紅葉といえばやはりメッカは京都!
舞台から見下ろしたり、ライトアップに照らされたり、地面に敷き詰められたりとその演出は他を圧倒します。
しかしそれだけにこの季節だけで1500万人もの人がここを訪れ、ゆっくり観賞することはもはやむずかしいのではと尻込みしてしまうのも正直なところです。
でもちょっと待ってください。これだけスポットが点在する一大観光エリアなら隠れた名所がまだあるはずです。
今回はそんな穴場スポットを上京区で探してみましょう。
京都で紅葉の穴場 廬山寺とは?
穴場といっても、お土産話もできないさびしい山奥や寂れた寺社では紅葉がきれいでも京都に行った意味がありません。やはり京都の風情があった上で適当な混み具合の場所が理想です。
一見虫がいいように聞こえますが京都は観光スポットが豊富なので、超有名な条件にこだわらなければそんな場所もあります。
特に京都は中心市街地や有名スポットのすぐそばに名所があったりするので侮れないところ。上京区も同志社キャンバスや京都府庁があり、中心には京都御所をかかえる賑やかな地域ですが、つぶさに見ていくと上級者も太鼓判を押す紅葉名所があります。
そんな穴場の中から、ピックアップしていくつか紹介しましょう。
※左上(表題の頭)の→□ボタンでガイドエリアを表示させ、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。(スマホでは横回転させると見やすいです)
<廬山寺>
住所:京都府京都市上京区北之辺町397
TEL:075-231-0355
拝観料:大人500円 中学生400円
拝観時間:9:00~16:00
駐車場:あり(無料)
アクセス:市バス 府立医大病院前下車 徒歩3分
見頃:11月中旬~下旬
サイト:http://www7a.biglobe.ne.jp/~rozanji/
京都御所の道を挟んだ東側に建つ桔梗の名所として有名な廬山寺ですが、秋は紅葉も美しいお寺で隠れた名所と言えます。紫式部ともゆかりが深いお寺で、「源氏物語」をここで執筆した邸宅跡とも言われています。
938年に創建された天台宗派のお寺で、御所に隣接しているのも手伝い皇室とも縁が深く、慶光天皇廬山寺陵をはじめ皇族の陵墓が多くあります。
また、あとで北野天満宮でも紹介する京都防御の土塁跡「御土居」も敷地内東端で見ることができます。
シーズン中でもそれほど人出がなく、京都の中心地にあってこれほど名所の穴場は他には見込めないといっても過言ではありません。
・全く人がいない中で、のんびりと紅葉を楽しみました。
・誰も居ない境内で過ごした時間は、まさに至福の時でした。思わぬ所に、穴場中の穴場を見つけたという気分です。
紅葉で見どころは「源氏庭」で、白砂とユニークな形に配された苔の緑に鮮やかな紅葉が映え非常に美しい景色です。これを黒い床のお堂に上がって屋内から眺めると、その額紅葉は必見。
暗さの中にくっきりと眩しい白砂と目に鮮烈な真っ赤な色が浮かび上がり、そこに優しい苔の緑が加わりえもいわれぬ気品が感じられ思わず息をのむでしょう。
この苔の形は実は「源氏雲」と言い、「源氏物語絵巻」「洛中洛外図」などに見られる場面割の金色の雲を模したもので、おそらく見覚えがある方もいるでしょう。
また源氏庭とは反対側の中庭でももみじが楽しめ、散り紅葉なども綺麗です。他にも撮影スポットが豊富な場所で、庭裏の参道などモミジがきれいな場所があります。鐘楼付近では京都ならではの鐘を従えたベストアングルが撮影ができるでしょう!
また納経料が500円必要ですが、女性にも人気の写経がいつでも(毎日9時~15時)体験できます。きちんと書くと1時間半程度はかかるので、興味があれば時間を考えて予定してください。
中世の物語ロマンを感じさせるここは、源氏物語や紫式部が好きな方にはおすすめで女子向きと言えるかもしれません。
京都で紅葉の穴場 相国寺とは?
