京都の紅葉はどこへ行っても素晴らしいところばかりですが「人混みで高揚した赤い顔を見に行ったようなもの」などという、笑い話のようなことになりかねないスポットもあります。
せっかく情緒あふれる景観を期待していったのに残念なことになるのもしばしばです。
でも、もしあなたが京都らしい紅葉体験はしたいけれど有名度や人気にはこだわらないというのであれば、スポットが沢山ある京都は穴場も意外に豊富です。
今回は、そんなスポットを西京区でピックアップしてみましょう!
京都で紅葉の穴場 十輪寺とは?
山科区と同時に誕生した西京区は、京都では新しい区のひとつです。「にしきょうく」と読み、渡来した秦氏一族が居住していた地域で、桂離宮や西芳寺(苔寺)などが有名です。
山の斜面や麓に古い寺社が多く、京都市から離れているため観光客が足を向けにくいエリアでもあります。
今回はそんな西京区での、どちらかというとハイキング目的がピッタリの紅葉穴場スポットを紹介します。
※右上の□ボタンで拡大してご覧下さい。その際、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。
<十輪寺>
住所:京都市西京区大原野小塩町481
TEL:075-331-0154
拝観日:無休(行事以外)
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:一般400円
駐車場:あり(無料)
アクセス:阪急電車「東向日」駅・JR「向日町」駅下車
阪急バス「小塩」下車 徒歩すぐ
見頃:11月下旬から12月上旬
サイト:http://narihiratera.seesaa.net/
850年文徳天皇が皇后の安産祈願のため地蔵を安置したのが始まりの、天台宗の古刹です。
36歌仙の一人で有名な在原業平(ありわらのなりひら)が晩年閉居された寺で、「なりひら寺」とも呼ばれています。これも紅葉穴場として紹介しました「大原野神社」に清和天皇后の高子が参詣したとき、叶わぬ恋心を抱いていた業平が、こ塩釜で紫煙を上げて思いを伝えたといわれているのがこの十輪寺です。
毎年、11月23日には、塩釜の跡の前で「塩竈清祭」(しおがまきよめさい)が行われ、業平を偲ぶ法要が行われ、参拝者も参加できるので紅葉見物も兼ねて足を運ぶ方もいます。
「なりひら桜」とも呼ばれる枝垂桜でも評判ですが、京都を良く知っている人が紅葉の隠れ名所として名前を挙げる寺でもあり、その理由がなんと言っても「業平紅葉」と呼ばれる楓です。
・境内は人が少なく、コミコミ紅葉スポットが嫌という人にはなかなかお勧めです。
・静かな境内の紅葉を、静かに楽しみました。
仏があまねく満ちる宇宙を感ずる意の「三方普感(さんぽうふかん)の庭」でその楓やモミジが観賞できます。面白いのが三法普感とは「高廊下・茶室・業平御殿」の三か所から見渡せる庭という意味でもありますが、「立つ・座る・寝る」も指し、ここでは寝転がって観ても注意されないこと。もし服装が許すならめったにできない経験なので、おすすめです。
決して大きな寺社ではなく紅葉も沢山あるわけではありませんが、業平の想いを現すかのような真っ赤に燃える紅葉が京都通に名所と言わしめるのでしょう。
境内には、この寺のご神木で菩薩の神力で一夜にして大樹になったという言い伝えがある樟(くすのき)も聳えます。
また、本堂の鳳輦(ほうれん)型と呼ばれる屋根はカーブが神輿のように特徴的で、文化財にも指定されているので、忘れず目にしておいて下さい。
このお寺の前の道を登っていくと、次に紹介する善峯寺に行くことができます。
京都で紅葉の穴場 善峯寺とは?
