テレビで見る京都の紅葉の景観に「絶対行きたい!」と思われた方は少なくないでしょう。ただ大人気のスポットなので、混雑もすごいのだろうと尻込みしていないでしょうか?
確かに清水寺や永観堂などは人混み覚悟で行くようですが、素晴らしい紅葉はなにも定番スポットだけでしか見れないわけではありません。
そこで今回は、有名スポットが林立する左京区であえて穴場の紅葉名所を探してみました。
京都の紅葉で霊鑑寺とは?
左京区は、なんと言ってもあの混雑でも有名な「永観堂」「詩仙堂」があるエリアですが、実はその付近にぽっかり穴が空いたような穴場名所があるのをご存知ですか。
近年、穴場だったスポットも年を追うごとに人が増え始めていますが、まだ定番名所に比べればはるかにストレスなく楽しめる穴場も沢山あります。
そんな中から、厳選して紹介します。
※左上(表題の頭)の→□ボタンでガイドエリアを表示させ、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。(スマホでは横回転させると見やすいです)
<霊鑑寺(れいかんじ)>
住所:京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町12
TEL:075-771-4040
拝観日:2016年11月19日(土)~12月4日(日)
拝観時間:10:00~16:00
拝観料:大人600円 小学生300円
駐車場:なし
アクセス:市バス 「上宮ノ前」下車 徒歩3分
見頃:11月下旬~12月上旬
哲学の道を山手に登った先にある臨済宗南禅寺派の門跡(皇族・公家が住職を務める特定の寺院)の尼寺で、皇室ともかかわりが深い由緒ある寺格です。後水尾天皇皇女により1654年開基され、(鹿ヶ)谷御所などとも呼ばれます。
気品ある山内池泉式回遊庭園があり、そこに咲く椿が見事で「椿の寺」として知られますが、拝観は春と秋の特別公開がチャンスで、今年も11月下旬にその予定があります。
書院だけでなくお庭も普段非公開のため、観光客からは比較的ノーマークで穴場のスポットと言えるでしょう。
・それほど人もおらず、ゆっくり自分のペースで鑑賞することができました。縁側に座って、きれいな庭を眺めながらゆっくり休むこともできます。京都でいちばん人が多い日でも、こんな風に過ごせる場所があるなんて感激です。
・他の寺院を優先し通過されたり、また人の動線から外れたりするため円山公園裏手の「長楽寺」と哲学の道沿いの「霊鑑寺」は人が少なめで、紅葉が見事な2ケ寺です。
椿の春はもちろんですが紅葉の時期も見逃せず、境内の奥に控える真っ赤に染まる巨木の高尾カエデは樹齢約350年を誇り、その迫力は必見です。
さらに公開時には見ることができる書院から眺める紅葉も、その苔色の地面に散らされた鮮やかな葉の可憐さはえも言われぬいとおしさを感じることでしょう。
公開時に見逃さないで欲しいのが書院の中の「四季花鳥図」の襖絵です。狩野永徳や狩野元信作の繊細なタッチの艶やかな襖絵はこのお寺の売りでもあります。
天皇が好んだ椿の花の可憐さもそうですが、安置されている如意観音像や寺宝の御所人形や絵カルタはもとより、堂の鬼瓦や各所の演出などからも尼寺らしい女性的でたおやかな気品が伝わってくるやさしい雰囲気のお寺と言えます。
京都で紅葉ので天授庵とは?
