京都 桜の名所|中京区・南区・伏見区編|木屋町通り・東寺・醍醐寺

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古都・京都は四季すべてが美しい風景ですが、特に春の桜景色は秋の紅葉と並んで見逃せない風物詩です。

そんな京都で、穴場を探してゆったりと桜を鑑賞するのも楽しみのひとつですが、やはり混雑を覚悟してでも行ってみたい名所もはずせません。

そこで、京都の桜名所で定番とも言える観光スポットを、その見どころや見頃とともに紹介しましょう。


※左上(表題の頭)の→□ボタンでガイドエリアを表示させ、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。(スマホでは横回転させると見やすいです)

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木屋町通り・高瀬川の桜の見どころや見頃は?

<木屋町通り・高瀬川>

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出典:京都の桜写真

二条の東、木屋町あたりから十条にかけて流れる高瀬川は、かつて伏見との資材運搬のために角倉了以父子が、鴨川の支流から取水して造った運河です。

水深は数十センチ程度の運河のため、船底が平らな「高瀬舟」という舟が用いられ、これが運河名にもなりました。

今では十条付近の鴨川でその先と分断され、下流側を東高瀬川(新高瀬川)と呼びます。
かつては京の工芸品を伏見から大阪へ、逆に木材、炭、米、塩などを京に運び、例えば「木屋町」の地名などにも、木材集積場の名残が残っています。(「樵木町」「材木町」もあります)

森鴎外「高瀬舟」では、弟の自死を手伝って罪人になった男を、大阪に護送する交通手段としても描かれています。

その後、琵琶湖疏水の整備もあって輸送量が減少し、大正9年には運搬が廃止されました。

荷揚げや舟の方向転換のための「舟入」は9箇所設けられましたが、現在は「一乃舟入」を残すのみで、ここは国の史跡にもなっています。

この高瀬川の川畔には、木屋町などの歓楽街の通りが続き、春には植樹された沢山の種類の桜が道行く人を癒やす名所になっています。

また坂本龍馬らの幕末の浪士の旧跡も点在し、歴史ファンを引きつけるスポットでもあります。

多くの人で賑わうスポットですが、鴨川を挟んで東側に清水寺など観光要所を抱える東山エリアがあるので、意外にも混雑が穏やかな穴場と言えるかもしれません。

・桜の時期に行きましたが、祇園白川ほどは混んでおらず、夜に行くとライトアップされた桜と宵町の賑わいを堪能できます。

・歩いてのんびり歩くことも、車で通りぬけることもできます。春は、高瀬川と桜並木の風景を楽しむことができます。

・高瀬川がせせらぎ、寄り添うように桜の木々が並んでいて、開花時期にライトアップされた桜は、祇園白川に負けない風情のある風景となります。

桜鑑賞ポイントのひとつは、やはり「一乃舟入」の景色です。
川底の石畳がきれいに透ける水面に、米俵や酒樽を積んだ高瀬舟が浮かぶ様子は、歴史を孕んだ何とも言えない風情があり、かかる桜も艶を添えます。

ここでは4月上旬からソメイヨシノが咲き始め、中旬からは八重桜が後を追います。

また、木屋町の四条から五条にかけての約1kmの川沿いには、200本以上のソメイヨシノが運河にかかるように咲き乱れ、繁華街に春の風情を加えます。

特に川底の浅い運河のせせらぎは、疎水とは違った静かな印象があり、京の町の艶やかさのマッチして癒やされます。

3月下旬から4月上旬頃には、桜の開花に合わせてライトアップもされるので、高瀬川の夜桜も見逃せません。

情緒ある町並みにほんわりした灯りが京都らしい雰囲気を醸す通りになるので、ぜひ日の落ちた木屋町の夜桜も味わってみて下さい。

<高瀬川四条・桜ライトアップ>
場 所:高瀬川四条(木屋町四条~松原)
期 間:3月下旬~4月上旬(予定・桜の開花にあわせて)
時間:日没~21時

<基本情報>
住所:京都市中京区木屋町通二条下ル一之船入町
TEL:075-351-5532(木屋町会事務局)
見学日・時間:自由
見学料:無料
駐車場:なし
アクセス:市営地下鉄東西線「三条京阪」「京都市役所前」下車徒歩約10分
     京阪電車「三条」下車 徒歩約10分
     市バス「河原町二条」下車 徒歩約6分
見頃:4月上旬~4月中旬
サイト:http://www.simokiyamati.com/(木屋町会HP)

東寺の桜の見どころや見頃は?

