紅葉と並んで、京都を代表する風物詩が春に咲く桜です。
その名所は、有名処から穴場までバリエーションに富み観光客を飽きさせません。
そこで、ぜひカメラを手に暖かくなった京都へ、日本の象徴とも言える桜とお寺のベストショットを撮りに出かけてみませんか?
今回は、そんな京都の宇治市で、桜の穴場撮影スポットを紹介しましょう。
※左上(表題の頭)の→□ボタンでガイドエリアを表示させ、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。(スマホでは横回転させると見やすいです)
平等院の桜の撮影スポットは?
<平等院>
出典:京都の桜写真
硬貨や紙幣のデザインにもなった鳳凰堂があまりに有名な、世界遺産の平等院は、1052年に藤原頼通によって父・道真の別荘を寺院としたのが始まりで、宗派はどこにも属さず単立です。
翌1053年に鳳凰堂を建立し、阿弥陀如来像を安置すると、極楽浄土の具現された姿と、多くの貴族から信仰を集め、隆盛を極めました。
2012年より始まった改修工事も終わり、創建時を思わせる鮮やかな色彩を取り戻しているので、今は特におすすめの観光タイミングと言えます。
阿弥陀如来像や羽を広げたかのような鳳凰堂は言うに及ばず、浄土式庭園や鳳翔館の梵鐘など見どころを数えたらきりがありません。
そんな意味では、説明不要の観光スポットですが、フジやツツジ、紅葉では知られていても、さくらの名所としてはそれほど認知されていません。
京都市からも離れているため、知名度から覚悟するほど混雑がひどかったという声が聞こえてこない穴場です。
・市内より宇治は比較的空いていますので、観光しやすいです。
・人が多くないので、ゆったりとした気分で観光できた。
もともと浄土の景色がバランスをなくすほど花木がある寺院ではなく、風景と相性のいい藤などでは名所ですが、桜は要所々々のポイントに植えられているという感じです。
主には鳳凰堂を臨む池の反対側に多く見られますが、その丹塗りの世界遺産池に重ねた桜のアングルは、それでも珠玉の構図と言えるでしょう。
混雑しないとは言え、人は多いので、シャッタータイミングは難しいですが、根気よくチャレンジしてみて下さい。特に早朝や午前中のうちは人も少なめでおすすめです。
前述の通り、見どころは多いスポットですが、おすすめは「平等院ミュージアム」です。
「雲中供養菩薩像」など多数の国宝美術品が見学できますし、国宝をかたどったオリジナルグッズを販売するショップもあるので、楽しいでしょう。
<基本情報>
住所:宇治市蓮華116
TEL:0774-21-2861
拝観日:無休
拝観料:600円(鳳凰堂は別途300円)
拝観時間:8:30~17:30
駐車場:あり(有料)
車椅子:可
アクセス:J奈良線「宇治」駅下車 徒歩10分
京阪電車「京阪宇治」駅下車 徒歩10分
見頃:3月下旬~4月上旬
サイト:http://www.byodoin.or.jp/
※TOP画像も平等院の風景:出典PHOTOGRAPH.PRO
宇治上神社の桜の撮影スポットは?
