七五三とならんで、女の子の健やかな成長を願うひな祭りも、大事な年中行事の一つです。なのでお子さんにも、自分の節目のお祝いであることをしっかり教えてあげたいものです。
今ではインターネットで調べれば由来などはすぐわかることですが、それを子どもに理解できるように説明するとなるとまた別な話です。
そこでひな祭りや雛人形を飾る意味や由来を、子供にどんな言葉でどう伝えればいいのかを考えてみましょう。
ひな祭りの由来を子供向けに説明すると?
お子さんに行事の意味や由来を聞かれて、さっと答えられる大人はそういないですよね。子どもの質問にはいつもドキッとして、わからなければあたふたしてしまうもの。
そんなときは、知ったかぶりするより自分も知らないことをちゃんと告げたほうがいいと思います。その上で、「お母さんもとっても関心がある、すごくいい質問だと思うから調べてみるわ。わかったら今度お話してあげるから待っててね」と約束したうえで調べてみればいいでしょう。
と言うことで、まずひな祭りやそれにまつわることをお子さんにうまく説明するために、その由来や歴史を少しおさらいしてみましょう。
あまりむずかしいことまで知ってもかえって説明がしにくくなってしまうので、お子さんと一緒に理解するための予備知識と子供向けの表現にした説明内容も紹介します。
<ひな祭りの由来>
ひな祭りの起源は諸説ありますが、主には二つの風習が組み合わさって今の形になったとされます。
ひとつは中国の風習が日本に伝わった、「ひとがた」という紙や草で作った人形に厄を移して川に流す「流し雛」という古来の風習です。人形に自らの厄の身代わりになってもらうという発想はここから来ています。
ここに、平安時代の女の子のままごと遊び「雛あそび」が組み合わさって、室町から江戸時代にかけて人形も流すものから豪華な飾り雛になっていき、女の子の成長を願い、不幸は人形に身代わりにさせる「上巳の節句」となりました。
桃は厄を祓う力があるとされ、ちょうど開花の時期でもあったことから「桃の節句」とも呼ばれます。
雛飾りは婚礼の様子を表し、主役の内裏びな(男びな・お内裏様と女びな・お雛様)を始め、三人官女・五人囃子・随身・仕丁と、その周りを固める役割の人形も揃って飾られます。
菱餅は、その形の由来がやはり諸説ありますが、「ヒシの実の形」などいずれも長寿や繁栄の力を持ったものから来ており、色についても「雪」「芽吹き」「花」など大自然の力を象徴したものになっています。
雛あられは、江戸時代に野外で雛あそびを楽しむ際の携帯食料だったとも言われ、人形に外の景色を見せることを「雛の国見せ」と呼んでいました。
これを子供にわかるような説明にすると・・・
<ひな祭りの由来~子供向け>
でもそのうち、女の子がおままごと遊びをする人形にその役割をしてもらうようになったの。だから、今では女の子がいいお嫁さんになって幸せに暮らせますようにってお願いをするお祭が「ひな祭り」になったのよ。
お外では桃の花がきれいに咲いてるでしょ。だから「桃の節句」とも呼ばれるの。
飾るお人形をよく見てみて。
男のお人形さんと女のお人形さんがいるでしょ。これはお嫁入りしているところなの。なぜかというと、女の子が将来、幸せな結婚をして元気に暮らせますようにってお願いするためなの。
ひし餅も幸せをお願いするために、みんな自然の中にある力が強いものに形や色を似せて作ったの。だからあの形やたくさんのきれいな色はちゃんと意味があるのね。
むかしはお外でもひな祭りをしたことがあったんだけど、ひなあられはそのときに持っていって食べるために作られたお菓子だったの。
あまり細かく専門的な内容を伝えても、まだ理解できないと思うので、これくらいがちょうどいいように思います。もちろんあくまで1例ですの、いろいろアレンジしてお子さんに伝えてあげてくださいね。
ひな祭りの由来をクイズで説明すると?
