紅葉といえばやはりメッカは京都!
その歴史に彩られた風景に重なる紅葉の鮮やかさは、他の追随を許さない観光パフォーマンスがありますが、同時に混雑という残念さもあわせ持ちます。
それでも、これだけ観光資源を抱える一大観光エリアの京都なら、隠れた名所がまだあるはずです。
今回はそんな穴場スポットを左京区で探してみましょう。
京都の紅葉で金福寺とは?
左京区は、なんと言ってもあの混雑でも有名な「永観堂」「詩仙堂」があるエリアですが、実はその付近にぽっかり穴が空いたような穴場名所があるのをご存知ですか。
近年、穴場だったスポットも年を追うごとに人が増え始めていますが、まだ定番名所に比べればはるかにストレスなく楽しめる穴場も沢山あります。
そんな中から、厳選して紹介しますね。
※左上(表題の頭)の→□ボタンでガイドエリアを表示させ、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。(スマホでは横回転させると見やすいです)
<金福寺>
住所:京都市左京区一乗寺才形町20
TEL:075-791-1666
拝観日:1/16~1/31、8/5~8/20、12/30~12/31
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:大人400円 子供200円
駐車場:あり(無料)
アクセス:市バス「一乗寺下り松町」下車、徒歩約5分
見頃:11月中旬~下旬
※TOP画像は金福寺の風景
出典:京都の無料写真素材
この臨済宗のお寺は平安初期に円仁によって創建され、一度は荒廃しましたが江戸の世に再興され今に至ります。松尾芭蕉や与謝蕪村など早々たる顔ぶれの歌人にも愛された由緒正しき場所でもあり、草庵「芭蕉庵」も有名です。
「こちらむけ 我もさびしき 秋の暮」 芭蕉
「冬近し しぐれの雲も ここよりぞ」 蕪村
金福寺も知る人ぞ知るという形容がピッタリの紅葉の名所で、近くにはあの詩仙堂や圓光寺など有名混雑スポットがあり、そこで満足してしまうためかここまでは足を伸ばす人はそれほど多くはなく、近年増加傾向にはありますがまだゆったり過ごせる穴場のお寺でしょう。
・曼殊院、圓光寺、詩仙堂と北から南に来まして、最後にここに立ち寄りました。観光客も少なくなり落ち着いて観ることができました。
・紅葉シーズンはどこも激混みですが、一乗寺付近は比較的空いているので穴場ですよ。 タクシーの運転手さんに教えてもらった穴場中の穴場の紅葉のお寺。
境内は、広くなくこじんまりとしていますが趣きがあり、とても落ち着けると評判の寺院です。紅葉ポイントはやはり庭園でしょう。
本堂前の枯山水庭園ではほどよく紅葉が配置されており、白砂や石のモノトーンと赤やオレンジ色の紅葉がマッチして一層美しく見えます。境内の高台からは京都市も一望でき、紅葉と組み合わさったその眺望は素敵です。
ちなみに福ちゃんという有名な三毛猫がいて観光客に可愛がられているので、混雑のなか、人の顔にうんざりしたら可愛い猫の顔で癒されついでに、こじんまりした紅葉を見に行くというのが正解かもしれません。ご機嫌だと境内を一緒に回ってくれるそうですよ!
一乗寺周辺のあわただしい観光に疲れを感じ、ゆったり過ごしたくなったらぜひ訪れてみてください。
京都の紅葉で円通寺とは?
<円通寺(圓通寺)>
出典:京都の無料写真素材
住所:京都市左京区岩倉幡枝町389
TEL:075-781-1875
拝観日:無休(法要時などは休館)
拝観時間:10:00~16:30
拝観料:大人500円 子供300円
駐車場:あり(無料)
アクセス:京都バス 自動車教習所前下車 徒歩10分
見頃:11月中旬~下旬
臨済宗派の圓通寺(円通寺)は、平安貴族の隠棲地だった岩倉の山に囲まれた静かな場所にある寺で、聖観世音菩薩を本尊としています。
枯山水の平庭で、青苔に覆われた敷地に40個あまりの石が配置された名庭園を有します。
ちなみに同じ左京区の有名スポット「圓光寺」と間違えやすいですが、こちらは「圓通寺」です。圓光寺は人が多い観光地ですが、こちらは駅から遠く坂道も多い山あいの行きづらい場所にあるため混雑はそれほどありません。
・紅葉を楽しむときって、紅葉を見るだけではなく、その環境もすごく大事だなぁと思っていて、円通寺は、岩倉のちょっと行きにくい場所にあるからか、この日人はそれほど多くなくとても静かな環境で、落ち着いて見ることができました。
圓通寺境内の庭園紅葉自体も色が濃くおすすめですが、なんと言っても評判なのが背後に控える比叡山を借景にした叡山借景式庭園です。真近の紅葉と遠くに望める山の色づきが重なってワンショットで眺めることができ、天気のいい日などは気持ちのいい山風に吹かれながら見応えのある重層的な風景が楽しめます。
この借景は、ぜひお堂に上がってほの暗い堂宇の中から観賞ください!額紅葉はたくさんの寺院で見れますが、柱の間で切り取られた遠景とマッチした雄大な紅葉のアングルは、まず他では見れません。
尚、撮影禁止の張り紙を多く見かけたり、小学生以下は拝観できないなどルールがありますが、この借景式庭園を保存・維持するためのお寺の努力の表れと捉えるべきでしょう。営業を優先するか否かは寺の方針によりますが、観光に優先する価値基準もあっていいはずです。
京都を愛する京都通の方からの支持は強く、リピーターも多いのはそんな理由からとも言えそうです。
なので余計に、開発が進み借景という文化が生き残るのが難しい時代に貴重な風景を残す圓通寺は、少々アクセスが悪くとも行ってみる価値があるでしょう。
京都の紅葉で曼殊院とは?
