お正月にゆっくり過ごして体を休められても、胃腸の方は食べてばかりいたのでお疲れ気味という方もいるはず。
そんな頃に七草粥を食べる風習を作った日本人の知恵には驚かされますが、おそらく作る予定のご家庭も多いことでしょう。
しかし、七草を準備したり、時間がかかるお粥を炊くのは面倒でもあります。
そこで、少し遅い初詣も兼ねて、本格的な七草粥を振舞ってくれる都内の神社に出かけてみませんか?
築地で七草粥がふるまわれる波除神社の詳細情報
先ほどもふれましたが、七草粥は日本の慣習にぴったり合った健康食で、昔の人も正月の疲れた胃腸を七草がゆで労わっていたに違いありません。
七草粥は、魔よけ・豊作祈願・無病息災祈願を願って鎌倉時代に始まったとされる医食同源とも言える健康食です。
その素材である七草は、この時期の体調改善にうってつけのものばかり含まれており、まさに日本の究極のハーブフードと言えるのです。
そんな七草粥を食べない手はありませんが、季節のものだけに油断すると七草がネットやスーパーで完売になっていたり、お粥を炊くのも意外に時間がかかるので面倒さが付きまといます。
そこで、七草粥を無料で振舞ってくれる神社に行くのもお正月らしいお出掛けになります。まだ7日は松の内ですし、今年(2016年)は土曜日でもあるので、もし初詣がまだなどであれば一石二鳥になりますよ。
「築地・波除神社(なみよけじんじゃ)」
大きな境内ではありませんがその歴史は古く、徳川家綱の世から続く由緒ある神社です。
江戸の頃に埋め立て事業が激波で困難を極めた築地で、海に漂う光るご神体を祀ったところ波風がぴたりと治まり、工事が安寧に進んだと伝えられますが、その稲荷大神を「波除」と呼び祀っているのが、この「波除稲荷神社」なのです。
埋立で生まれた築地は稲荷大神のご加護のおかげとも言え、すぐ近くのある移転問題でゆれる築地市場の発展も、波除神社に見守られたおかげとも言えるかもしれません。
以来「災難を除き、波を乗り切る」厄除け・商売繁盛のご利益で人々の信を集め、大神に対して奉納された「龍・虎・獅子」を担いで回る「つきじ獅子祭」も有名です。
築地場外市場を横目に歩くと、正面に森とともに見える鳥居が入り口で、それほど広くない境内ですが、本社の他にも魚介の碑・塚や前述の青龍・白虎・獅子の大きなかしら、大神輿や蛤石など、見どころは多く楽しい神社です。
三が日にも初詣で賑わいますが、1月7日には5節句の内のひとつ「人日の節句」として「七草神事」の祭典が11時頃より行われ、神前に七草粥が供えられ、参拝客の祈祷が行なわれます。
その後に引き続いて「七草粥ふるまい」もあり、多くの方が七草粥をいただこうと詰めかけます。
振る舞われる七草粥も、神様にお供えするための特別な「御神餞田(ごしんせんでん)」という田んぼで稲作された米で作られた貴重なもの。先着で約100名ほどの粥が提供されます。
注意点が、ちょうど築地市場の仕事初めと重なって関係者が多数お参りに訪れるため、1時間ほどでなくなってしまうこと。特に今年は先行きが不透明な市場の関係者が多数訪れるかもしれないので、確実に召し上がりたければ、早めに行くことをおすすめします。
付近には大きな駐車場がありますが毎年混雑するので、電車利用が賢いアクセスです。ちなみに基本的には雨天決行です。
<基本情報>
場所:波除稲荷神社境内
住所:東京都中央区築地 6-20-37
TEL:03-3541-8451
時間:七草神事(粥ふるまい)11:00~12:00頃
※先着100名程度
※7日が祝・日の場合は6日開催
アクセス:営団日比谷線「築地」駅 徒歩7分
都営大江戸線 「築地市場」駅 徒歩5分
都営バス 「築地6丁目」徒歩3分
公式サイト:http://www.namiyoke.or.jp/index.html
愛宕神社の七草粥がふるまわれる七草火焚祭の詳細情報
「港区・愛宕神社」
港区の愛宕神社は、都内では最も高い標高26mの愛宕山の山頂にある神社です。
オフィス街にありながら、春夏秋冬で豊かな自然の表情を見せる都会のオアシスとも言える場所で、近くにはNHK放送博物館もあります。
1603年徳川家康により、防火の神様が祀られたのが始まりとされ、防火・防災など火にまつわるものや商売繁盛・縁結びにもご利益がある神社です。