行事の由来や謂れを噛み砕いた内容にしたとしても、子供に興味を持って聞いてもらえるかはまた別の話です。お母さんもお話のプロではありませんから、上手な伝え方はなかなか難しいものです。
でしたら、いっそクイズ形式にしてしまってはいかがですか?
お子さんも、ただ説明を聞くより楽しく答えながら理解できますし、きっと興味やと関心が高まります。
でも、クイズって言われてもどんな問題にすれば?と困ってしまうと思いますので、以下のクイズサンプルを参考にしてみてください。
・ひな祭りはなぜするの
(1)女の子が幸せになれるように
(2)女の子が生まれるように
(3)死んでしまった女の子が生き返るように
正解は(1)の女の子が幸せになれるように。きれいなお嫁さんになって、いい人生を送ってほしいって願ってするのよ。
もんだい②
・ひな祭りの「ひな」はどういう意味?
(1)小さくて、かわいらしい
(2)小さくて、すばしっこい
(3)小さくて よわよわしい
これも正解は(1)。にわとりのこどもも「ひな」って言うけど、みんなと同じで可愛らしいでしょ。ひな祭りは、ちっちゃくて可愛い子のお祭なのね。
もんだい③
・ひな祭りの元になったあそびは?
(1)あやとり
(2)けまり
(3)おままごと
またまた正解は(3)。みんなもお人形でおままごとするよね。むかしの女の子もおなじだったの。それが元になったのがひな祭りってわけ。
もんだい④
・ひな祭りは、なぜ「ももの節句」って言うの?
(1)「もも」というなまえのお姫さまのお祝いだったから
(2)ちょうど桃が咲く頃だから
(3)女の子のほっぺは桃色だから
お外でちょうど桃の花がきれいに咲いてなかった?そんな時期のお祭だから「桃の節句」って言うの。だから正解は(2)。他にはお風呂に入れる「菖蒲」や「菊」の節句っていうのもあるのよ。
もんだい⑤
・今は飾っているお人形も昔はそうではありませんでした。ではどうしてた?
(1)燃やした
(2)神社に預けた
(3)川に流した
正解は(3)ね。ひな祭りはむかし、元気でいられるように病気や不幸のもとをお人形さんに吸い取ってもらって川に流していた時もあるのよ。「ながし雛」って呼んだの。
もんだい⑥
・ひな人形は何をしているところを表しているの?
①お嫁入りしているところ
②ご飯を食べているところ
③お仕事のしているところ
(1)が正解!みんながきれいなお嫁さんになれるように願って、結婚しているところをお人形にして飾るのよ!
もんだい⑦
・ひな祭りが終わるとお人形をすぐ片付けるのはどうして?
(1)だらしないといいお嫁さんになれないから
(2)ほこりになるから
(3)いつまでも飾っておくと、鬼にさらわれると信じられていたから
うーん、これはむずかしいかな?いつまでも出しておくとほこりになるのも正解ね。でも、お片づけができない女の子じゃいいお嫁さんになれないのも当たってるから、正解は(1)と(2)に両方かな。
もんだい⑧
・ひし餅はなぜ、ひし形をしているの?
①命のパワーが強いヒシという木の実の形に似せて
②人の一番大事な心臓の形に似せて
③よくわかっていない
実はいろんな説があって、よくわかってないの。でもヒシの実や心臓に似せて作ったっていう説もあるのよ。だから全部正解かな。
もんだい⑨
・では、ひし餅はなぜ色がたくさんついているの?
(1)自然の中のパワーがあるものの色
(2)お祝いした昔のお姫様の着物の色
(3)3色の「三」が縁起のいい数だったから
緑は「草木」、白は「雪」で桃色は「お花」というように、みんなすごいパワーを秘めている自然にあるものの色を表しているの。だから正解は(1)。でもむかしは2色だったときもあるのよ。
もんだい⑩
・ひなあられはなぜできたの?
