鉄道会社のCM紹介により、特にぐっと訪れる人が急増した紅葉シーズンの京都。確かのあの映像はあまたの人の心に、紅葉の鮮烈な魅力を焼き付けました。
当然紹介スポットは混みあう形になってしまいましたが、京都にはまだまだ、定番スポットに劣らない知られざる名所が多数あります。
今回はそんな中で、東山区にある紅葉の隠れ名所を紹介しましょう!
京都で紅葉の穴場 清閑寺とは?
京都、東山区は言わずと知れた祇園や三条の賑やかな観光エリアも抱えつつ、山間部は開発が行われておらず、東山の麓には有名な東福寺をはじめとし大きな寺社が多い地域です。
清水寺や高台寺など観光スポットも多く、混雑するエリアでもありますが、そのため脇道に入ると思わぬ隠れスポットがあったりもします。
そんな中から、見逃しては後悔しそうな名所中の名所を厳選して紹介しましょう!
※左上(表題の頭)の→□ボタンでガイドエリアを表示させ、目的の地区にチェックを入れながら参照ください。(スマホでは横回転させると見やすいです)
<清閑寺>
住所:京都府京都市東山区清閑寺歌ノ中山町3
TEL:075-561-7292
拝観日:不定休
拝観時間:8:00~16:00
拝観料:志納金(300円~)
駐車場:あり(少なめ)
アクセス:京阪バス「清閑寺山ノ内町」下車徒歩5分
見頃:11月中旬~下旬
「これやこの 行くも帰るも 別れては
知るも知らぬも 逢坂(あふさか)の関」
これがあの、京から行く人も帰る人も
知り合いも他人も 出会っては別れを繰り返す
逢坂の関なのだなあ
と百人一首で歌われた「逢坂の関」がある、その名の通り清らかで閑(しずか)なお寺です。実は清水寺の境内からもすぐ行ける紅葉の穴場なのです。
・清水寺の音羽の滝の道をまっすぐ進みます。観光客は皆坂を下るので、すぐに人混みとはさようならです。
・実際に来る人はほとんど居ません。清水寺から道が続いているのですが、大抵の人は清水寺の参拝順路に従って清閑寺とは反対の音羽の滝方面に向かってしまうのです。
802年に天台宗派の寺として創建され、応仁の乱で焼失後再興され、平家物語の悲恋の小督(ごこう)の局が平清盛に出家させられたのもここです。
参道からは紅葉が目にできますし本堂や鐘楼堂周辺も彩りで飾られ、苔の緑とのコントラストも美しい眺めがゆったりとして気持ちがいい風景です。また小督の局のお相手の高倉天皇陵あたりもすべて清閑寺もみじが植わっています。
「清閑寺もみじ」と称される紅葉は、穴場とは思えぬ繊細な情景を見せてくれます。京都のもみじは、葉の大きなカエデ科にあって東日本の大味な紅葉に比べ小ぶりで、その繊細さが寺社を背景に映えるのが大きな特徴と言えます。
清閑寺もみじもその中でも特に小さく、職人の精緻な技のように景観を演出してくれます。
そこをを要(かなめ)にして扇を広げたように見える「要石」から眺める京都の一望は一見の価値ありで、京都タワーも一際大きく見ることができます。
この要石は、今人気のパワーストーン的な願掛けのご利益があります。ひとつだけですが願いをしてみると叶うかもしれませんよ。
レビューでもあるとおり、清水寺で人混みづかれしたストレスを癒しに訪れるのに絶好の名所と言えそうです。
京都で紅葉の穴場 圓徳院とは?