<宇治上神社>
出典:京都の桜写真
創建に関する記録がほとんどなく、詳細が不明な古刹である宇治上神社は、その本殿が1060年建立の日本最古といわれ、その文化財価値から世界遺産にも登録されています。
平等院と同じく、最近修復工事がされ、完了しています。
その本殿や拝殿は、創建当時に伐採された木材がそのまま残っていることが判明し、非対称の3殿からなる一間社流造りの本殿や、寝殿造りの拝殿の歴史的価値は計り知れないと言われます。
「菟道稚郎子命(うじのわきいらつこ)」のほか3柱の祭神を祀り、裏鬼門にある縣神社とともに、宇治川対岸にある平等院の鎮守社であったとも伝えられます。
色づきがいい紅葉の名所としては評判ですが、普段はそれほど人が多く訪れない穴場スポットです。
・鳥居の横に大きな桜の木があり、満開でとてもいい雰囲気でした。神社としては規模が小さく、どちらかというと地味な感じはしますが趣があって落ち着いた雰囲気のある場所でした。
・神社入口の鳥居のあたりのさくらが満開 神社は世界遺産らしく趣のある非常により雰囲気でした・・・宇治には世界遺産が二つありますが、こちらの方が私のこのみです。
このどちらかと言えば地味な世界遺産である境内の参道を、春には桜が華やかに彩り、重厚で静謐な世界遺産の空間を静か春景色にします。
朱の鳥居越しに、奥に見える美しい本殿を納めて、桜の参道を撮るといいでしょう。
なお、境内に湧く桐原水は、宇治七名水のひとつで、今も現存する唯一の名水でもあります。宇治のお茶文化を支えたこの水は、今は飲めませんが、ぜひ手水舎で手を清めてみて下さい。
また祭神の「菟」から、ウサギにまつわる神社でもあり、おみくじが入った陶器のウサギおみくじは人気の授与品。ウサギのお守りとともに記念としてぜひゲットして下さい。
<基本情報>
住所:宇治市宇治山田59
TEL:0774-21-4634
拝観日:無休
拝観料:境内無料
拝観時間:9:00~16:30
駐車場:なし
アクセス:JR 奈良線「宇治」駅下車 徒歩20分
京阪電車 宇治線「宇治」駅下車 徒歩約10分
見頃:3月下旬~4月上旬
サイト:http://www.pref.kyoto.jp/isan/ujigami.html
宇治川・宇治橋・宇治公園の桜の撮影スポットは?
<宇治川・宇治橋・宇治公園>
出典:京都の桜写真
世界遺産・平等院も川沿いに建つ宇治川は、宇治橋から上流の川沿いや中の島にある宇治公園で、2000本もの染井吉野や枝垂桜・牡丹桜などの桜が咲き誇る、一大花見スポットです。
「源氏物語」や「平家物語」でもしばしば舞台とされた景勝地は、春には多くの花見客を魅了します。
近年、このエリアは護岸や橋、寺院や施設などの大規模な修復・改修工事がかかりましたが、全て無事完了しており、良好な状態の観光が楽しめるタイミングとも言えます。
この宇治川は、身を置く場所によって趣が違う桜景色が眺められるスポットと言えます。
川沿いの「あじろぎの道」などの遊歩路では、川に向かって枝を伸ばす染井吉野の下をゆったり歩くことができ、また川にかかる宇治橋からは川周辺の桜が一望できるアングルが見事です。
宇治川に浮かぶ塔の島・橘島の中の島は宇治公園(風致公園)として憩いの場になっていますが、春には4月初旬に「宇治川桜まつり」が催されるなどで、川沿いとともに花見スポットとして賑わいます。
園内には沢山の桜がありますが、ひときわ存在感を魅せているのは「宇治しだれ桜」でしょう。
また1286年に叡尊によって建てられた石塔は日本最大の高さ15mを誇り、桜の風景とよくマッチします。
違う趣で宇治川の桜を楽しみたければ、おすすめは遊覧船!
乗り合いプランなら500円程度と手頃な料金で、船上から花見を堪能することができます。(予約制:問い合わせ0447-21-2328)
川から少し離れますが、宇治神社の背後の、宇治公園の一部でもある大吉山の展望台から一望するという手もあります。橋の上より、さらに眺望が素晴らしいので、時間が許せば登ってみて下さい。
なお、シーズンには川両岸に提灯が灯り、中の島での枝垂桜のライトアップなどの趣向や、「炭山陶器まつり」などイベントもあるので、楽しみ方が盛り沢山な桜スポットと言えるでしょう。
<基本情報>
住所:京都府宇治市宇治
TEL:0774-23-3334(宇治市観光協会)
見学日:終日
見学料:無料
見学時間:終日
駐車場:民間駐車料利用
アクセス:JR 奈良線「宇治」駅下車 徒歩すぐ
京阪電車 宇治線「宇治」駅下車 徒歩すぐ
見頃:3月下旬~4月上旬
サイト:http://www.kyoto-uji-kankou.or.jp/(宇治市観光協会)
まとめ
名産品で名高い宇治茶でも知られる宇治市は京都でも南部に位置し、京都市に次ぐ人口を有する市です。
また、平安期には貴族の別荘地でもあった地域で、源氏物語の多くの舞台にもなっており、雅の歴史を今に伝える文化都市でもあります。
今回はそんな宇治市の3箇所をピックアップしましたが、まだまだ撮影スポットはたくさんあるので、ぜひ別記事も参考に訪れてみてください!
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