<善峯寺(よしみねでら)>
住所:京都市西京区大原野小塩町1372
TEL:075-331-0020
拝観日:不定休
拝観時間:9:00~16:45
拝観料:大人 500円/高校生 300円/小・中学生 200円
駐車場:ある(有料)
アクセス:阪急電車「東向日」駅・JR「向日町」駅下車
阪急バス「善峯寺」下車 徒歩約8分
見頃:11月中旬~12月上旬
サイト:http://www.yoshiminedera.com/
1029年に源算上人によって開かれた天台宗の古い山寺です。応仁の乱で大半が焼失しましたが、江戸の世に綱吉の生母、桂昌院などの手により復興され今に至っています。
紅葉だけでなく、桜や紫陽花、青もみじと四季を通じて評判のスポットでもあります。
有名な鉄道会社のCMでも取り上げられましたが、境内が3万坪と広大で行くのに時間がかかることもあり、依然としてそれほどひどく混まないスポットです。
・紅葉の頃も激混みの京都中心部のお寺と異なり比較的空いていますので京都の紅葉はすでに何度か見ている方にお勧めです。
・京都の紅葉といえばどこも混雑しているが、ここ善峰寺は休日でも混雑しておらず、ゆっくりと紅葉を楽しめる。
京都市内や比叡山も一望できる山腹に広がる紅葉は境内内外を問わずあちらこちらで彩りを競い、その光景は京都でも屈指の美しさです。
天然記念物の龍が遊んでいるように枝を広げる樹齢600年の「遊龍の松」との競演も凄みがあり、山寺ならではの壮大な風景は必見です。
1周30分程度かかる広い回遊式庭園で見られる紅葉も見逃せず、山寺ならではの立体的な紅葉の眺めには思わずカメラを向けたくなる魅力にあふれています。
尚、次に紹介する「金蔵寺」には自然歩道で向かえますが山道を50分程度かかるので、くれぐれも無理はしないようにしてくださいね。
京都で紅葉の穴場 金蔵寺とは?
<金蔵寺(こんぞうじ)>
住所:京都市西京区大原野石作町1639
TEL:075-331-0023
拝観日:無休
拝観時間:8:00~17:00
拝観料:200円~(志納)
駐車場:あり(無料)
アクセス:阪急電車「東向日」駅・JR「向日町」駅下車
阪急バス「「南春日町」」下車 徒歩60分
見頃:11月中旬~12月上旬
吉峯寺同様、小塩山の中腹に位置する山寺で718年開創の天台宗派の古刹です。
平安京遷都の際、見晴台から京都市街ととともに見える比叡山と同様、都の四方を鎮護するために経典が埋められたとされます。
車で行くにも道も細く、最寄のバス停から50分山道を歩かなければいけないなどアクセスが悪いことから、近年少しづつ人が増えていますが、それでもストレスを感じるほど混みあわない名所です。。
・紅葉の時期はどこも混雑する京都に於いては貴重な落ち着いて紅葉を楽しめるお寺です。
山寺での紅葉の魅力は、なんと言っても垂直方向に色が重なってグラデーションを作る景観です。
山腹の急勾配の石段を登るとある境内の伽藍は山の傾斜に張り付くように並び、それを覆い尽くすように繁る紅葉は山寺でないと味わえない見事なもの。
特に仁王門をくぐった先の石段や開山堂と呼ばれるお堂あたりの葉の密度は圧巻で、京都ならではの方丈と紅葉の溶け合った風景が堪能できます。また、黄色に色づく見事な大銀杏もあるので見つけてみて下さい。
石段も散り紅葉で装飾されるので、撮影ポイントとしては絶好のアングルが期待できます。
訪れる人をため息とともに時間を忘れさせるこの山寺の紅葉は、アクセスが少々悪くとも一見の価値は必ずあります。見頃情報に注意しながら、是非足を向けてみてください。
お寺には柚子や柿や野菜などの無人販売があります。荷物でなければ、干し柿などで疲れた体に自然の甘味を補給するといいでしょう。
まとめ
今回おすすめの穴場スポットは、距離的にも離れていないので、散策コースとして廻るのがおすすめです。
ハイキングのイメージでそれなりの格好で廻ると、秋の気持ちいい陽気の中でちょうどいい紅葉狩りが楽しめるでしょう!
もちろん体力に自信がなければ無理しないように!
⇒西京区の他の紅葉穴場スポット
「京都の紅葉で西京区の穴場を厳選!勝持寺・大原野神社・地蔵院!」
「京都の紅葉で西京区の穴場を厳選③!正法寺・法輪寺・千光寺!」
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