よく「枕が変わると眠れない」と言いますが、旅行先でなかなかぐっすり寝れない人は多いでしょう。
せっかくの楽しい旅行も睡眠不足のまま観光地めぐり・・なんて残念なことになってしまいますよね。もし運転役の人なら、事故だって怖いでしょう。
旅行先で決まってよく眠れない悩みを解決するヒントを紹介します。
旅行先で寝れない!その原因は?
普段は良く眠れるのに、旅先で眠れないのは不眠症とは違います。
それでは原因は何かというと、いつもと違う環境に対して警戒心が強くなり、物音に過敏に反応してしまうために起こります。
研究のため健康な被険者を初めての施設に宿泊させて睡眠中の脳波を測ると、無意識でも周囲の変化に反応する部位が活発になり、日を置いて2回目に泊まったときは環境への慣れから脳の状態は平常でした。
特に左脳に情報を伝える右耳から物音を聞かせると目覚めることが多かったそうです。
渡り鳥やイルカなど完全に寝てしまうと墜落したり溺れたりする動物でも片目を閉じ脳の半分を休ませる「半球睡眠」をするそうで、人間も旅行先など新しい環境では脳の半分が起きている状態になることが熟睡できない原因なのです。
「だったら家で使っている枕を待っていけば」と思うかもしれませんが、上記のように総合的な環境の要因が大きいので必ずしも効果があるとは限りません。
旅行先で寝るための工夫とは?
旅行先でも寝付けるようにするためには、慣れない環境を少しでも慣れたものに替える工夫が必要です。
もちろん宿泊先の部屋をいじるわけにはいかないでしょう。ですので例えばいつもの「乳眠儀式」を決めておくのはいかがですか?家で寝る直前にやることを一時的にでも決めて練習しておき、旅行先で「入眠儀式」として実行することで慣れた環境を再現でき緊張感が弱まります。
儀式といっても特にむずかしいことは必要なく「1分だけストレッチをする」「本を1ページだけ読む」「眠りにいいラベンダーアロマを嗅ぐ」でもいいですし、もっと単純な「歯を磨く」「トイレに行く」でもいいでしょう。重要なのは繰り返して習慣化しておくことです。旅先で同じ習慣を実行すれば、頭の警戒心が和らいで寝れるようになりますよ。
旅行先の慣れない部屋などでは、トイレに起きたときなどのために真っ暗にせず常夜灯を点けておくことが多いと思います。照明と睡眠との関係は重要で、寝る前の強い光はNGですし明かりを少し残す場合でも、目に直接入る明かりは避けた方がいいでしょう。
部屋に間接照明があれば理想的ですが、なければスタンドなどを床のつまずかないような場所において灯すと、寝ている間直接目に入らないで済むのでおすすめです。
最近では、スマホに装着すると部屋をほんのり照らしてくれるシリコン製の簡易ランプもあるので便利です。
また、アンドロイド用のアプリですが「色が選べるナイトライト」という、スマホ自体が常夜灯になる無料アプリもあるので、入れておくといいかもしれません。
⇒ 「色が選べるナイトライト」
先ほど、枕では必ずしも解決にはならないと言いましたが、それでも少しでも身体に合った寝具を選べればそれに越したことはありません。
あまり普段と違う枕が用意されていたら、バスタオルや座布団・クッションなどを利用して調整し、少しでも心地いい簡易枕を作ってみてください。
コンパクトに持ち運べて、旅先のタオルや衣類で簡単に調節をして自分にあった枕が作れるトラベルピローも便利です。
最近のホテルや旅館は寝具についてもきめの細かいサービスを提供してくれるところは少なくありません。
通常のパイプ羽毛半々のものから希望で羽毛枕や低反発枕に変えてくれたり、備長炭パイプ枕、そば枕、頚椎安定クール枕などを用意してるところまであります。
またまだ一部ですがピローアドバイザーなど睡眠コンサルタントも常駐しているところもあり、良質な睡眠提供も宿泊施設の役割と考える傾向は強まっているので、宿泊先が決まったら確認しておくのもいいかもしれません。
枕もそうですが、寝間着はもっと影響します。
特に日本旅館だとリネンなど糊のきいた清潔なものが用意されますが、普段は着ない浴衣などでは快眠は難しいでしょう。持ち込むなら枕よりも常用の寝間着のほうが効果がありますし、忘れたりして用意できなければTシャツやスウェットでも大丈夫です。
寝れないときの温泉の入り方とは?
温泉に旅行すると、せっかくだからと何回も長い時間お湯に入りたくなるのが人情です。しかし、かえって湯疲れして眠れない原因になることも多いです。
最近良質な睡眠を得るノウハウがよく取り沙汰され、体温が低下していく過程で睡眠が促されることがわかってきました。特に身体の深部体温の上昇低下の差が深い眠りを生むので、入浴の重要性も注目されています。
では温泉に行ったら、良く寝るためにはどんな入り方がいいのでしょうか。
もちろん、日に何度も浴場に行くのは身体に負担なのでNGです。睡眠のための体温変化という意味で一番いいのは、夕食後1時間以上空け、寝る前の2時間以上前の入浴です。旅館の夕食が19~20時としたら21時に温泉に入り23時過ぎには床に付くのが理想です。
温泉の温度はぬるすぎても深部体温が上がらず、いい寝つきという意味では効果がありません。最適な温度40度前後です。この温度のお湯に最低でも15分程度浸かると理想的な体温上昇が得られます。もし温度が選べる温泉なら注意をしてみてください。
温泉地ではお湯の温度が高い場合が多いですが、睡眠という意味ではどうなのでしょう?
確かに40度を軽く超える湯船も多いですが、42度以上ですと体温以前に交感神経を興奮させて眠れなくなってしまいます。
なのでもし熱い温泉の場合は、5~6分の半身浴にすると深部体温が1度程度上がり交感神経もそれほど刺激しないのでおすすめです。ゆっくり浸かるのは翌朝などにまわした方がよさそうです。
理想はあくまで40度ですが、温度別の入浴時間を紹介すると
○40℃のお湯で15分入浴
・41℃のお湯で10分入浴
・39℃のお湯で20分入浴
・42℃のお湯で5~6分の半身浴
ですので、温泉地に行った際の参考にして下さい。
まとめ
せっかく気分転換にために行った旅行先の環境や温泉が良く眠れない原因になったのではもったいないですよね。
もちろん気持ちや心の問題なので、絶対に効果がある方法は人それぞれで難しいですが、旅行先でのよく寝れない悩み解決のヒントになれば幸いです。
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