<相国寺>
住所:京都市上京区今出川通烏丸東入相国寺門前町701
TEL:075-231-0301
拝観料:一般800円 中高生700円 小学生400円(特別拝観料)
拝観時間:10:00~16:00
アクセス:京都市営地下鉄 今出川駅下車 徒歩約5分
市バス 同志社前下車 徒歩すぐ
駐車場:あり(衝天閣美術館用 無料)
見頃:11月中旬~下旬
サイト:http://www.shokoku-ji.jp/top.php
1392年に足利義満によって創建された臨済宗派のお寺です。京都御所と今出川通りを挟んで同志社大学越しに相対し、その広大さは御所に引けを取らない貫禄ですが、それもそのはずで金閣寺・銀閣寺も含む90山あまりを塔頭として擁す宗派の総本山にして京都五山第二位に列せられる名刹です。
その広い境内は松林に囲まれ、整然とした雰囲気のなかに落ちつきを感じながら過ごせます。
肝心の紅葉はその広さゆえ密度こそ低いものの至るところに点在し、その総量は定番スポットに劣りません。また京都御所同様、その広さと、紅葉のみで観光客誘致をしない姿勢が静かに過ごせる理由と言えるでしょう。
・紅葉シーズンで金閣寺や銀閣寺は混雑していたと思うのですが、親寺であるここは空いていました
・紅葉の美しい祝日にもかかわらず混んでいませんでした。
紅葉の見どころは、なんと言っても秋季のみ拝観が許される「開山堂」の庭に尽きます。
枯山水の庭の白砂に描かれた軟らかな線を引き立てるように背後から彩りを添える紅葉は、たっぷりとではありませんがちょうどよい配置で立っています。また砂の線に沿って散り敷かれる、やはりちょうどよい量の散り紅葉はいつまでも眺めていたい風情があります。
敷地内には「衝天閣美術館」があり重要文化財の収蔵品も見どころのひとつですが、そこへ向かう道の両脇にも色づく紅葉がきれいなポイントで、密度では一番の場所でしょう。
鐘楼のそばにも枝を広げた紅葉が、古都の風情ある塔に艶やかな演出を施しています。
紅葉以外では、境内には桃山時代に造営された日本最古の法堂が正面に控え、その天井には狩野光信作の鳴き龍「蟠龍図」が描かれていて必見です。どの位置から見上げても龍に睨まれているように感じ、決まった場所で拍手を打つとあたかも龍が鳴いたかのように音がします。
また、方丈の中には遠塵斎筆による「法華観音図」(経文の文字で描かれた菩薩画)、杉戸絵の「白象図」など精緻な絵画も掛けられており、時間があれば見ておくといいでしょう。
京都で紅葉の穴場 北野天満宮とは?
<北野天満宮>
住所:京都市上京区馬喰町
TEL:075-461-0005
拝観料:無料(もみじ苑600円)
拝観時間:9:00~17:00
駐車場:あり(無料)
アクセス:京福電車 北野白梅町駅下車 徒歩約10分
市バス「北野天満宮前」下車すぐ
見頃:11月下旬~12月上旬
サイト:http://www.kitanotenmangu.or.jp/
全国に天神様として学問の神様・菅原道真を祀る天満宮が12,000社ありますが、その総本社がここ北野天満宮です。「北野の天神さん」と親しみをこめて呼ばれる北野天満宮は、947年菅原道真を祀る目的で建てられ、その後藤原氏により大規模な社殿造営があり現在に至ります。
道真が愛した梅の名所でも有名で梅苑では1,500本もの木が早春に咲き競いますが、紅葉の名所としても負けていません。それでも桜や梅ほどは知れ渡っていないせいか、それほど混雑しないで楽しむことができる穴場と言えるでしょう。
・日にもよりますが、それほど混んでいる事もなく楽しめると思います。
・夜のライトアップも開催していますが、まだ知名度がないせいかガラガラでした。
・ライトアップされた紅葉を目当てに訪れました。他のスポットと比べて観光者が少なく、落ち着いて紅葉を見ることができました。
拝観料はかかりますが、この時期公開される「もみじ苑」を見学しなければ紅葉を観賞に来た意味がないでしょう。
豊臣秀吉が天下統一後、外的防御と鴨川氾濫から市街地を守るために造営した御土居(おとい)と呼ばれる土塁跡に約300本もの紅葉が植えられ名所となっています。
御土居はもみじ苑を含め京都で9箇所(前述の廬山寺も合わせて)ほどしか残されていない貴重な遺構になっています。最近NHKでも取り上げられ再注目されているので、見ておく価値はあるでしょう。
起伏に富んだその地形には朱塗りの太鼓端「鶯橋」や展望所・舞台など観賞ポイントが多数あり、樹齢400年と伝えられる「三叉の紅葉」や同じく600年とされる大楓「東風」など名木を取り囲んであまたの絶景を作り上げています。
鶯橋より見下ろす紙上川の水面に映る錦秋や、晩秋の頃に敷き詰められる錦の絨毯も必見です。
もみじ苑では、見頃に合わせてライトアップもされるので万障繰り合わせてご覧になることをおすすめします。少し人は増えてきますが、茶席で抹茶をいただきながら灯りに艶やかに浮かび上がる紅葉を愛でる贅沢を味わえますし、舞台では日舞や奉納舞などの催しも観賞できます。
・もみじ苑公開予定期間:11月上旬~12月上旬
・ライトアップ予定期間:11月中旬~12月上旬
・公開時間:10:00~16:00(ライトアップは日没~20:00)
・入苑料:大人700円 子ども350円
・抹茶・お菓子(千利休考案麩の焼)付き
まとめ
今回は京都の中心エリアで紅葉穴場スポットを紹介しましたが、アクセスが楽な立地に加え、観光の起点になる場所でもあるので計画プランの最初や最後に組み入れやすく、数ある穴場の中でも勝手がいいスポットでしょう。
特に下記の記事では、観光の作戦を練ったり食事や休憩に利用できそうな穴場も紹介したので、是非参考にしてみてください!
⇒上京区での別な紅葉穴場スポット「京都の紅葉で上京区の穴場厳選! 京都御所・妙覚寺・カフェ庭園!」
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