古都・京都は四季すべてが美しい風景ですが、特に春の桜景色は秋の紅葉と並んで見逃せない風物詩です。
そんな京都で、穴場を探してゆったりと桜を鑑賞するのも楽しみのひとつですが、やはり混雑を覚悟してでも行ってみたい名所もはずせません。
そこで、京都の桜名所で定番とも言える観光スポットを、その見どころや見頃とともに紹介しましょう。
※左上(表題の頭)の→□ボタンでガイドエリアを表示させ、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。(スマホでは横回転させると見やすいです)
京都御苑・京都御所の桜の見どころや見頃は?
<京都御苑・京都御所>
京都観光ではアクセス抜群の上京区にある京都御苑は、約92ヘクタール、東京ドーム19個分におよぶ敷地を持つ、京都市民や観光客に愛される憩いの国民公園です。
その、無料で自由に利用できる園内は、四季を通じて花ごよみが楽しめ、特に桜はさまざまな種の1000本以上が咲き競う名所です。
品種が豊富なので、3月中旬から4月も終わりの時期まで、長く花見が楽しめるスポットでもあります。
京都にいくらかでも馴染みのある方はご存知ですが、京都御所と京都御苑は同じ場所にありますが、正確には、環境省管轄の広大な公園「京都御苑」の中に、以前の天皇住居で宮内庁管轄の「京都御所」があります。
京都御所は春と秋に一般公開をしており、それ以外は前もって申し込みしないと入れません。
申し込んでも必ず希望がかなえられるとは限らず、時間指定があったり、長くても60分の案内が付く参観なので自由に散策というわけにはいきません。それでも最近は申し込みも楽になりそのせいで公開日以外も混雑するようになっています。
なので自由に参拝できる一般公開のときは、観光客が集中して混雑します。ちなみに今年(2017年)春季の一般公開日程は決まっていません。(昨年は4月6日~4月10日)
一方京都御苑も、人気のスポットで春にも沢山の人が詰めかけますが、園内に入ってしまえば、広いのでそれほどストレスなく楽しめる穴場と言えます。
・年4月初旬にある京都御所の一般公開はちょうど桜の咲く頃で、普段見られない雅の空間を彩る薄紅色に心和みます。一般公開の日は人で込むのですが広く整然としているので、いつ来ても清々しい思いになれます。
・広い敷地内はたくさんの枝垂れ桜が植えられており、時期も少しづつずれながら順番に咲いていくため、長く楽しめる。また、敷地が広いので、あまり混雑もなく、ゆったりと楽しめる。
御苑でまず春を真っ先に告げるのが、園内北側に位置する「近衛邸宅跡」の枝垂桜です。
この、摂政・関白を輩出した「五摂家」のひとつ近衛家の住居跡では、60本もの枝垂桜が3月中旬にはほころび始めます。
「糸桜」とも呼ばれる京都の三つ星桜のひとつで、「昔より名にはきけども今日みればむべめかれせぬ糸さくらかな」と孝明天皇が詠んだほどの、天から降り注ぐかの枝ぶりの桜を見逃す手はありません。(見頃は3月下旬)
なお、近衛邸跡には3月下旬から4月上旬が開花時期の八重紅枝垂桜もあるので、白や濃紅の競演が楽しめるかもしれません。
また、御苑で早咲きの桜は、「出水の小川」にある「出水桜(でみずのさくら)」です。この枝垂桜はやはり3月の下旬には盛りを迎えます。
なお、この出水の小川では、4月見頃の普賢象・御衣黄・妹背などの珍しい里桜が多数あるので、押さえておいて下さい。
また北東側の入り口「石医師御門」の江戸彼岸桜も、同じく早咲き見頃の桜です。
3月も終わりの時期からは、いよいよ園内の至るところでさまざまな種類の桜が咲き乱れ、御苑の春が盛りを迎えます。
ひとつひとつ挙げるときりがありませんが、京都御苑の名物桜と言えば「御車返の桜」です。
歴代皇族の御車を思わず引き返させた桜は各地にあり、京都でも「地主神社」や「常照皇寺」が有名ですが、ここにも御水尾天皇が、あまりの美しさに一重・八重を確かめようと車を引き返させた名桜があります。
京都御苑の「清所門」「宜秋門」前の間くらいにあり、一重八重が同じ樹に咲く、珍しい桜なので、見逃さないように。
最も遅い時期の桜としては、「母と子の森」で見られる「カスミザクラ」で、4月下旬まで咲いています。
明治初期まで歴代天皇の住居だった京都御所は、東京が都となる1869年までの間、さまざまな公務や重要儀式が行われた「紫宸殿」もあります。
儀式の際に、天皇を左右で守る近衛大将の立ち位置を示したのが「右近の桜」「左近の橘」と言われます。この4月上旬に見頃を迎える「右近の桜」は、格式高い風格を見せる見事な山桜なので必見です。
前述の通り御所内は限られた公開になりますが、せっかく京都御苑内に入る機会があるのでしたら、一般公開を狙って見ておくことをおすすめします。
周囲4kmの苑内を全部見て回るのは一苦労なほどなので、人が多少多めでもゆったり見たいという方にはおすすめのスポットです。各所のベンチで休憩しながら堪能してください。
なお、園内は砂利が敷かれている場所が多いので、歩きやすい靴がおすすめです。
<基本情報>
住所:京都市上京区京都御苑3
TEL:075-211-1215
休園日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入園料:無料
入園時間:9:00~17:00
駐車場:あり(有料 330台)
アクセス:電車/地下鉄 今出川駅下車
バス/市バス 烏丸今出川バス停下車
見頃:3月下旬~4月下旬
サイト:http://sankan.kunaicho.go.jp/
二条城の桜の見所や見頃は?
