子供の質問には、時にあたふたしてしまいますよね。
それでも、ひな祭りや七夕などの時節の行事説明はまだいいですが、特に困るのが自然科学のジャンル!
自分では理解できたとしても、子供には難しい用語ばかりで、どうかみ砕けばいいのかわからないものです。
「梅雨」もそのひとつで、家で過ごす時間が増えると、「なんで雨ばっか降るのー?」と疑問が飛んできます。
そこで、子供でも理解しやすい「梅雨」のお話を考えてみましょう。
梅雨はなぜ起こるの?子供向けの説明の簡単例!
自然現象などは、子供に簡単に説明するのは、なかなか難しいものです。
大人にとって当たり前でも、子供には難しい用語はたくさんあり、例えば梅雨の説明で「低気圧」や「前線」などと言っても、わからないものです。
そこで、「賢いお母さん」と幼稚園に通う「まいちゃん」に登場してもらって、「梅雨って何?」という疑問がわかりやすく理解できる説明の例を紹介しましょう。
梅雨は、お出かけできないから、嫌だねー。
ん?まいちゃん、なに?
なんで、梅雨はたくさん雨が降るかって?
うーん、いい質問だけど、なかなかむずかしいなあ・・
それじゃあ、まず、なぜ雨が降るのかを考えてみましょう。
まいちゃんは、なぜお空からお水が落ちてくると思う?
考えたらとっても不思議だよね。
じゃあ、そもそもお水ってどこにあるもの?
え?・・そう。
蛇口をひねると出てくるし、川や海にもたくさんあるよね。
でも、実は、お水ってね。
「見えるお水」だけじゃなくて、「見えないお水」もあって、どこにでもあるものなの。
まいちゃんの中にもあるし、この空気中にもいっぱいあるんだよ。
証拠を見せてあげようか?
でも、ちょっと喉が渇いたね・・
ジュースが冷えてるから、ママの分とまいちゃんの分、コップに入れてきてくれるかな?
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冷たくて、美味しいね!
ところで、さっきの話だけど、コップのまわりを見てみて。
いっぱいお水のしずくがついてるでしょ。
これが、さっき言った証拠!
これはね、空気の中にあった「見えないお水」が、冷やされて「見えるお水」になったの。
不思議だよね。
でも、大事だから覚えておいて。
これって、雨ができるのとおんなじしくみなの。
去年、富士山へ行ったの、覚えてる?
山の上はどうだった?
そう、寒かったよね。
高いところは、コップのまわりと同じで、寒くて冷たいの。
だから雨は、お空の上で、大きなコップについたお水のしずくが落ちてくるようなものなの。
じゃあ、ちょっとひとやすみして、おやつの時間!
まいちゃんの好きなあんまんをチンして食べよう!
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ほかほかで美味しそうだね!
だも、まいちゃん、食べる前にちょっと見てみて。
あんまんから、湯気が出てるよね!
これなーんだ?・・・
そう!正解!
これも、さっきと同じように、見えるようになったお水なの。
しかも、お水は温められると、こんなふうに湯気になって、上へのぼっていくの。
もう、わかったでしょ!
こうやって温められてのぼっていったお水が、お空で冷やされて落ちてくる・・
これが雨の正体なのよ!
地上の大きなあんまんで温められたお水が、お空の大きなコップで冷やされて落ちてくるって想像すると、なんか面白いよね!
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え?
でも、なんで梅雨の時に雨がたくさん降るかって?
そうだよね。
その説明が、かんじんなところだもんね。
じゃあ、まいちゃんに聞くけど、今はどんな季節?
ようやく寒さも感じなくなってきて、これから暑い夏が来ようとしている・・・そんな時でしょ。
じゃあ、日本のお空の上では、どんなことが起こっていると思う?
実はね、冷たい空気さんと暖かい空気さんがケンカの真っ最中!
「これからはオイラの出番だ!」
って暖かい空気が言うと、
「そうはいかないぜ!日本はまだ、オイラのものだ!」
って、冷たい空気が反撃!
結局最後には、暖かい空気が勝って夏になるんだけど、そのあいだ、ずうっとケンカは続くのよ。
ところで、雨ってどうして降るんだっけ?