<曼殊院門跡(まんしゅいんもんぜき)>
出典:京都の無料写真素材
住所:京都府京都市左京区一乗寺竹ノ内町42
TEL:075-781-5010
拝観日:無休
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:一般600円 高校500円 中小学生 400円
駐車場:あり(無料)
アクセス:叡山電車修学院駅から徒歩約20分
見頃:11月中旬~下旬
サイト:http://www.manshuinmonzeki.jp/
延暦年号の頃に最澄により比叡山に創建され、その後この一乗寺に移された仏教寺院で、門跡寺院に当たります。近くには詩仙堂があります。
「門跡」というのはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、皇族や公家(の子弟ら)が住職を継いで務める特定の寺院を指します。当然、門跡寺院は寺格が高いと言え、同じ左京区で紅葉がきれいな実相院や山科の毘沙門堂も同じく門跡です。ここは竹の内門跡とも呼ばれています。
手入れの行き届い枯山水庭園を有する広く立派な寺院で、収蔵する宝物や文化財も多い古刹です。近年だいぶ人は増えてきましたが、アクセスの悪さや近辺の道の細さも手伝い、有名スポットほどストレスはないはずです。
・アクセスが良くないので観光客少なく、ゆっくりと庭園の美を味わうことができます。
・寺院内を進むと素敵な紅葉の庭園が出迎えてくれます。ここは洛北有数のお寺で、あまり多くの団体が入らずゆっり出来るお寺様です。
紅葉の見どころは、まず庭園が挙げられます。茶人に愛されたその侘び寂びに富んだ庭園は色彩のバランスがよく、白砂・青苔・緑樹に紅葉が加わってこれ以上は望めないほどの趣きを堪能できます。
また、勅使門への途中に立つ白壁の前に映える紅葉も見応えがあり、入場前から期待が高まるでしょう。
長く続く参道脇には楓がたくさん枝を広げており、最盛期にはお約束の紅葉のトンネルも出迎えてくれます。
あまり宣伝はしていませんが、宝物のひとつにテレビでも取り上げられた有名な幽霊の掛け軸があるので、忘れなかったら見つけてみて下さい。
シーズン中(10月2日~11月30日)にはお抹茶接待(菓子付き800円)も振舞われるので、ゆったりと紅葉を愛でながらいただくのも贅沢でしょう。
ここは毎年夜間拝観も開催され、それに伴いライトアップもされるので灯りに浮かび上がる紅葉もぜひ観賞してみて下さい。今年(2016年)は下記のスケジュールで行われます。
<夜間拝観>
拝観期間:平成28年11月1日~11月30日
拝観時間:日没~20:00(受付19:30まで)
曼殊院近くの弁天池には浮島があり、そこに弁天堂が置かれていますが、そこにも紅葉が色づいているので気が付いたらご覧下さい。
まとめ
今回紹介した左京区の紅葉スポットも猫が出迎えてくれたり、少しルールが厳しかったりと、おのおの個性的で魅力あふれるお寺さんでした。特に圓通寺さんは観光とは何かを考えさせられる良い機会になる場所と言えそうです。
「穴場」という求め方がある意味自分本位な性格を持っている事も心のどこかに踏まえたうえで、通り過ぎるだけという立場もわきまえ、相手のルールを尊重することは大事なことですよね。
そんな気持ちで観光を考えれば、不快にもならず楽しむことができ、自分も得をするはずです。
そんな素敵な紅葉観光を祈っています!
⇒左京区の他の紅葉穴場は
「京都の紅葉で左京区の穴場を厳選! 南禅寺・金戒光明寺・真如堂!」
「京都の紅葉で左京区の穴場を厳選②!赤山禅院・蓮華寺・実相院門跡!」
「京都の紅葉で左京区の穴場を厳選④!無鱗庵・法然院・安楽寺!」
「京都の紅葉で左京区の穴場を厳選⑥!霊鑑寺・天授庵・鷺森神社!」
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