夏の大三角形は、ちょうど夏休みに見つけやすいので小学校のお子さんも親しみやすい星です。自由研究などにも人気があり、星座研究の人気テーマとも言えます。
とはいえ、初めて星空を観察するお子さんや協力する親御さんにはどう見つければいいかからわからないはず。
そこで夏の大三角も含め、星の研究のための予備知識を解説します。
夏の大三角形の見つけ方?
なんとなく星空を見上げても綺麗ではありますが、どんな星がどこに光っているかなんて知識がなければ分からないのが普通です。
当然、大三角はどうすれば見つかるの?方角や時間帯って?時期だって関係あるでしょ?とわからないことばかりでしょう。
それでは、具体的に手順を追って見つけてみましょう。
場所は、よほど方角や遮るものなどの条件が悪いのでなければベランダや近所の危なくないところで十分です。ただ、あまり照明や街灯などの光が強すぎないほうがいいです。極力暗いほうが、見つけやすいことは分かりますよね。
時期は夏休み中ならいつでも大丈夫ですよ。もちろん雨や曇りの日は見えませんから、晴れている日にして下さい。
時間は20時~21時ごろがいいでしょう。星座の観察とは、このくらいの時間帯にやることを指します。
方角はズバリ「東」です。
もし今後も星座研究をやっていくようならコンパスはひとつ欲しいところ。でも、最近はスマホに性能がいいコンパスが搭載されているのでそれでも十分です。iPhoneなら「便利ツール」の中にあるはずです。
まず星空を何もせず10分くらい見上げていてください。目を夜空の暗さに慣れさせるためです。いきなりでは絶対に見えないはずです。
目が慣れたら、ゆっくり上に目線を動かしていき一番明るいと思う星を見つけてください。
あったら、そのまま下げていき少し向かって左にもうひとつ明かるい星がありますか?
さらに下げていって今度は向かって右のだいぶ離れた位置にもうひとつ明るい星があるはずです。
あったでしょうか?この3つを結んだ三角形を「夏の大三角(形)」と呼びます。ちなみにこの名前は正式な専門用語ではなく、いわばニックネームのようなものですので覚えておいて下さい。
各々の星の名前は
・一番上の星~こと座のベガ(織姫星)
・左側の星 ~わし座のアルタイル(彦星)
・右側の星 ~はくちょう座のデネブ
ベガは織姫星でアルタイルは彦星なので、よく見ればその間を斜めに天の川が走っているのも見えるはずです。
見つかったでしょうか?
3つとも1等星で明るいので見つかるはずです。東の夜空にあるほかより明るい3つの星が夏の大三角形と覚えておきましょう。
夏の大三角形の記録やまとめ方
見つかったけれど研究だから記録しなければいけないんだけど?って思いますよね。
でも観察したものは、どう紙に写し取ればいいんでしょうか?
それには、まず方眼紙を用意してください。何回か観察経過を書き込むのでしっかりした紙がいいです。
ここで、星空の位置を定規のように測る目安を説明しますね。
・まっすぐ立ってください。
・片方の腕を前方にまっすぐ伸ばしてください。
・こぶしを握って縦向きにし少し内側に向けて
ください。
このこぶしの縦幅が約10度になります。夜空はまっすぐ正面が0度で真上が90度なので、こぶしが9個分に分けられるはずです。
こんな目安で記録方眼紙を作り、観察したものを見た位置に書き込んでいけばいいでしょう。
昼間の内に目安となる建物や電柱・電線、山並みなど目安のなる景色は必ずスケッチしておいてくださいね。
星を書き込むのが楽になるはずです。
ちなみに8月前半の20時半頃に観察すると、大三角形はこんな感じに見えるはずです。
大事なのは、観察する位置を変えないこと。場所もそうですし顔の高さもです。もし長時間の観察をするなら、疲れない楽な位置で始めることが肝心です。
そんな要領で観察しながら、
①時間での星の動き
②日による位置の変化
③速さや明るさの変化
などをまとめれば立派な自由研究になりますよ!
夏の大三角形は早見表で観察しよう!
さきほどコンパスのことに触れましたが、星の観察に欠かせないものがもうひとつあります。それが「星座早見盤」です。
場所や日時を盤をまわしてセットすると、どの位置にどんな星や星座が見えているはずかをガイドしてくれるもので、当然夏の大三角も表示されています。
市販のものもそんなに高くなく販売されているので購入してもいいですが、手作りでできる無料の型紙もネットで入手できるので参考にして下さい。
星座早見を使おう!※「星座早見盤工房」が汎用的で使いやすいです。
星座早見盤 スターディスク
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それでは簡単に星座早見盤の使い方を解説すると、
・回転する2つの盤の日付と時刻の目盛りを合わせる。
・場所による誤差を盤を動かし調整する。
・見る方角が下になる向きで持つ。
・その状態で窓の中に現れたのが、その時見える星空です。
・窓の中心が真上で手前の窓縁が地平線になります。
いかがですか?星座観察の頼もしい味方になるのでお持ちになることをおすすめします!
まとめ
星の研究は、とてもロマンがあり興味が尽きないテーマです。是非チャレンジすると楽しいですよ!
星の自由研究で注意点は、天候に左右されること。余裕があるつもりでも、夏休み後半がずっと曇り空だったなんてこともありえます。
なので、あわてないよう計画的に進めてくださいね!
充実した自由研究ができることをお祈りします!
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