空気が温められたり、冷やされたりして降るんだったよね。
つまりね。
夏が来る前に、暖かい空気と冷たい空気が日本の上でぶつかって、たくさん雨を降らすのが梅雨っていうわけ。
分かった?
梅雨の語源や由来は?子供向けの説明の簡単例!
じゃあ、なんで「梅雨」っていう名前になったのかも、教えてあげるね。
「梅雨」って「うめのあめ」って書いて「つゆ」って読むでしょ。
「雨」はわかると思うけど、どうして「梅」なんだろ?
ここでクイズ!
「梅雨」は、なんで梅の雨と書くようになったのでしょう?
①梅の実のように、大つぶの雨が降るから
②梅干しのように、酸っぱい味の雨が降るから
③毎年ちょうど梅の実がなる頃に降る雨だから
どう?わかる?
ええ?!・・酸っぱいから?
ブッブー!不正解!
正解は③。
梅は3月にきれいな花が咲いて、6月に青くて大きな実が実るのよ。
確か近所のお家に梅の木があったから、雨が止んだら見に行こうね。
「梅雨」の本当の字の読み方は、「ばいう」っていうの。
じゃあ、なんで「つゆ」って呼ぶようになったと思う?
お母さん、たまにまいちゃんが食べててこぼしそうになると、
「ほら、つゆがたれるよ!」
って言うでしょ。
つゆがたれるようにたくさん雨がふるから、「つゆ」って呼ぶようになったのね。
分かった?
他にもいろんなお話があるけど、少しむずかしいから、おいおい話してあげるわね。
そうだ!
梅の実でお酒が作れるの、知ってる?
今度、お父さんのために、一緒に梅酒作ってみようか!
手伝ってくれる?
梅雨の過ごし方で、子供に読む絵本のおすすめは?
こんな、雨や梅雨にまつわるお話をしながら、その後には、雨にちなんだ絵本を読み聞かせてあげるのも、梅雨の過ごし方として、楽しいかもしれません。
そこで、雨の日に読めば面白さが倍増する、そんな絵本を少し紹介しましょう。
「あめ ぽぽぽ」2才~ 作・ひがしなおこ 絵・きうち てつろう
あめぽぽぽ [ 東直子 ] |
ある雨の日、ぼくはママといっしょに公園に出かけます。ぴと ぴと ぽとん あ あめ ふってきた ぴと ぴと ぴと ぴと・・。
雨の降る様子が、ぽぽぽ、さあさあ、ぴとぴと、じゃくじゃく、きらきらなど豊かな音と鮮やかな色で優しく描かれているステキな絵本です。
シンプルな描写と優しげなタッチのイラストで静かに雨の情景を綴る、日本語の豊かさを実感できるおすすめ絵本です。
「かさかしてあげる」 2才~ 作/絵・こいで やすこ
かさかしてあげる [ 小出保子 ] |
雨が降ってきました。女の子が困っていると動物たちが次々とやってきて、いろんな形の傘をかしてくれます。「ありさんの かさは ちいさい かさだね」、「かえるさんの かさは じょうごの かさだ」・・・
葉っぱの傘は、子供なら一度はさしてみたいとあこがれるものですが、傘のない女の子に動物たちが、いろいろな傘を貸してくれる、心が優しくなる絵本です。
短い文章で、子供にも伝わりやすく綴られていて、梅雨時で傘に興味を示すようになった子供にも最適でしょう。
「ぞうくんのあめふりさんぽ」5才~ 作/絵・なかの たかひろ
ぞうくんのあめふりさんぽ [ 中野弘隆 ] |
今日は雨降り。それでもぞうくんはごきげん。かばくんと一緒にお池の中を散歩します。ところがお池は深くなって、泳げないぞうくんは・・。
ユーモラスな場面が満載で、子供も夢中になる笑いがいっぱいの絵本です。
のんびりした空気感の中にも、動きのある動物たちのセリフに、子供も一緒になって声をあげる、楽しいおすすめシリーズ本です。
まとめ
憂鬱な梅雨の季節も、こんな子供との有意義な会話や読み聞かせで過ごせば、とても豊かな時間になりますよね。
自然の不思議さにふれ、絵本のお話にワクワクし、お母さんと一緒に何かを作る楽しさに夢中になる・・
屋内で過ごす時間をたっぷりとれる、梅雨ならではのステキな過ごし方の参考にしてみてくださいね。
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