(1)おままごと遊びのごはんの代わり
(2)豆まきと同じで、鬼にぶつけて追い払うもの
(3)お外でひな祭りをする時に食べるもの
実は、むかしはお外に出かけていってひな祭りのお祝いすることもあったの。そのときの遠足に持っていくお菓子みたいなものだったのね。正解は(3)ね。
ひな祭りの由来の絵本でおすすめは?
いろいろな物事の由来や意味を伝えるのに、絵本の読み聞かせを利用するのも有意義な方法です。子どもは物語が大好きですし、そんな機会をたくさん作ってあげることで興味や関心が広がっていくものです。
本によっては、由来の核心には触れない内容のものもあるかもしれませんが、上記のような簡単な説明をしてあげた上で行事にちなんだ絵本を読んであげればお子さんは喜ぶでしょう。
それでは、ひな祭りにちなんだ絵本はどんなものがあるでしょうか?少しピップアップしてみますね。
「ひなまつりにおひなさまをかざるわけ」(行事の由来えほん)
瀬尾 七重/作 岡本 順/絵 4歳~
おはなの病気を治したのは、彼女が大切にしていた木ぎれの人形でした・・・
由来を子供に伝えるのにはうってつけの由来絵本です。流し雛から始まり、兄弟愛を通してひな祭りの由来を興味深く教える内容になっているので、少し長めですが気にならない魅力ある絵本です。
ひな祭りに込められた子への想いをあらためて再認識できる内容なので、子供だけでなく親御さんにも読んでほしい1冊です。
ひなまつりにおひなさまをかざるわけ [ 瀬尾七重 ]
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「たまごからうまれた女の子」(行事むかしむかし)
谷 真介/作 赤坂 三好/絵 6歳~
子どものいない金持ち夫婦は、毎日お宮へ行っては子どもをさずけてほしいと、神様にお祈りしていました。ある日家の前に、五十個の卵が入った箱がおかれていました・・・
長崎地方に伝わる、流し雛や3月3日のひな祭りにたくさんの人形を飾る由来のお話です。全ての漢字にルビがふってあるので幼稚園児くらいから十分に読んで理解できる内容です。
卵から50人もの女の子が生まれるユニークな設定も、固定観念をもたない子供は関心を持ってお話に引き込まれるでしょう。
たまごからうまれた女の子 [ 谷真介 ]
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「おばあちゃんのひなまつり」
計良 ふき子/作 相野谷 由起/絵 3歳~
きょうはひなまつり。おばあちゃんの誕生日です。こくり。こくり。おばあちゃんがひとりで甘酒を飲んでいると、ふすまがすいっとあいて…。春がやってくる日にはふしぎなことが起こる…
ひなまつりを一緒に過ごすはずの孫が来られなくなってしまったおばあちゃんのところへ、実は雛人形の子供が遊びに来るほっこりするお話で、絵のタッチも素朴で柔らかいので幼児から楽しめる絵本です。
おばあちゃんのひなまつり [ 計良ふき子 ]
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まとめ
お子さんの知識欲ってすごいですよね。大人は当たり前と思うことにも理由や説明を求めてきますし、逆にそれで自分が何も知らなかったことに気づかされたりします。
調べて自分で理解しても子どもに教えるのはまた別で、いろいろ噛み砕いて興味を引きそうなお話にしないといけないので親御さんは大変です。
そんな際の参考になれば幸いです。お子さんとの楽しいひな祭りが過ごせるといいですね!
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コメント
クイズの3番の答えは、(1)ではなくて(3)のおままごとですよね?
きゃん様
ご訪問ありがとうございました。
うっかりコメントに気づかず、ご返信が遅くなり
申し訳ありませんでした。
早速、ご指摘を受けました間違い部分を訂正致しました。
今後も宜しく致します。
苺の一枝管理人