<東寺 教王護国寺>

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出典:京都の桜写真

京都のシンボル風景として誰もが思い浮かべる五重塔がある東寺は、世界文化遺産の寺としても有名です。「東寺」は通称で、正式には「教王護国寺」が寺号です。

平安遷都の際に、かつて朱雀大路にあった羅城門の東西に「西寺」とともに8世紀に建てられた官立寺院で、823年に空海が嵯峨天皇から賜ったのが始まりの真言密教の根本道場です。

衰退や火災焼失がありましたが、豊臣・徳川の助力で金堂や五重塔など再建され、今に至ります。

木造塔で国内最高55mの五重塔は言うに及ばず、最古の密教彫刻の講堂や金堂など見どころは多く、国宝80点、重要文化財2万点がこの寺に収蔵されています。

ただ、観光名所で認知されていても、醍醐寺や二条城といったスポットほど、桜の名所というイメージがないのも事実でしょう。

人気の場所ですから通年に渡って人は多く、アクセスや入場時は苦労しますが、境内に入ってしまえばその広さからごった返すというほどではなく、落ちついて見学できるはずです。

・これほど桜の沢山植わっている境内だとは思ってもいませんでした。観光客もたくさん訪れていますが、境内がひろいので、さほど混みあう感じはしませんでした。入ってすぐにある枝垂桜がとても大きくて、圧巻でした。

・混みあってあてはいても境内が広いのでゆったり散策できます。ライトアップされた妖艶な不二桜と塔は素晴らしい♪

名所としての認知度が低いのが信じられないほど、東寺は桜の宝庫です。
200本ある本数もですが、何より品種がバランス良く揃っているので、シーズンを通して桜を愛でることができる寺院です。

早ければ2月下旬からほころび始め3月中旬に見頃を迎える「河津桜」を皮切りに、4月に入るとソメイヨシノ、中旬には八重紅枝垂桜が満開を迎えます。

寒緋桜と大島桜の交配種である河津桜は、主に大日堂付近で見ることができます。早い時期に訪れた方は、伊豆河津町発祥のこの早咲き桜を目当てにするといいでしょう。

東寺の名物桜として誰もが認めるのが、八重紅枝垂の「不二桜」です。
この「京都の三つ星桜」は空海の「不二の教え」から名付けられたもので、その高さは13mに及びます。

快晴の青空のもと五重塔をバックに置いた不二桜は、これぞ古都・京都の真骨頂と言える情景を堪能できるはず。

背の低い枝垂が多い中で、不二桜の樹高も手伝い、市中なので下手に山並みもなく、空が広い多重塔の桜景色は、シンプルで鮮烈な印象を感じさせます。

毎年の春には「東寺 夜桜ライトアップ~不二桜に祈りを込めて~」と題し、五重塔と枝垂桜がライトアップされるので、ぜひご覧ください。

灯りに浮かび上がる五重塔の前の不二桜は、妖艶とも言える色気に溢れる佇まいを見せ必見ですので、だんぜんおすすめです。

<夜の特別公開 東寺 夜桜ライトアップ>
期間:2016年3月18日(金)~4月17日(日)
時間:18:30~22:00
※2016年情報 2017年は未定

<基本情報>
住所:京都市南区九条町1
TEL:075-691-3325
拝観日:無休
拝観料:500円(境内自由)
拝観時間:3月20日~9月19日 8:30~17:30
     9月20日~3月19日 8:30~16:30
駐車場:あり(有料)
アクセス:JR「京都」駅下車 徒歩約15分
見頃:3月下旬~4月中旬
サイト:http://www.toji.or.jp/


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醍醐寺の桜の見所や見頃は?

