また、つらい花粉症の季節がやってきますが、いろいろな症状で悩まされている方も多いことでしょう。
なかでも鼻の症状である鼻づまりや鼻水、くしゃみは生活に支障が出るほどつらいものですが、さらにそれらが原因になって鼻の中が腫れたり、できものができるなどトラブルが起こることもあります。
今回は、そんな花粉症の時の鼻のトラブルの原因やその対処法について考えてみました。
花粉症で鼻の中にできものができる原因は?
花粉症で表れる症状はすべてアレルゲンから体を守るための防御反応で、ある意味大事な免疫反応とも言えますが、あまりに身体が過敏に反応しすぎると、生活に支障が出て困ってしまいます。
また、そんなアレルギー症状は二次的な身体のトラブルも引き起こしますが、鼻の場合で言うと鼻の中にできものができて痒みや痛みに悩まされたり、大きく腫れて鼻詰まりが一層ひどくなることがあります。
もちろん普段でも鼻の炎症でできものなどはできたりしますが、花粉症シーズンになると決まってそんな症状に煩わされる方も多いようです。
花粉症のシーズンになると起きるそのような鼻のトラブルは、どんな病気が考えられるのでしょうか?
一概に鼻の中のできものといっても、ニキビ・アテローム・ヘルペスなどさまざまありますが、もし花粉シーズンに決まって起きているのでしたら、鼻炎の合併症や鼻粘膜への過度な刺激が原因で発症するものが疑われます。
そのうち、鼻への刺激で発症しやすいできものは、主に下記の2つです。
①鼻せつ(びせつ)
粘膜への刺激を繰り返すことで傷ついた部分から黄色ブドウ球菌など細菌が侵入し炎症をおこすもので、鼻孔の入口付近にできることが多いおできの一種です。
②毛包炎(もうのうえん)
毛嚢炎とも表記し、鼻の中に限らず皮膚のどこでも起こるもので、鼻では主に内部にできることが多い腫れです。
やはり鼻をかみ過ぎたりすることで起こるもので、主に毛穴の深部(毛包)が傷ついてブドウ球菌などの細菌に感染して起こるものです。よく鼻毛を抜く人も毛根が傷ついてかかりやすい炎症です。
また別な原因として、ステロイド点鼻薬を使いすぎると発症しやすいので、花粉症時のできものの多くは毛嚢炎も可能性があります。
上記はいずれも強く鼻をかみすぎたり、触ったりしすぎることで粘膜や毛根がダメージを受け発症するできものです。
他にも
・鼻ニキビ~アクネ菌が原因で、内部よりも鼻の外側にできやすい。
・アテローム~脂汚れ・角質などが溜って起き、大きくなるようなら疑うべき。
・ヘルペス~口内にもよくできる、やはり細菌性のもので、アトピーの人は感染しやすい。
・悪性腫瘍~普通のポリープが白っぽいのに対して、できものが赤黒く、鼻血も出やすければ疑った方が良い
などの可能性ももちろんありますが、まずは花粉症時期にのみ起きている腫れの症状なら、上記を疑ってみるといいでしょう。
もちろん、病院に行くことが病名の正確な判断をする最善の方法であることは言うまでもありません。
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花粉症のときに鼻の中が腫れる原因は?
前述のように、鼻腔の入り口や内部でできるできものもありますが、鼻のさらに奥でできもののように大きく腫れる場合があります。
それが鼻茸(はなたけ)と呼ばれるもので、原因は傷ついた皮膚から侵入した菌などが原因ではなく、花粉症で起こるアレルギー性鼻炎に伴ってトラブルを引き起こしている場合があるので注意が必要です。
③鼻茸(はなたけ)
良性ポリープの一種で、蓄膿症(副鼻腔炎)の慢性化に付随して起きやすいですが、花粉症の方などはアレルギー性鼻炎の副次症状としても見られるものです。
ですので、花粉症でも鼻づまりがひどい方が鼻の中にできものを感じたら、この鼻茸を疑うべきです。頭痛があったり、醤油などの強い臭いが感じづらくなるのが症状の一つです。
入り口や内部というより鼻の奥に見られ、数が増えたり大きくなると切除しなくてはいけなくなるので注意が必要です。
花粉症シーズンには鼻づまりは普通に起きているので、少々ひどくなっても見過ごしてしまいがちですが、もし鼻の中に腫れやできものの違和感を感じたら、いつものことと思わず耳鼻咽喉科を受診すべきでしょう。
花粉症で鼻の中のできものや腫れの対処や解消法は?
