紅葉と並んで、京都を代表する風物詩が春に咲く桜です。
その花見の名所は、有名処から穴場までバリエーションに富み観光客を飽きさせません。
そこで、ぜひカメラを手に暖かくなった京都へ、日本の象徴とも言える桜とお寺のベストショットを撮りに出かけてみませんか?
今回は、そんな京都の西京区で、桜の穴場撮影スポットを紹介しましょう。
※左上(表題の頭)の→□ボタンでガイドエリアを表示させ、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。(スマホでは横回転させると見やすいです)
勝持寺の桜の撮影スポットは?
<勝持寺(しょうじじ)>
西山の麓に建つ勝持寺は天台宗派の古刹で、役小角が開基し、最澄が再建したと伝わります。
高名な歌人・西行ゆかりの寺でもあり、紅葉時期も見事な彩りを魅せますが、その西行法師によって植えられた100本近い桜の名所で「花の寺」とも呼ばれています。
西山連峯の麓に位置する山寺なのでアクセスが不便で坂道も多く少し大変ですが、それゆえ人出も激しくなく穴場としてはかなりおすすめです。
・人がいなくてゆっくりと季節を楽しむことができる数少ないお寺だと思います。
・のどかな里山の一角にあり訪れる人はまばらなので人混みを避けてのんびりと桜を眺めたい方におすすめです。
桜は主にソメイヨシノが中心で境内を埋め尽くしますが、まずポイントは境内南奥に広がる「桜が丘」の桜です。
しかし何と言っても撮影ポイントとしておすすめが、鐘楼そばの枝垂桜。
西行法師自らが植えたと伝えられるこの「西行桜」は「京都三つ星桜」とも称され、その背の高い枝垂の枝ぶりは、まるで鐘楼の葺屋根に競うように天蓋を形作っています。
西行桜はソメイヨシノとともにやや早咲きですが、他の枝垂桜はそれより遅めなので、見頃を合わせるのが難しいですが、タイミングがハマると素晴らしい花見体験ができるでしょう。
また境内を流れる小川に浮かび流れる散り桜も風情があり、思わずカメラを向けてしまうでしょう。風が通り抜ける気持ちのいい花見スポットです。
ちなみに瑠璃光殿には重要文化財の薬師如来像や西行法師像など宝物が収蔵されており、一見の価値ありなので併せて見学してください。
前述のとおり、山あいのお寺なので歩きやすい靴を履いてハイキングのイメージで向かったほうがいいスポットです。
<基本情報>
住所:京都市西京区大原野南春日町1194
TEL:075-331-0601
拝観日:無休
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:一般400円・高校生300円・小学生200円
駐車場:あり(無料)
アクセス:桂駅西口下車、バスで南春日町バス停下車後徒歩約20分
市バス 南春日町バス停下車徒歩約20分
見頃:4月上旬~4月中旬
サイト:http://www.shoujiji.jp/
大原野神社の桜の撮影スポットは?
<大原野神社>
出典:京都の桜写真
784年の長岡京遷都の際に、桓武天皇が奈良春日大社を分祀した神社で、藤原氏を氏神とします。「京の春日さん」として親しまれ、、春日大社と同じ朱塗りの社殿が神社のイメージにマッチした印象を与えます。
紅葉でも人気が高く、また西京区では前述の勝持寺と並んで代表的な桜の名所としても知られていますが、やはりこのエリアのアクセスしづらさも手伝い、おすすめ穴場スポットと言えます。
・勝物寺(花の寺)のお隣にあたり,静かな落ち着いて神社です。
・他の京都の桜の名所と異なり、静かに桜を楽しめます。正法寺、勝持寺と一緒に回るとよいと思います。
ソメイヨシノも含め、春の花を沢山咲かせるこの神社の撮影ポイントは、実はほぼ一択と言っていいでしょう。それが鯉沢池近くで数日しか咲かない「千眼桜」なのです。
この樹齢70年を越す枝垂桜は、ひと枝に一重の白い花をいくつも咲かせ、あたかもたくさんの眼に見えることからその名がつきましたが、なんとその満開の姿は3日しか目にすることができない「幻の桜」でもあります。
運が無いとカメラに満開を収められないこの「幻の桜」をTOP画像のようにゲットできれば、春から縁起がいい、素晴らしい1年になることでしょう!
