また、つらい花粉症の季節がやってきますが、いろいろな症状で悩まされている方も多いことでしょう。
花粉症の症状であるくしゃみや鼻水・鼻詰まり、目のかゆみや充血といった鼻や目のトラブルに加えて、最近では肌があれてしまうという方も増えています。
今回は、そんな花粉症の時の肌荒れトラブルの原因やその対処法について考えてみました。
花粉症のときの皮膚炎の原因は?
花粉症は、実は皮膚炎とも関わりが深く、アトピー性アレルギー皮膚炎の方のうち40%は花粉症にも悩んでいます。
主に目の周りや頬などを中心に痒みやかぶれに悩まされ、顔全体や首周りにも広がることが多い皮膚炎です。
普段アトピーではない人も花粉飛散時には症状が出ることがありますし、逆にアトピーだと思っていたら花粉症だったということもあったりします。
この原因は、口や鼻から侵入したアレルゲンでも発症しますが、実は肌に付着した花粉も直接影響します。
話は変わりますが、近年こどもから大人まで花粉症を発症する方は毎年うなぎのぼりに増え続けています。
しかし、スギ花粉の量など環境条件がそれほど変わらないにも関わらず、花粉アレルギーの方が増加してしまった原因に関しては、長い間よく分かっていませんでした。
もともとアレルギーは、免疫システムの異常であり、そこへ対象のアレルゲン物質が入ってきて過度な免疫反応が起こると考えられてきました。
しかし近年の研究で、アレルギーの方の皮膚表面でバリア蛋白質を作る遺伝子の変異が認められたことから、まず皮膚からのアレルゲン侵入が先で、免疫システムの異常はその結果ではないかと疑われ始めたのです。
その後、実際にも化粧品メーカー資生堂の研究で、花粉の持つタンパク質が粘膜だけでなく、皮膚表面の肌バリア機能も低下させることが確認されるなど、皮膚へのアレルゲンの付着がアレルギーの大きな鍵となっていたことがわかりつつあるのです。
従って、花粉症が急増した原因が、肌のバリア機能の低下のよる乾燥が大きく関係していたことがわかり、皮膚炎だけでなく花粉症の総合的な対策として、いかに皮膚バリアー機能を高めるかということに注目が集まっています。
それでは、花粉症で肌荒れも併発している場合は、具体的にどんなことを注意すればいいのでしょうか?
花粉症のときの皮膚炎の対策は?
見てきたように、花粉症対策として効果的なのは、いかに花粉を肌に直接触れさせないかということになるでしょう。ましてや皮膚炎に関しては、いっそう大切なポイントになります。
先程の花粉症の方で異常があった皮膚の遺伝子を「フィラグリン」といい、皮膚を覆うバリアの役目をする天然保湿成分(NMF)の元となるものなのです。資生堂は「フィラグリン」が「NMF」を作り出すメカニズムもすでに解明しています。
従って、花粉症対策で最も大事なのは、このNMF(天然保湿成分)をいかに健康に保ち、保護・保湿力を高めるかにかかっていると言ってもいいでしょう。
最近スキンケア製品にも配合され、耳にする機会が増えたNMF(天然保湿成分)ですが、もともと肌細胞自体が持っている物質で、加齢によっても減りますが、自前のうるおいバリア機能と言えるのです。
花粉の季節に対策を頑張るあまり、洗顔も念入りにしてしまいがちですが、NMFを洗い流してしまうので逆効果です。
洗顔しないことを薦める専門家もいるくらいですが、そういうわけにはいかないでしょうから、ぬるま湯で優しく洗うか、低刺激の洗顔料をよく泡立てて、こすらず撫でる程度がおすすめです。
当然もお湯でメイククレンジングが十分可能なコスメに変える工夫も必要でしょう。
ただ、よく花粉症シーズンはマスクもするし、どうせ化粧崩れするのでメイクもおざなりでいいと考えがちですが、花粉が肌に直接触れやすいという意味ではNGです。
特にベースになる化粧水や乳液はきちんと使って乾燥を防ぐのは必須ですし、もし染みるようになったら敏感肌用にチェンジするのも大事なことです。
さらに花粉などが付きにくいようにパウダータイプのファンデで肌表面をサラサラにしておくのが効果的です。
このように、肌が本来持っている潤いを保つ働きを上手にケアして花粉から肌を守ることが、皮膚炎にとどまらず花粉症対策の最も大事なポイントになることが明らかになってきつつあります。
花粉症の対策食材のレシピは?
花粉症のときや、特にアレルギーでの肌のトラブルに悩んでいる場合は、食生活の改善は肌ケアと合わせて実行すべき対策です。
特にヒスタミンも多い肉類などでタンパク質や脂肪分を多く摂ることを避け、野菜や果物を中心に組み立てると、症状がかなり和らぐのでやってみて下さい。
特に注意するポイントは免疫力を活性化してくれたり、粘膜を強化する食材を摂ること。またヒスタミンを抑える食材も欠かせません。逆にヒスタミンを多く含むものを避けることも大切です。
●粘膜強化食材(βグルカン・βカロテンなど)~きのこ にんじん ほうれん草 かぼちゃ モロヘイヤ 春菊
●ヒスタミン抑制食材(メチオニン ビタミンC・乳酸菌・カテキンなど)~ブロッコリー 小松菜 キャベツ いちご オレンジ レモン ぶどう 納豆 ヨーグルト お茶類
●免疫アップ食材(β-グルカン・β-カロテンなど)~きのこ ニンジン ホウレンソウ 小松菜 ニラ
☓ヒスタミンが多い食材~チョコレート ココア コーヒー ほうれん草 なす サバ マグロ いわし サケ タラ サンマ アサリ イカ カニ エビ たこ 豚肉 サラミ そば サトイモ タケノコ トマト ワイン ビール 卵白
それでは、ここでふたつほど旬の食材を利用した「花粉症皮膚炎対策レシピ」を紹介しましょう。
まず旬食材はレンコンで、ムチンやビタミンCの豊富さでは他を寄せ付けない優秀食材です。
また、まさしく春らしい食材の菜の花もビタミンC・βカロテンが非常に多く、さらにデトックスパワーが非常に強いのも特徴です。
これらにβグルカンの王様のきのこを加えてあげれば、粘膜強化・免疫アップ・ヒスタミン抑制のすべてが揃った最強レシピになるので、是非試してみてください!
料理名:きのこと蓮根炒め
作者:みーすけ5481
■材料(2人分)
蓮根 / 5cm
しめじ / 1/2
えのき / 1/2
細ネギ / 1本
●黒酢 / 大1
●醤油 / 大1
粗挽きこしょう / 少々
■レシピを考えた人のコメント
黒酢でさっぱりおかずに
料理名:菜の花としめじの炒め物
作者:まるまるすけ★
■材料(2人分)
菜の花 / 1束
しめじ / 1パック
にんにく / 1片
赤唐辛子 / 1本
オリーブオイル / 適量
塩・こしょう / 少々
醤油 / 適量
■レシピを考えた人のコメント
オリーブオイルとにんにくと醤油が菜の花とマッチします!
まとめ
記事では触れませんでしたが、皮膚トラブルの程度によっては、受診して医師の指示を仰ぐのは基本であるのは言うまでもありません。
適切な強さの薬で短期間で治すことは皮膚炎で大事なことですし、ズルズルと炎症の状態が続くと沈着してシミにもなり美容にもマイナスになるので、日々のケアと合わせて皮膚科へは行くようにして下さいね。
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