<元離宮 二条城>
世界遺産としても知られる二条城は、徳川家康が京都御所の守護や将軍宣下儀式の宿泊場として造営した平城で、家光によって伏見城の遺構も移築され、完成しました。
同時に慶喜の大政奉還によって、事実上江戸幕府が終焉を迎えた場所でもあります。京都には世界遺産が多数ありますが、寺院以外ではこの二条城だけです。
広大な場内に見どころは数え切れませんが、3000面以上の障壁画も遺されている絢爛たる「二の丸御殿」やその南西に広がる書院造庭園「二の丸庭園」はハイライトと言えます。
また、極彩色の装飾も鮮やかな「唐門」も、観光客が必ず感銘を受ける重要文化財です。
春に門をくぐれば、50品種400本もの桜によって、城内は春色一色に染め上げられます。敷地内は回遊式で、桜の見どころはコースの至るところに広がります。
・桜の時期は、400本ほど桜の木を楽しめます。敷地はかなり広いので、かなり歩きますよ。また、期間限定でよくライトアップもしてます。
・京都市街にあるお城で、交通の便が良いです。京都の歴史を感じるきれいなお城で、季節の花々が咲く庭園も美しいです。桜の季節はまた格別です。
そのポイントは、順路に沿って挙げると、大きく分けて以下の4箇所です。
・二の丸庭園~庭園の雰囲気を損なわない数の桜が、園内を情緒豊かに飾ります。唐門脇や園内には御車返の桜があり、この一重八重の枝が静かに御殿を彩ります。
・西側の内堀付近~城の裏手にあたり、八重紅枝垂れの見事な並木道が続くポイントです。ある意味では二条城で最も桜を愛でることがハイライトかもしれません。
・南側の桜の園~サトザクラが多く鑑賞できるポイントで、普賢象・福禄寿・手弱女などの珍しい桜も楽しめます。
・北側の清流園や緑の園~北大手門前のこの周辺には、山桜やソメイヨシノが多い場所で、特に山桜は天蓋の回廊で迎えてくれます。また里桜の「仙台屋」やライトアップ時に映える見事な紅枝垂れもあります。シーズン後半には霞桜も控えます。
また、忘れてはいけないのが天守閣から見下ろした桜の眺望です。同じ桜のピンク色でも、風合いが異なる景色にきっと驚かされるに違いありません。
ここは夜桜見物の名所でもあります。桜の園・清流園・二の丸御殿がライトアップされ、桜の艶やかな姿とともに幽玄の世界が城内に広がります。
期間中はお花見弁当や名産品も販売も行われるので、是非オススメのイベントと言えるでしょう。
<二条城桜まつり2017>
期間:2017年3月24日(金)~4月16日(日)
時間:18:00~21:00(21:30閉城)
料金:一般400円,小中高生200円(和装の方無料)
ゆっくり回ると1時間は軽く見物できるスポットなので、人が多くてもはずせない、市中最大の桜の名所でしょう。砂利が敷いてある道もあるので、歩きやすい靴がいいでしょう。
<基本情報>
住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
TEL:075-841-0096
拝観日:毎年12月・1月・7月・8月の毎週火曜日 年末年始
拝観料:600円(ライトアップ時400円)
拝観時間:8:45~16:00
駐車場:あり(有料)
アクセス:地下鉄「二条城前」駅下車 徒歩約2分
見頃:3月下旬~4月中旬
サイト:http://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/nijojo/
TOP画像も二条城の風景:出典PHOTOGRAPH.PRO
まとめ
京都駅からもアクセス抜群の、街中の観光名所「京都御苑」「二条城」は、とにかく広いので、アクセスさえ我慢すれば、人の多さがそれほどひどいストレスではないスポットです。
確かにゆっくり見れる穴場名所も味があっていいですが、やはり多くの人に支持される人気の名所は、歴史に裏打ちされた見ごたえがあるので、混雑をしてもはずせないところです。
そんな、格式のある風景の中で堪能できる桜風景を、ぜひご自身の目で確かめに訪れてみて下さい。
⇒記事一覧はコチラ