<醍醐寺>

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出典:京都の桜写真

874年に聖宝大師が醍醐山に草庵したのが始まりの真言宗の総本山寺院で、951年に醍醐天皇の冥福を祈って建立された五重塔などを有する、世界遺産でもあります。

醍醐山(衣笠山)の東山上と西麓をそれぞれ「上醍醐」「下醍醐」と呼び、その全域を広大な寺領としています。応仁の乱で、下醍醐は一時荒廃しましたが、秀吉の手で再建され今に至ります。

五重塔を始め、醍醐寺の中心とも言える国宝の金堂や本尊「薬師如来像」、また桃山文化の宝庫「三宝院」など見どころも豊富で、上醍醐までは行けば山道を1時間もかかる大観光寺院です。

秀吉がここで贅を尽くした「醍醐の花見」を催したことはあまりに有名で、京都屈指の桜名所であることはご存知のとおりですが、そのため春には人で溢れるスポットでもあります。

それでも京都市最大の広大な寺域に足を踏み入れれば、自分のペースで回ることも可能なスポットです。

・凄く混みあいますが、見る価値あります

・枝垂れ桜、ソメイヨシノ見事な桜が境内のあちこちに見られました。人はすごく多かったですが、それにも負けない桜の木々は本当に見事でした。

・桜は何とも見事でした。ぜんざいもいただき、人ごみのなかですが、素晴らしい花見ができました。

境内にはこれでもかというほどの、枝垂を中心とした桜が植えられています。その数は、なんと1000本にも及び、200万㎡の境内を埋め尽くして咲き乱れます。

醍醐寺の桜は、主に総門をくぐってすぐの「三宝院」周辺がメイン舞台となります。

三宝院の土塀前に立つ、日本画家「奥村土牛(おくむら・とぎゅう)」が作品にした枝垂「土牛桜」や、そのクローン化に世界で初めて成功した「太閤千代枝垂」など、花見の見どころポイントも豊富なエリアです。

また、醍醐寺の見事な桜の中でも、ひときわ存在感を見せるのが霊宝館に咲く紅枝垂れ桜です。京都に紅枝垂れの名木はたくさんありますが、ここまで枝を伸ばし巨大な樹冠を作る桜は、ここでしか見れないはず。
またここの庭には、京都で最古と言われるソメイヨシノも見ることができます。

もちろん下醍醐にある、金堂や五重塔、清瀧宮の周囲も桜が艶やかに彩りを加えて、境内で物足りないと感じるエリアは皆無でしょう。

なお、醍醐寺では秀吉の「醍醐の花見」にならって、毎年4月の第2日曜日に「豊太閤花見行列」が開催されます。

慶長3年の秀吉の花見を再現し、花見行列や舞楽奉納なども行われ、境内はさらに華やかなムードに包まれますので、予定が合えばぜひ楽しんでみて下さい。

<太閤花見行列>
日にち:2017年4月9日(日)
時間:13:00~15:00(行列)
※予定

拝観は施設ごとに拝観料が必要なため少し高いという評判もありますが、花見目的でしたらお金はかかりません。
もし、頑張ってできるだけ見ようという方には、共通券(1,000円)をおすすめします。(上醍醐は入山料が必要)

もし、上醍醐を目指すなら、前述の通り1時間は登りを行くため、靴や服装は動きやすいものが必須です。

<基本情報>
住所:京都市伏見区醍醐東大路町22
TEL:075-571-0002
拝観日:無休
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:境内は無料/三宝院庭園・殿舎/霊宝館/伽藍はそれぞれ一般600円(共通券あり)
駐車場:あり(有料)
アクセス:市営地下鉄 醍醐駅下車
     京阪バス 醍醐三宝院バス停
見頃:3月下旬~4月上旬
サイト:https://www.daigoji.or.jp/index.html
※TOP画像も醍醐寺の風景:出典PHOTOGRAPH.PRO

まとめ

京都屈指の桜の名所と言っても、これほど個性や趣が違うスポットが目白押しなところも、京都の魅力でしょう。

「京都を作った運河」「古都京都の原風景」「京都の花見発祥」と、それぞれが京都を語るのに欠かせない景色ばかりです。

そんな価値ある桜風景を、ぜひご自身の目で確かめに訪れてみてはいかがですか?

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