紅葉と並んで、京都を代表する風物詩が春に咲く桜です。
その名所は、有名処から穴場までバリエーションに富み観光客を飽きさせません。
そこで、ぜひカメラを手に暖かくなった京都へ、日本の象徴とも言える桜とお寺のベストショットを撮りに出かけてみませんか?
今回は、そんな京都の左京区で、桜の穴場撮影スポットを紹介しましょう。
※左上(表題の頭)の→□ボタンでガイドエリアを表示させ、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。(スマホでは横回転させると見やすいです)
聖護院の桜の撮影スポットは?
<聖護院門跡>
本山修験宗の総本山にして皇族が寺住を務める問跡寺院で、修験道開祖・役小角が開創した常光寺を増誉大僧正が1090年に白河上皇より下賜されたのが始まりとされます。
4度の火災で移転を繰り返しましたが、現在は創建時と同じ現在の場所に戻り、山伏が修行する修験道の寺として知られています。
雰囲気たっぷりの境内は、時代劇のロケにもよく利用されています。聖護院大根や八ツ橋ではご存じの方が多いのではないでしょうか?
・山伏で有名なお寺です。あまり観光客がいないので、ゆっくりできます。
・静かであまり観光客がいませんでした。癒しスポットです。
・私が行ったときは人も少なく静かで気持ちが良かったです。
修験宗の本山寺院には決まって見事な桜がありますが、ここ聖護院にも見ごたえのある桜が境内に華やかさを添えています。
聖護院の桜は早咲きで、中でも山門の左脇に立つ枝垂桜は開花が早く、その枝ぶりが見事な姿を京都ではいち早く披露します。
以前は通年で予約拝観可能でしたが、現在では秋季の決まった期間のみ自由拝観になり、春などは残念ながら非公開です。(団体予約除く)
狩野派の障壁画や「大法螺貝」などの山伏の修行関連の展示など興味深い重要文化財の収蔵品が多数あるので、興味がある方は9月初旬~12月中旬頃の公開を予定下さい。
最近では、多くの人から滝行などの修行に関心が集まっていますが、ここもそんな希望者に門戸を開いている修行寺でもあります。
また、境内の一郭を「聖護院御殿荘」という宿泊施設として開放しており、旧仮皇居の由緒ある空間で宿泊ができるので、興味があればぜひ止まってみて下さい。⇒聖護院 御殿荘
前述の通り、聖護院かぶら・聖護院大根や八ツ橋の発祥でも馴染みがあり、付近にたくさんある老舗でお土産を仕入れる予定にも最適のスポットです。
<基本情報>
住所:京都市左京区聖護院中町15
TEL:075-771-1880
拝観日:年始休み、不定休
拝観時間:9:00~17:00(境内自由)
拝観料:800円(予約制、秋季のみ予約不要)
駐車場:あり(無料 5台)
アクセス:市バス「熊野神社前」下車 徒歩3分
京阪電車「神宮丸太町」駅下車 徒歩10分
見頃:3月下旬~4月上旬
サイト:http://www.shogoin.or.jp/
知恩寺の桜の撮影スポットは?
<百萬遍知恩寺>
浄土宗の7大本山の一つである知恩寺は「百万遍(ひゃくまんべん)」とも呼ばれ、空円上人が疫病を鎮めるために念仏を7日7夜に渡り百万遍唱えたことから、勅号を授かったとされています。
浄土宗開祖の法然上人が洛中で念仏を説いていた際の居である賀茂の禅房「神宮寺」が前身とされ、弟子である源智上人が師の恩を知り報いるために「知恩寺」と号したとされます。
後ほど触れる手づくり市が開かれる毎月15日以外はそれほど観光客も見かけることのない、穴場スポットと言えます。
・知恩院は超有名ですが、こちら知恩寺は知名度が低めかもしれません。・・・観光客も少ないので、ゆっくり落ち着けます。
知恩寺では、4月初旬から山桜や枝垂桜、ソメイヨシノが境内各所で華やかに咲きますが、見逃したくない桜が別にあります。
それが3月中旬に開く鐘楼付近の「ふじ桜」や参道の「オカメ桜」です。
富士山付近で咲くことで名付けられたこの「ふじ桜」は「豆桜」という品種のこと。御影堂を背景に、爽やかに薄いピンクを添えるショットは味がある1枚になるでしょう。
また、少し桃色が濃い西門参道付近の「オカメ桜」も可憐で、快晴の青空によく映えます。
毎月15日には境内で400店以上が出店する「百万遍さんの手づくり市」も開催されるので、桜の時期とは微妙にずれますが、予定が許せば行ってみるといいでしょう。
その代わり、予想以上に盛大で混雑するので、覚悟の上で・・。
<基本情報>
住所:京都市左京区田中門前町103
TEL:075-781-9171
拝観日:無休(境内自由)
拝観料:境内無料(宝物殿は団体のみ)
拝観時間:9:00~16:30
駐車場:あり(一般有料 若干))
アクセス:京阪電車・出町柳駅下車 徒歩10分
見頃:3月中旬~4月上旬
サイト:http://www.shogoin.or.jp/
長徳寺の桜の撮影スポットは?
<長徳寺>
1605年に領主・長谷川宗仁により創建された浄土宗の寺で、開山は中京区でしたが、焼失を経て現在地に移転されました。
観光寺ではなく、境内も普段は非公開の寺ですが、見どころは門前にあります。
・早咲きの桜が有名で3月中旬頃満開になって綺麗です。どちらかと言えばあまり知られていないお寺ですが、落ち着いた良いお寺です。
桜は境内にもありますが、長徳寺を桜の名所にしているのは、門前のたった1本の桜。しかしこの桜は、開花を地元の方が心待ちにしている名桜でもあります。
それが「出町柳のおかめ桜」で、ピンク色も濃く鮮やかなため、見た目の印象が強いので、先ほど紹介しました知恩寺のものより広く知られています。
実はイギリスの庭園でよく植えられる桜を逆輸入品したもので、研究家イングラムが交配をさせて創り出した品種です。
3月中旬から咲き始め下旬が見頃の早咲きのため、ソメイヨシノが盛りを迎える時期とは少しずれますが、この桜に合わせて撮影旅行の予定を組む価値が十分にある、他では見れない印象の桜と言えます。
青空を背負った深いピンクの花弁はその密度も手伝い、他のスポットでは撮れない鮮やかなコントラストの1枚が収められるはずです。
また西日の時間に、朱がかかって何とも言えない色合いに発色するさまも必見です。
ちなみに、長徳寺と賀茂川を挟んで「加茂大橋」を渡った対岸の堤にも「いぼ桜」と呼ばれた見事なおかめ桜があるので、ついでに探してみるといいでしょう。
<基本情報>
住所:京都市左京区田中下柳町34-1
TEL:075-781-3080
拝観日:通常非公開
拝観料:通常非公開
拝観時間:通常非公開
駐車場:なし
アクセス:京阪電車・出町柳駅下車 徒歩10分
見頃:3月中旬~4月上旬
まとめ
京都観光の要である左京区は、なんと言っても花見の名所では必ず名前が上がる「平安神宮」「岡崎疎水」「哲学の道」など名高いスポットがあるエリアですが、実はその付近にもぽっかり穴が空いたような穴場名所があります。
近年、そんなスポットも年を追うごとに人が増え始めていますが、まだ定番名所に比べればはるかにストレスなく楽します。
今回はそんな上京区の3箇所をピックアップしましたが、まだまだ撮影スポットはたくさんあるので、ぜひ別記事も参考に訪れてみてください!
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