古都・京都は四季すべてが素晴らしい風景ですが、特に春の桜景色は秋の紅葉と並んで見逃せない風物詩です。
そこで、そんな思わずカメラを向けてしまう春容が溢れている京都へ、ぜひベストショットを撮りに出かけてみませんか?
今回は、そんな京都の東山区で、桜の穴場撮影スポットを紹介しましょう。
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地主神社の桜の撮影スポットは?
<地主神社(じしゅじんじゃ)>
出典:京都の桜写真
地主神社は、人の多さという意味では穴場とは言えないスポットであることを最初にお断りしておきます。
人気スポットとして説明のいらない清水寺の境内にあることと、縁結びの神社として女性に広く支持を集めているからです。そのため参拝客も多く、あまり広くない境内には特に若い女性で賑わっています。
しかし、いわゆる「恋の神社」として注目されがちなこの神社は、実は世界遺産でもあり、かつ桜の名所としても見逃せないスポットでもあるので、あえて紹介します。
祭神の大国主命は縁結びの神様で、その縁起はなんと日本国が建国前の神代と言われます。
近年の研究では、目を閉じて石の間を歩く恋愛成就の「恋占いの石」が縄文期のものであることが科学者により明らかにされるなど、古来より篤い信仰を集めてきたことが分かった古刹です。
社殿は、徳川家光が再建したもので、拝殿・天井の龍は狩野元信作のものです。
境内には、「恋占いの石」以外にも「恋占いおみくじ」や「恋愛願掛け絵馬」など、縁結びスポットたる人気のしかけがあり、前述の通り、清水寺の一部としてではありますが、1994年に世界遺産に登録されています。
そんな地主神社は、ソメイヨシノはもちろん、数種の八重桜(黄桜・妹背桜・朝日山など)が、時期を変えながら開花する桜の宝庫で、かの秀吉も花見の宴を開いた社です。
中でもここの名桜が「寺主桜」で、別名を「御車返しの桜」と称します。
皇室行幸の牛車を思わず引き返えさせた桜は、別記事でも紹介した常照皇寺などいくつかありますが、ここは嵯峨天皇の車を3度返させたもの。
4月中旬見頃の、一重八重を同時に付ける珍しい真っ白の桜で、ちょうど満開になる八重咲きの黄桜とともに、希少な桜をカメラに収められるでしょう。
歌謡「田村」「熊野」でも詠まれるほどの名桜でもあり、ちなみに地主神社の社紋はこの桜モチーフになっています。
今の地主桜は代替りをしており、桜守り・佐野藤右衛門氏の植樹によるものです。
そんな桜の名所では、例年開花に合わせた4月初旬に「えんむすび祈願さくら祭り」が開催されます。2017年は、4月10日(日)の10時から行われます。
桜の献花や謡曲奉納・献供詠唱などが雅な雰囲気に中で催されるので、予定が合えば是非ご覧下さい。
白川女との記念撮影や開運守りも授与されるので、おすすめです。
<基本情報>
住所:京都市東山区清水1-317
TEL:075-541-2097
拝観日:無休
拝観料:無料(ただし清水寺入山300円必要)
拝観時間:9:00~17:00
駐車場:なし
アクセス:市バス「五条坂」「清水道」下車 徒歩15分
見頃:3月下旬~4月上旬
サイト:http://www.jishujinja.or.jp/index.html
妙見堂の桜の撮影スポットは?
