就活も無事終わり、あとは来年春の入社までは一安心と思っても、それまでの時節の挨拶は大丈夫ですか?
面接から採用まで担当してくれた内定先人事担当者の方も、今年お世話になったひとりですよね。
ただ、お礼を兼ねて年賀状を・・などと考えても、こんな場合は年賀状は出してもいいの?みんなはどうしているんだろう?と気になります。
内定先には年賀状を出すものなのでしょうか?
内定先に年賀状は出すべき?
内定をいただいた会社に年賀状を出すかどうかは、これといったルールが定まっていないので悩む学生さんが多い問題です。
内定した会社の規模や形態、その会社のルールや人事担当者がどう考えるかなどでも変わってくるから迷ってしまいますよね。
学校の就職課などでは進めていたりしますが、最近では社員間で虚礼廃止を原則にする会社もあり不要と考えるケースもあるので悩ましいところです。
実際の調査などで見ても、設問(出す・出さないの2択だけ)によっては出さない派が多い傾向があるものの、よく考え方を見ていくと半々に近い結果がでているようです。
調査アンケート例
内定先に年賀状を出すか?
・出す~24.9% ・出さない~75.05%
内定先に年賀状を出したほうがいいと思うか?
・出したほうがいい~43% ・出さなくてもいい~57%
内定先に年賀状は出すべき
・出すべき~25% ・出してもいい~18% ・お礼状や寒中見舞いで~12%
・出さなくてもいい~37% どちらでもいい~12%
出す派では「出しておいたほうが無難」「出したほう印象がいい」「マイナスにはならない」とする一方、出さない派は「気負ってると見られる」「点数稼ぎと思われる」「事務的送っても無意味」などさまざまで、双方うなずける理由ではあります。
おそらく企業側は「出すべきか」聞かれれば「必ず必要ではない」と考える会社が多いと思われます。実際にも人事担当が簡単に目を通して終わりというケースがほとんどでしょうし、大きい会社であるほどそんな処理が一般的だと想像できます。
実際にも
内定者から年賀状は来たか?
・少数から来ている~60% ・あまり来ていない~30%
と内定者全員からもれなく来ているような様子ではなく、企業側も年賀状の有無にはそれほど気をかけていなかったり、その後に影響することはまずないと考えていることが伺えます。
では、内定先への年賀状は不要と考えていいのでしょうか?
結論を言えば、もしあなたが決めかねているようなら出しておけばいいのではないでしょうか?
社会では「必ずしも必要ない」というのは曲者で、往々にしてしておいたほうがいいケースもあります。例えば、来ないことがマイナスにはならなくても、頂くのは嬉しいと解答する人事担当者も中にはいます。プラスの印象を与える可能性もゼロではないということです。
心がこもらない形だけの年賀状なら出さないほうがいいという意見を耳にしますが、仕事では気持ちに関係なくするべきルーチンが沢山あります。内定先への年賀状も、学生としてではなくすでに社会人としての立場でのルーチンと考え、気持ちを切り替えるスタートとするなら大いに意味はあるでしょう。
また「気負い・点数取りや媚を売っているようで」という理由も、前述のように事務的な処理の中ではいちいちそこまで深くとらないので杞憂です。
プラスになるのを期待して送るのはやめたほうがいいにせよ、出したからマナー違反になるわけではないことを悩んでいるくらいなら出してしまえばいいでしょう。
なお、年賀状を出しておいたほうがいいかは会社の形態や規模にもよります。社員数や内定者数が少ない中小企業や家族経営の小規模な会社の場合は、出しておく方が無難でしょう。また、経営者と社員の距離が近そうだと感じたら、やはり出すことをおすすめします。
内定先への年賀状の宛先のマナーは?
もし内定先に年賀状を出すのでしたら、文面以上に気を配るべきなのが宛先の書き方です。これは、出す出さないと違って明確なルールがあるからです。
基本的な宛先は採用業務を担当する人事部になるのが一般的ですが、いくつかケースが考えられます。
もし面接した際などに人事・採用担当者の名前がわかっているようなら、
「○○会社 人事ご担当 ○○様」
と直接その方宛てに送ればいいでしょう。この場合「○○人事担当者様」や「○○人事部長様」という表記はNGです。名前を確認できていない場合は、
「○○会社 人事ご担当者様」
とします。これは名前がわかっていても複数担当者がいる場合でも同様です。記載順での失礼を避けるために、決して名前を並べて書かないことがポイントです。
また、組織や団体には「御中」、個人(名前や役職)は「様」が一般的ですが、併用はしないことが正式なルールです。
×・・・ ○○会社 御中 ○○ 様
○・・・ ○○会社 ○○ 様
丁寧に越したことはないだろうと、ついやってしまいがちな誤りなので注意ください。
併せて、会社・団体名のみの宛先(「御中」で結ぶ終わり方)はやはり避けたほうがいいでしょう。「○○様」や「担当者様」ときちんと特定の人の元に届くような「様」で終わる送り方をするのが、気配りができたマナーと言えます。
ただ、社長さんが面接してくれた小規模な会社の場合でない限り、これから入社予定の1社員が社長宛に送るのはNGですから注意してください。
内定先への年賀状の文例やマナーは?
それでは、内定先に出す年賀状の文章は、どんな内容にすればいいのでしょうか?
この場合の年賀状の文章は、あまり長いものは気負った印象を与え逆効果になるので簡潔な内容で短めにするべきです。ふたつほど例文を挙げてみます。
文例のように、賀詞や定型文は印刷でも、文章は手書きで添えると印象が違います。
尚、目上の人への年賀状の場合、賀詞に「賀正」「迎春」など二文字のものを使うのは良くないとされます。なぜなら単に「正月を祝う」「春を迎える」と書くことになるからで、「謹賀新年」「恭賀新年」などは「謹んで~」「恭しく~」と言う意味が入った敬語になる賀詞を使うといいでしょう。
「謹んで新年のお慶びを申し上げます」もより丁寧でOKです。
先方がそこまで知っているかは別にして、正しいルールに則っておくに越したことはありません。
まとめ
マナー違反になるわけでもない内定先への年賀状は、上記のように迷っているなら出す方がいいでしょう。万一虚礼廃止だったとしても、あなたはまだそれを知らないわけですから届いたとしても目くじらを立てないはず。
もし、採用者の目に留まれば嬉しくないはずはないですし、仮に沢山の年賀状に埋もれてしまったとしてもマイナス要素はないわけですから。
実際お世話になったのは事実なのですから、素直に感謝を伝えたい気持ちで年賀状を出すことは無駄ではない、有意義なことだと思います。
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