<圓徳院 (えんとくいん)>
住所:京都府京都市東山区高台寺下河原町530
TEL:075-525-0101
拝観日:無休
拝観時間:10:00~17:00
拝観料:大人 500円・中高生 200円
3ケ所共通割引拝観券 900円(高台寺、掌美術館、圓徳院)
駐車場:なし(高台寺にあり)
アクセス:JR祇園四条駅下車 徒歩約10分
見頃:11月中旬~12月上旬
サイト:http://www.kodaiji.com/entoku-in/idx.shtml
ライトアップ期間:平成28年10月21日(金)~12月11日(日)
※12月9日(金)・10日(土)は拝観休止
ライトアップ期間:日没~21:30
何といっても目の前に超定番スポットの「高台寺」がある寺で、高台寺の塔頭(支寺)にあたります。
豊臣秀吉の妻・北政所ねねが建立し終焉の地としても知られ、同じくねねが建立した高台寺とともにゆかりが深い寺と言えます。
アメックスラウンジが中にあり、アメリカン・エキスプレスカードを持っていると拝観が無料で、お茶やお菓子もいただけるという珍しいお寺で、お得感があるので持っている方は忘れず提示してください。
高台寺同様ここも夜間はライトアップされますが、拝観は共通券ということを覚えておくといいかも知れません。土日ともなれば長蛇の列の高台寺でなく、圓徳院の窓口でならはるかに早く買えるからです。
すぐそばの高台寺の喧騒さが嘘のようなこの圓徳院は、高台寺に訪れたら必ずセットで予定すべき穴場でしょう。
・高台寺では人が多いので少し疲れますが、ここは落ち着きます。
・高台寺ほど人が多くなくまばらでじっくりと見て回ることができました。
・シーズンともなると、有名なお寺は すさまじい行列となりますが、こんなに素敵な場所にもかかわらず 比較的ここは入りやすかったです。
紅葉の見どころは、なんと言っても北と南にある2箇所の庭園でしょう。
特に北庭は伏見城でねねが暮らしていた建物と庭をそっくり移築したもので、その池泉回遊式枯山水は桃山文化の艶やかさが感じられ、南庭の白砂の気持ちいいシンプルさとは対照的です。
各々の庭が真っ赤な葉で彩られる様は必見で、日中も見事ですができれば観てほしいのが日が落ちてからです。
庭は秋のシーズンにライトアップされ、紅葉とともに浮かび上がる様は高台寺のプロジェクションマッピングなどの派手な演出とは違い、しっとりと落ちついた風情があるのでおすすめです。
北庭では灰白色の石組みが灯りに浮かび上がった上から真紅の葉がかぶさり、また南庭では白砂に引かれた線の陰影の上で彩りが鮮烈に映えます。
ちなみの共通券で入れる「掌美術館」はついでに観ておこうというレベルではない楽しさがあります。高台寺の美術工芸品が収蔵展示されているところですが、やはりねねや秀吉にゆかりのものなので豪華さがひときわ違うのでしょう。
京都で紅葉の穴場 長楽寺とは?
<長楽寺>
住所:京都市東山区円山町626
TEL:075-561-0589
拝観日:木曜定休
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:大人500円 小人200円
駐車場:なし
アクセス:祇園四条駅下車 徒歩15分
見頃:11月中旬~下旬
サイト:http://www.age.ne.jp/x/chouraku/
東山の賑わいにある祇園町から少し行った円山公園奥に、静かにたたずむ長楽寺があります。
「時雨をいとうから傘の
ぬれてもみじの長楽寺」
頼山陽「京の四季」より
時宗派のお寺で、古くから文人墨客にその風情を愛され数々の歌にも歌われてきた長楽寺は四季の美しさに秀で、特に秋の時期は紅葉の隠れ名所として名が知れています。
・丘の上のベンチに座ると目の前いっぱいに紅葉が広がります。もったいないことに、ここまで来る人は少なく穴場です
・京都 紅葉だと東福寺 清水寺 南禅寺 永観堂と人ごみの多さばかり 疲れてしょうがないと思う所 少し離れるだけで良い所があるこの長楽寺と青蓮門跡だ
境内へと繋がる参道は濃い赤色に染まった楓が連なり、本堂周辺の紅葉も見事に色づきます。
またなんと言っても相阿弥が設計した庭園に広がる紅葉は、文人が愛したのも「さもありなん」と思われるほど趣き深い情景です。山門からの石段に敷かれる散り紅葉も時期が合えば、絶好の撮影スポットでしょう。
11月23日には、毎年「扇祈願会」「長楽寺もみじ祭」が恒例開催されるのでタイミングが合えばより楽しめるでしょう。(今年の日程は未定)
実は長楽寺は5分程度離れた市街地に宿坊「遊行庵」を持っており、施設はお寺という感じではありませんが泊まって心静かに写経も体験することができます。住職の奥さん手作りの優しい朝食もいただけるとのことで、女子旅にもうってつけでしょう。興味ある方は必ず電話(075-532-2770)で問合せしてみてください。
⇒詳細はhttp://www.kyo-yado.com/yugyo-an/top.html
まとめ
定番スポットの派手さや喧騒と対照的な空間が、そのすぐ間近に存在するのは不思議な気すらしますよね。しかも、そこには必ず積み重ねてきた芸術や人の葛藤の歴史ロマンがあり、単なる紅葉のきれいさ以上の楽しみも味わえます。
東山の賑わいの最たる清水寺や高台寺など必ず見物客が足を向けるそのそばの、こんな味わい深い紅葉名所を訪れることができるのも京都観光の最高の魅力でしょう。
⇒東山区での他の紅葉穴場スポット「京都の紅葉で東山区の穴場を厳選!泉涌寺・今熊野観音寺・光明院!」
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