85段の急勾配の階段は「出世の階段」と呼ばれ、登りきると仕事上のご利益があるとされています。初夏に行われる「ほうずき市」は浅草寺とともに有名で、発祥はこの愛宕神社と言われています。
初詣客でも賑わいますが、毎年7日には「七草火焚(ひた)き祭り」が行われます。
お焚きあげの神事で無病息災を祈祷し、新しい年の吉凶を占う「国見の舞」や、粥を作る際にまな板の上に七草をおいてすりこぎで叩く「七草叩き」の奏上「早乙女の神事」も披露されます。
祭りの最後には七草粥も振る舞われ、大いに賑わいます。
なお、周辺住民や付近のビジネスマンも訪れ、30分程度でお粥の振る舞いは終了してしまうので、確実にいただくには早めの到着が必須です
また、無料駐車場はありますが6台収納程度なので、公共交通機関でのアクセスが間違いありません。
<基本情報>
場所:愛宕神社境内
住所:東京都港区愛宕1-5-3
TEL:03-3431-0327
時間:七草火焚き祭り11:00~12:00頃
アクセス:東京メトロ日比谷線「神谷町駅」より徒歩5分
東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」より徒歩8分
都営三田線「御成門駅」より徒歩8分
JR「新橋駅」より徒歩20分
公式サイト:http://www.atago-jinja.com/
鷲神社の七草粥の詳細情報
「浅草・鷲神社(おおとりじんじゃ)」
「お酉さま」として親しまれ、商売繁盛の縁起物の熊手お守りを授かる「酉の市」で有名な浅草「鷲神社」は、お正月にも約10万人もの初詣客が訪れる人気の神社です。
天日鷲命(あめのひわしのみこと)や日本武尊(やまとたけるのみこと)を祭神として祀り、開運・授福・殖産・除災・商売繁昌・家内安全などのご利益を祈願できます。
近くには浅草寺もあり大変な人出がありますが、この鷲神社も「浅草名所七福神」や「東京下町八社福参り」の中の1社でもあるので、三が日は特に大勢の参拝客が詰めかけます。
今年(2017年)は酉年なので縁起がいいですが、干支の神社に行く方もいると聞くのでいつも以上に参拝客が多いかもしれませんね。
7日には毎年「餅つき大会&七草粥」が行われ、新しい年の無病息災を祈願します。
餅つきやフリーマーケット、大道芸披露もあり、楽しい祭事なので家族連れで楽しめるイベントも盛りだくさんで、10時半・12時半の2回「奉納神楽舞」も演じられるので、時間が合えば見物するといいでしょう。
先着500名には、炊き出しの七草粥やつきたてのお餅が無料で振る舞われます。午前10時の配布に合わせて多く人が行列を作るので、やはり早めに行って並ぶことをおすすめします。
付近には、他にも参拝神社や寺が多いので混み合いますし、駐車場は50台程度は用意されていますが満車の場合が多いので、少し離れたパーキングに停めるか、電車利用がおすすめです。
場合によってはパーク&ライド(離れた駅付近で駐車して電車で向かうアクセス)も賢い選択です。
尚、歩いて20分ほどにある「待乳山聖天(まつちやましょうでん)」では同日(11時~)に、ふろふき大根が振る舞われる「大根まつり」も行われているので、時間があれば足を伸ばしてみてください。※公式サイト:http://www.matsuchiyama.jp/
<基本情報>
場所:愛宕神社境内
住所:東京都台東区千束3-18-7
TEL:03-3876-0010
時間:新春餅つき大会&七草粥 10:00~15:00頃
※七草粥などの配布は先着500名程度
アクセス:地下鉄日比谷線 入谷駅下車 徒歩7分
つくばエクスプレス 浅草駅下車 徒歩8分
公式サイト:https://secure01.blue.shared-server.net/www.otorisama.or.jp/index.html/
まとめ
三が日も過ぎているとは言え、まだ松の内でもあり、今回紹介しました神社はいずれも人気の神社なので、やはり人出はある程度予想されます。
お正月から焦って行って何かあっても本末転倒になってしまいますので、もし行かれるのなら余裕を持って計画してくださいね。
おうちで食べるのもいいですが、神様のいる神社でいただく七草粥もご利益が期待できそうで、一味違うはず。もし本格的な七草粥が味わいたい方は、ぜひ出かけてみてください。
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