<妙見堂>
出典:京都桜photo
東山五条から、清水寺にも続く大谷道の途中に建つ「妙見堂」は、「鳥辺山妙見大菩薩」とも称される日蓮宗寺院です。当初は浄土宗でしたが、1721年日體上人により改宗しました。
鳥辺野・鳥辺山は、かつて化野や西院と並んで、京都では葬場地として知られたエリアで、今でも廟宇や墓地が点在します。
戦火により縁起が焼失したため、創建の詳細は分かっていませんが、現在の堂宇は江戸時代に建てられたもの。
見所の境内「絵馬堂」は、舞台造りになっており、以前は境内にあった小堀遠州の作庭を眺めるために作られたと伝えられます。
・訪問者はとても少ないので、静かに桜を眺めることができます。
・人も少ないので、ゆっくりと桜を楽しむことができます。静けさの中の美意識を感じられる場所です。
桜はソメイヨシノが3本ほどですが、満開時には境内がそれほど広くないので、花で一杯の印象になります。
満開時には、境内が桜の天蓋に覆われたかのように感じることでしょう。
前述の絵馬堂は清水の舞台のミニチュア版とでも言える雰囲気で、小高い境内からは京都市街が一望できるポイントでもあるます。
また、ここは知る人ぞ知る地域猫が集まる猫スポットとしても知られ、境内には猫の小さな墓碑まで見つけることができます。
混み合う清水寺観光で疲れた気分を、静かな桜や猫で癒しに立ち寄るのもいいかも知れません。
<基本情報>
住所:京都市東山区五条橋東6-522
TEL:075-561-1859
拝観日:境内自由
拝観料:無料
拝観時間:境内自由
駐車場:なし
アクセス:京阪電車「清水五条駅」下車 徒歩約16分
京都市バス「五条坂」下車 徒歩8分
見頃:4月上旬~4月中旬
安祥院の桜の撮影スポットは?
<安祥院>
出典:京都の桜写真
やはり、清水寺に向かう五条坂の途中にあり、山門の赤い提灯が目印の寺院です。
阿弥陀如来を本尊とする浄土宗寺院の安祥院は、現在は南区に位置する乙訓郡で、尊意僧正が創建した天台宗寺院が始まりとされます。
その後、衰退や再建を経て、この地に再興され、今に至ります。
日を限って(日数を決めて)願い事をすると必ず叶うとされる「日限地蔵尊」が堂に安置されているため、「日限さん(ひぎりさん)」と呼ばれ親しまれており、通常は非公開ですが諸願成就や無病息災を祈願する参拝客がよく訪れます。
清水寺に急ぐ参拝客も、帰り道で疲れた参拝客も、ともに足を止めない場所にあり、混雑エリアにぽっかり開いた穴場といえるでしょう。
・五条坂は大混雑なのにこちらは静かで別世界のようでした。人ごみに疲れた人は立ち寄ってみるといいと思いますよ。
そのこじんまりとした境内の地蔵堂前には、太さも見事な樹齢150年を数える山桜があり、存在感を示しています。
低い位置で枝を伸ばしているので、門をくぐった瞬間に、桜の天蓋の下に身をおいたように感じるほどです。
京都市の保存樹にもなっている名木で、厳密にはヤマザクラとオオシマザクラの自然交配種でとても珍しい樹です。
青空を背景に見上げるショットはセオリーかもしれませんが、案外、境内からこの名桜や山門越しに、五条坂の喧騒を撮ってみるのも、面白い構図かもしれませんね。
妙見堂と同じく、混み合う清水寺観光で疲れた気分を、この静かな山桜の境内で癒やすにもいいかも知れません。
<基本情報>
住所:京都市東山区五条通東大路東入遊行前町560
TEL:075-561-0655
拝観日:
拝観料:境内自由
拝観時間:8:00~17:00
駐車場:なし
アクセス:市バス「五条坂」下車、徒歩5分
見頃:4月上旬~4月中旬
まとめ
京都、東山区は言わずと知れた祇園や三条の賑やかな観光エリアも抱えつつ、山間部は開発が行われておらず、東山の麓には有名な東福寺をはじめとし大きな寺社が多い地域です。
清水寺や高台寺など観光スポットも多く混雑するエリアでもありますが、そのため脇道に入ると思わぬ隠れスポットがあッたりもします。
今回はそんな東山区の3箇所をピックアップしましたが、まだまだ撮影スポットはたくさんあるので、ぜひ別記事も参考に訪れてみてください!
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