もし花粉症の方が、自分は「鼻せつ」「毛包炎」や「鼻茸」ではないかと感じたら、どんなことに注意すればいいのでしょうか?
まず、いずれの場合でも触ったりして刺激を与えることは良くありません。ましてや無理に潰したり剥がしたりなどは、膿んでしまったり、悪性の皮膚疾患にもつながるので絶対NGです。
「鼻せつ」「毛包炎」の場合、通常なら触らずに放置すれば数日で改善することがほとんどですが、花粉症の方の場合はどうしても鼻をかむなどで刺激をしてしまうものです。
ですので、できるだけ優しく鼻をかんだり、炎症をこれ以上悪化させないためにも触れる手や指をこまめに洗い、さらに患部も洗浄して清潔に保つことが大切です。
また、「鼻せつ」や「毛包炎」の原因には、前述の通りステロイド薬の常用が原因になっている可能性もあるので、使用している点鼻薬などの成分に注意してみて、頻度を減らしたり、場合によっては中止して様子をみることも必要しょう。
それではここで、「鼻せつ」や「毛包炎」「鼻茸」の炎症物質を洗い流し、鼻の粘膜をきれいに保つ「鼻うがい」を少し紹介しましよう。
鼻うがいとは生理食塩水などを使って鼻の中を洗浄することで、鼻粘膜に付いた異物や細菌を洗い流し、炎症の予防や悪化を防ぐケア方法です。
特に「鼻茸」に伴う粘りのある鼻水もきれいにしますので、悪化を軽減できます。注意点は専用液かぬるま湯の食塩水を使うことです。
よく点鼻薬スプレーなどを鼻洗浄代わりに考える方がいますが、目薬同様、リバウンド効果がある血管収縮剤などが含まれているのでおすすめできません。
洗浄液は市販もされていますが、生理食塩水は自分でも簡単に作ることができます。
必要なもの
・鼻洗浄専用容器
・40℃弱のお湯 200ml
・食塩 約2g
※量は容器の容量で調整。約1%弱の濃度の食塩水を作ること。
やり方
・適正温度のお湯に食塩を溶かして洗浄器に入れ、鼻に噴射するだけです。
鼻と喉の間がちょうど閉じる「エー」と発声しながら洗浄するといいそうです。
注意点は、水の圧力を強め過ぎて中耳までいかないようにすること。また、やり過ぎは鼻本来の防御機能まで流してしまうので、1日1回とすることです。
また、ひどく悪化や化膿していなければ、比較的刺激が穏やかで粘膜に使用しても問題がないとされる抗菌・抗炎症作用を持つ「オロナイン」が効果だったという体験談も報告されています。
前述の洗浄をして清潔にした後に、綿棒などで薄く痛みを伴う患部に塗ってみて、様子を見てみるのもいいでしょう。
もちろん上記はあくまでも、ひどくなる手前のケア方法ですから、基本的には医者を受診することがもっとも賢い選択なのは言うまでもありません。
「鼻せつ」や「毛包炎」には抗真菌外用薬や抗生物質の軟膏を塗布したり、抗生剤の内服薬などで治療しますし、「鼻茸」は抗アレルギー薬の内服、ステロイド薬の点鼻が行われます。
いずれも、市販されていない抗生物質を症状に応じて使って治療するので、信頼性や効果が望めます。
まとめ
繰り返しますが、鼻の中のできものは見分けが付きづらく、また重症化すると重度の疾病のきっかけにもなりやすいので、症状が続くようなら受診して薬を処方してもらったり、きちんとした治療をすることが賢い選択肢と言えます。
花粉症の方が、シーズン中にストレスなく生活することはなかなか難しいですが、小まめなケアをしながら注意深く見守ることが、重大な病気に発展させないポイントなので、記事も参考に頑張って乗り切って下さいね。
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