<天授庵>
住所:京都市左京区南禅寺福地町86-8
TEL:075-771-0744
拝観日:無休(不定休)
拝観時間:9:00~17:00(冬季16:30)
拝観料:大人400円 高校生300円 子供200円
駐車場:あり(南禅寺駐車場)
アクセス:地下鉄東西線 「蹴上」下車 徒歩7分
市バス 「南禅寺永観堂」下車 徒歩7分
見頃:11月中旬~下旬
サイト
※TOP画像は天授庵の風景
⇒画像提供:京都の無料写真素材
1339年光厳天皇の塔頭建立の勅許を受け建立するもその後焼失し、1602年細川幽斎により再興されたあの紅葉名所の南禅寺の塔頭(たっちゅう=支寺)にて、親寺に勝るとも劣らない紅葉が人気のお寺です。
以前は本当に人の少ない穴場でしたが、2013年に鉄道会社の例のCMキャンペーンにより一気に全国区になり人が増えてしまいましたが、それでも紅葉の見事さとごった返すほどではない按配のよさと南禅寺に行ったのならという意味で紹介することにしました。
・この時期にしては並ばずにすぐに入れました。 南禅寺や永観堂に比べると混雑はそんなにしていませんでした。
・南禅寺界隈でも、ここ天授庵の中は静かでした。
・紅葉がきれいで、座る事ができたのでゆっくり庭園を楽しみました。
・何年か前に京都へいこうで取り上げられ激混みであったが、少しは落ち着きました。
ここの魅力は、普通どちらかしかない枯山水と池泉回遊式のふたつの庭園を有することです。
枯山水の本堂東庭は苔に縁取られたひし形の敷石が中央を渡り、それを囲むようにある紅葉は絵になります。
また特に池泉回遊式の書院南庭は素晴らしく、池と緑が一体になった空間に重曹的に配置された楓が見事で、水面に逆さに映る色づきもその立体感を増しています。
書院奥のガラス障子越しから眺めるトリミングされた紅葉は、あたかも錦絵を見るようです。
空間や通路が狭く人が多いときは少し歩きにくいですが、その狭い中に密度の高い沢山の風情が詰まっていて絵になっているともいえます。
尚、シーズンにはライトアップもされます。ぜひ時間の許す方は灯りに浮かび上がった庭園の錦秋をご覧下さい。
ライトアップ期間:11月15日~30日
ライトアップ時間:17:30~20:45
見学料:大人500円 高校生400円 子供300円
天授庵は沢山の絵になる風景に事欠かない、庭好きにはたまらない名勝の寺と言ってもあながち言い過ぎではないでしょう。
京都の鷺森神社の紅葉とは?
<鷺森神社(さぎのもりじんじゃ)>
出典:京都紅葉photo
住所:京都市左京区修学院宮ノ脇町16
TEL:075-781-6391
拝観日:境内自由
拝観時間:境内自由
拝観料:境内自由
駐車場:あり(無料)
アクセス:叡電「修学院」下車徒歩10分
市バス「修学院」下車徒歩10分
見頃:11月下旬~12月上旬
800年代の貞観年間に創建されたと言われ、元は比叡山麓にある修学院離宮内にあったものを離宮造営の際に現在地に移されたスサノオノミコトを祀った神社です。
少し上へ行くと別記事でも紹介した曼殊院があります。
それほど大きくはなくこじんまりしていますが、地域の方からは大切にされている観光地らしくない紅葉名所です。
最寄の駅からも距離があることもあり、紅葉で評判のわりには人は少ない穴場スポットです。
・紅葉の穴場といってもいいくらい、観光客はあまり来ない場所なので、静かにきれいな紅葉を堪能できます。
・周辺には紅葉の見所として有名なスポットも何箇所かありますが、そんな中、こちらは駅からの距離も若干遠いこともあり、まだまだ観光客には知られていないようで、参道から境内まで、静かに散策出来ます。
・紅葉は期待以上、人影はチラホラで来て良かったと大満足でした。
立派な鳥居をくぐるとさっそく参道両脇ではもみじとイチョウがトンネルを作って色彩のハーモニーで迎えてくれ、時期によって足もとまで散り紅葉の真っ赤な絨毯で飾って、訪れる者を歓迎してくれます。
神の使者と言われ崇められていた鷺の多い土地であったため鷺の社として命名され、毎月5日に行なわれる小3男児が「さんよれ」と連呼しながら練り歩く「さんよれ祭り」は奇祭としても知られています。
また境内にはふれるだけで縁結びや夫婦和合のご利益があるとされる「八重垣」という石があるので、せっかくなので触ってみてください。
民家も隣接するこのひっそりとした神社は地元の方からも和みの空間として大事にされ親しまれているので、賑やかな声を少し抑え目にして静寂を味わいたい・・そんな大人の神社と言えそうです。
まとめ
ひっそりとした道を何気なく入っていくと、先程までいた目も眩むような紅葉名所とは対照的な、控えめに人を魅了するお寺を見つける・・そうやって隠れ名所は人に知られていくのでしょう。
今回の左京区のスポットもおのおのそれがあてはまる名所と言えます。中には急速にメジャーなスポットになっていくことも往々にしてありますが、静かに愛でることができるうちに、ぜひお出かけください。
⇒左京区の他の紅葉穴場は
「京都の紅葉で左京区の穴場を厳選! 南禅寺・金戒光明寺・真如堂!」
「京都の紅葉で左京区の穴場を厳選②!赤山禅院・蓮華寺・実相院門跡!」
「京都の紅葉で左京区の穴場を厳選③!金福寺・円通寺・曼殊院!」
「京都の紅葉で左京区の穴場を厳選④!無鱗庵・法然院・安楽寺!」
「京都の紅葉で左京区の穴場を厳選⑤!阿弥陀寺・白龍園・三明院!」
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