ちなみに大原野神社は、紫式部にもこよなく愛され、源氏物語にも登場する風雅あふれる小塩山の名刹でもあり、縁結びのパワースポットとしても評判なので、女性向きのロマンあふれるスポットと言っていいかもしれません。
<基本情報>
住所:京都市西京区大原野南春日町1152
TEL:075-331-0014
拝観料:無料
休日:無休
駐車場:あり(有料)
アクセス:桂駅西口下車、バスで南春日町バス停下車後徒歩約20分
市バス 南春日町バス停下車徒歩約20分
見頃:4月上旬~4月中旬
サイト:http://oharano-jinja.jp/index.html
正法寺の桜の撮影スポットは?
<正法寺(しょうぼうじ)>
鑑真の弟子、智威大徳の隠世のため754年に創建された正法寺は、応仁の乱で焼失後1615年に再興された真言宗の寺院です。
前述の大原野神社は向かい側にあり、隣にはやはり紹介しました勝持寺があります。
動物を模した庭石が沢山あることから「石寺」として有名で、秋には紅葉の穴場として知る人ぞ知る名所ですが、春にも絵になる風景が豊富なスポットです。
急な坂道に続いて石段も登る東山の中腹にあることもあり、観光客があまり足を伸ばすことがないエリアで、シーズン中も比較的に穴場と言えます。
・大原野は京都の中でもまだ静かなスポットです。それでも、春秋のシーズンは大変賑わいますが、この正法寺はいつ行っても静かです。
植えられている桜はほとんどが枝垂桜ですが、社家川にかかる朱塗り欄干の極楽橋の脇に色づく桜は絵になりますし、続く参道の坂道両脇の枝垂も楽しい景色です
また境内の春日不動尊前にある枝垂れ桜や、東山連峰の借景にした石庭「宝生苑」の枝垂も見応えたっぷりです。
近年完成した京都技師の亀岡末吉作の朱色の六角二重塔「遍照塔」も独特な雰囲気で、桜に重ねて撮影すれば見栄えのする写真が撮れるでしょう。
しかしイチオシの撮影ポイントは、何と言っても石寺の由来の「鳥獣の庭」です。
動物の形状をした巨岩や奇岩と樹齢80年の枝垂れ桜が、東山連峰や遥か彼方の京の街を借景にして、三位一体で写真に収められます。
桜を楽しむ以外にも、本尊の千手観音は「三面千手観音」と呼ばれる珍しい形式の木像で、本堂ではその三面千手観音に迎えられ、正法寺縁起の説明も録音ですが聞くことができます。
鳥獣の庭を眺めながらお抹茶もいただけるので、東山の開放感あふれる風景とともに味わうと贅沢な時間を過ごせておすすめです。そこでは水琴窟の綺麗な音色も響いてくるはずです。
勝持寺の「西行さくら」、大原野の「千眼桜」、正法寺の「鳥獣の庭と枝垂」は、必ずセットでカメラに収めるべき3スポットと言えるでしょう。
<基本情報>
住所:西京区大原野春日町1102
TEL:075-331-0105
拝観日:無休
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:大人300円 子供100円
駐車場:あり(無料)
アクセス:阪急電車 東日向下車
阪急バス 南春日町下車 徒歩7分
見頃:4月上旬~4月中旬
サイト:http://www.kyoto-shoboji.com/
まとめ
山科区と同時に誕生した西京区は、京都では新しい区のひとつです。「にしきょうく」と読み、渡来した秦氏一族が居住していた地域で、桂離宮や西芳寺(苔寺)などが有名です。
山の斜面や麓に古い寺社が多く、京都市から離れているため観光客が足を向けにくいエリアでもあります。
今回はそんな西京区の3箇所をピックアップしましたが、まだまだ撮影スポットはたくさんあるので、ぜひ別記事も参考に訪れてみてください!
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