かゆみを感じて何気なくそこを見たら、皮膚一面が赤くなって盛り上がってるのを見て、驚くことがあります。
蕁麻疹と呼ばれるアレルギー症状ですが、それが花粉症の方なら、関連を心配してしまうでしょう。
では実際に、花粉症と蕁麻疹などの皮膚疾患は関係があるのか見てみましょう。
花粉症と蕁麻疹は関係ある?
いきなり皮膚に蕁麻疹が広がって、猛烈なかゆみに襲われたりすると「え、何?」と不安になりますよね。
まして花粉症でもお悩みの方なら、「この上、蕁麻疹まで出ちゃうの?」と心配になります。
蕁麻疹の原因になるものはたくさんあります。
ざっと数えても20種類以上と言われ、主には食物、ダニやホコリ、ペット、建材塗料とさまざま。
いずれも、アレルゲンに反応してヒスタミンが過剰に分泌してかゆみを起こしたり、皮膚を腫れさせたりするものです。
残念ながら、花粉もその原因のひとつに入ります。アレルギー体質の人は、原因もいくつか重なりあって症状が出てしまいやすいのです。
蕁麻疹体質の人は、花粉症や鼻炎・結膜炎・ぜんそく・アトピーになりやすく、逆も当てはまることが分かっています。
特に近年、これまで花粉症でメインだった鼻や眼の症状以外にも、皮膚トラブルが急増しているのです。
花粉症の方に伴う皮膚トラブルはいくつかありますが、主には以下の3つです。
1.花粉皮膚炎~顔や首に赤い発疹ができ、痒みも伴う。
2.アトピー皮膚炎~花粉皮膚炎を引き金にアトピーも併発し、身体にも炎症が広がる。
3.花粉蕁麻疹~ほかのアレルギー蕁麻疹と仕組みは同じで、花粉抗体の反応で起こる。
最近の研究で花粉症のメカニズムはだいぶ分かってきました。
その中で、特に注目されているのがアレルゲン物質が皮膚表面も入り口にしていたこと。
もともとのアレル体質以外でも、アレルゲンの皮膚からの侵入が、アレルギー疾患発症の引き金のひとつだったことが分かりました。
皮膚表面の炎症ではない蕁麻疹は、主に身体の中からの反応なので、花粉が直接肌に触れたためではありませんが、いずれにしても花粉症対策で肌の保護や保湿ケアの重要性が改めて叫ばれています。
では次に、花粉症時によくみられる蕁麻疹はどういうものかを見ていきましょう。
花粉症での蕁麻疹 治療や対策の食べ物は?
先程も触れたように蕁麻疹の原因はさまざまで、そのタイプもいろいろですが、花粉症に伴う蕁麻疹で多いのが、
「赤色描記症」
というタイプのものです。
一般的な蕁麻疹が、蚊に刺された跡のような膨らみが広がるのに対して、これは蚯蚓腫れのように腫れることが多いもの。
例えばかゆみを感じて、少し爪で掻いただけでも線状に赤くなり、病名の通り皮膚に字が描けたりします。
まだ原因ははっきりしていませんが、花粉症やアレルギー鼻炎・結膜炎を起こしている人に多く見られ、ヒスタミンが過剰な状態の肌に起こりやすい症例です。
しばらくすれば赤みは引いていくので、それほど心配はありませんが、温度変化や刺激、体調にも左右されるので、きっかけとなったことがないか注意してみて下さい。
なかなか、すぐに完治というわけにはいきませんが、主に抗アレルギー・ヒスタミン剤を内服する治療が症状の緩和に効果があるので、まずは受診をおすすめします。
また、ヒスタミン分泌を刺激する食物を避け、逆に抑える働きがある食材を積極的に取り入れるようにしましょう。
●ヒスタミン抑制食材(メチオニン ビタミンC・乳酸菌・カテキンなど)~ブロッコリー 小松菜 キャベツ いちご オレンジ レモン ぶどう 納豆 ヨーグルト お茶類
☓ヒスタミンが多い食材~チョコレート ココア コーヒー ほうれん草 なす サバ マグロ いわし サケ タラ サンマ アサリ イカ カニ エビ たこ 豚肉 サラミ そば サトイモ タケノコ トマト ワイン ビール 卵白
花粉症での蕁麻疹は怖い原因も!
花粉症の方で蕁麻疹が起きた際に、もう一つ注意すべき原因があります。
それが「花粉ー食物アレルギー症候群(PFAS)」と呼ばれるもの。
おもに果物が原因で、口の中や唇・舌に痒みや違和感が出るため「口腔アレルギー症候群(OAS)」とも呼ばれますが、蕁麻疹の症状が出ることがあります。
これは果物と花粉のアレルゲンの形が似ているために起こるもので、
・ハンノキ/シラカバ~リンゴ モモ さくらんぼ
・カモガヤ/ハルガヤ~メロン スイカ キウイ トマト オレンジ
・スギ/ヒノキ~メロン パイナップル マンゴー ナシ
などと症状が出やすい果物が決まっているのも特徴です。
「赤色描記症」のように単に蕁麻疹だけが症状の場合は、たいてい数時間で治まることが多く心配いりませんが、もし少しでも口の中に違和感も伴う場合は、重症化も考えられるので注意が必要です。
心当たりがあれば、食べたもので思い当たる果物や食物はしばらく摂らないようにして、受診すること。
原因が特定でき、抗アレルギー剤を内服することで症状を緩和することが可能な場合もあります。
コンポートや缶詰・ジャムなど加熱したものなら起きにくいと言われますが、それは分かってからの対処なので、まずは病院で検査してもらって下さい。
アナフィラキシー・ショックのリスクもあるので、このケースは軽くみて油断しないことが大事です。
まとめ
アレルギー体質の方は、アレルギー症状のデパートになってしまう可能性もあるので、本当につらいものです。
しかし蕁麻疹は、薬以外でもスナック・ジャンクフードや甘いものを控えたり、定期的に運動するなどでかなり抑えられると言われます。
地道な努力は即効性はありませんが、遠回りなようで確実な近道でもあるので、ぜひ少しずつ心がけてみてくださいね。
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