん高級ウイスキーは最初からある程度沈殿物あるくらいですから、絶対ではありません)
ウイスキーの有効活用のレシピを教えて
本来の味わい方ではないので贈った方にも申し訳ないですが、飲まないウイスキーをうまく有効利用できれば少しは気が休まりますよね。
ウイスキーのそんな有効活用ってないのでしょうか?
お酒といっても食品なので、やはり料理で消費できるといいですよね。
ウイスキーと意外に合うのが、実はお肉・・それも鶏肉です。ウイスキーを隠し味に使った料理レシピは結構沢山あります。
今回はその中のひとつで、この時期にピッタリの、おもてなしにも使える1品を紹介します。
料理名:ウイスキーチキン
作者:coco_115
■材料(2人分)
鶏もも肉 / 1枚
玉ねぎ / 1/2個
エリンギ、マッシュルーム等のきのこ類 / ひとつかみ程
にんにく / 1片
オリーブオイル / 大さじ1
ウイスキー / 1/2カップ
生クリーム / 1/2カップ
醤油 / 小さじ1/2
塩こしょう / 適量
■レシピを考えた人のコメント
口の中でふわ~っと広がるウイスキーがいい香り。寒い日にぴったりの、体がポカポカになるおすすめメニューです。
スイーツ系で大人向けの洒落たレシピなら、食後にいい香りで体も少し温まるゼリーはいかがですか?
料理名:コーヒーゼリー
作者:warasibehinja
■材料(3人分)
液体コーヒー(無糖) / 350cc
粉ゼラチン / 5g
砂糖 / 30g
ウィスキー / 30cc
生クリーム / お好みで
■レシピを考えた人のコメント
カクテルの一種であるアイリッシュコーヒーですが、アルコールの量を抑え気味にしてアイリッシュコーヒーの雰囲気を持たせたコーヒーゼリーに仕上げました。
ウイスキーの量は、調整してくださいね。
あとは毎日少しずつ消費するなら、ティータイムに使う手でしょう。
ウイスキーはチョコレートと相性がいいので、ホットチョコレートに適量たらして飲めば体がぽかぽかして、寒い夜の就寝前の一杯として最適でしょう。
もし、それでも使い切れず持て余してしまうようなら、「漬ける」のに利用すれば解決です。とは言え、この場合お酒が苦手で工夫しているのですから、何かを漬けて別のお酒を作ったのでは解決にはなりません。
そこで、ドライフルーツやレーズンを漬け込んでそのまま食べたりケーキ作りの材料にしてみてはいかがですか?
料理名:レーズンのウイスキー漬
作者:酔いどれんぬ
■材料(1~4人分)
レーズン / 1カップ
ウイスキー / 1カップ
■レシピを考えた人のコメント
ラムレーズンならぬ大人のウイスキーレーズン。作っておけばお菓子、料理にカクテルに大活躍。ポリフェノールたっぷりであら簡単、まあ美味しい、やだ綺麗になれる一品。
苺や梨など普通の果物を漬け込んでも、大人のデザートに変身してしまいますよ!ぜひお試しあれ!
このように活用すれば、あとで万一どうでした?と聞かれても「美味しくいただきました」と答えられますし、嘘でもありませんよね。
お歳暮でお酒の断り方の文例は?
うまく保存ができ、また有効利用して消費したとしても、また来年以降もいただいてしまったら困りますし申し訳ないですよね。
何とかうまくお断りする手立てはないものでしょうか?
お中元やお歳暮に「それはいらない」と注文をつけるのはなかなかデリケートで難しい問題です。かと言って、好きな方を見つけて譲るのも、毎年となればもらった人も「お断りすればいいのに」と思いかねません。
「それでもありがたくいただき続けた方が角が立たない」「正直に事情をお伝えして止めてもらったほうが失礼ではない」など人によって考え方は違う問題でしょう。決まったルールやマナーはないと思います。
ただ、好き嫌いで注文をつけるわけではなく誠意の気持ちからのお断りなのですから、私はお伝えしたほうがいいと感じます。
その際、相手を不快にしないための嘘は「方便」として使ってもいいでしょう。あくまで文例ですが、以下のような内容はどうですか?
師走のあわただしい時期になりましたが、皆様お元気でお過ごしの由、何よりのことと存じます。
このたびは結構なものを頂戴いたしましてありがとうございました。御無沙汰にも関わりませず、毎回お気遣いいただき本当に感謝申し上げます。
さて、本日はそのお歳暮についてのことなのですが、実は祖父が○年に他界し慎ましく家族のみで葬儀を執り行いました。その際はお知らせもせず大変失礼致しました。
存命の頃は、○○様からの毎年のお歳暮を楽しみにしており、ペロッと飲み終わって顔を赤くしておりました。
その後、家族で好きな者がおり毎年大変美味しくいただいておりましたが、最近体調の関係で医師に止められ嗜めなくなり、大変失礼かと存じますがお酒をお送りいただきまても無駄にしてしまうようになりましたので一筆申し上げました。
このような失礼なお知らせをしてもいいか大分悩みましたが、お伝えせず頂き続けるほうが失礼な気がしましたので、勇気を奮ってご通知させていただきました。
また、今後もかわらぬお付き合いのほどよろしくお願い申しあげます。厳冬に向かいます折、くれぐれもお体を大切に。
敬具
もちろん、上記のようなパターンとは限らないかもしれませんが、こんな表現や組み立て方を参考にアレンジしてみてください。
電話をしてお伝えしてもいいですが、デリケートな内容で、言葉を間違えるとニュアンスが変わってしまうこともあるので、まずは手紙やハガキで趣旨を知らせることをおすすめします。
その後、電話をするならあまりしつこく繰り返さず「書面でお知らせしたとおりに・・」と失礼を侘び、今後もご指導やお付き合いを希望する旨を伝えればいいでしょう。
こちらからもお歳暮を贈っているのなら不要だと思いますが、もしそうでないなら同額程度の品物を添えて贈ってもいいと思います。
まとめ
気持ちの問題なのでなかなか正直に伝えていいか迷うのが、このようなお付き合いごとです。
しかし、言わなくても過ごせることをあえてお伝えするあなたの誠意に、相手も理解してくれるのではないでしょうか。
じゃあどうせなら来年からはお好きなものを・・なんて聞かれてしまうかもしれませんよ。
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