授乳中のお母さんはいろいろ注意することが多くて大変ですが、口にするものも制限があり苦労します。それでも食材そのものでしたら避ければ済みますが、調味料類がNGなのは本当に困ります。
母乳の出のためにも体を温めることを勧められますが、ではそんな制限の中でどんな工夫をすればいいのでしょうか?
冬を迎えるこの時期、授乳中でも安心の体が温まる食べものやレシピを紹介します。
授乳中のアルコールに注意した体温めるレシピは?
お母さんの血液からできる母乳は、口にしたものがすぐに影響します。
その中でも、料理にもよく使うので注意が必要なのが「アルコール」「砂糖」「油」の3つでしょう。
ひとくちに影響といっても、赤ちゃんに影響するものと母親に対して悪いものがあります。
まずアルコールについてですが、お酒を飲むと血中アルコールの量は増加しますが、すぐに母乳にも移行します。その割合はなんと血中濃度の95%にも及びます。
アルコールは基本的に体に負担がかかるものですが、子どもは特にアルコールに対する処理能力が未成熟なので少量でも中毒の危険性があります。そのため脳も腎臓も悪影響を受けやすいので避けるべきです。
またアルコールのホルモン分泌への影響で母乳自体の生産量も減ってしまうことがわかっています。
そういう意味で、アルコールは母子ともに対して悪いものと言えるでしょう。
もちろん授乳中のお母さんは飲酒は控えると思いますが、困るのが料理酒はもちろんその他の調味料にもアルコールが含まれること。みりんやみそ・醤油・ソースなどあらゆるものに含まれています。
ただ調味材料中のアルコールの含有量は1%未満のものがほとんどですし、メタノールの沸点が78℃なことを考えれば料理中に蒸発してしまうのであまり心配しなくても大丈夫です。
ただ注意が必要なのはドレッシング。含有量が4~5%のものも売られており、しかもそのまま口に入るものなので気をつけて下さい。後述するオイル分の摂り過ぎも心配です。
そもそも体を冷やす生野菜を避ければドレッシングもそう使わないでしょうから、もしどうしても好きな方は手間がかかっても手作りで用意するのが安心です。
そこで、血液をさらさらにして乳腺症を予防するだけでなく、体を温める効果もある玉ねぎを使ったドレッシングレシピを紹介します。
<母乳さらさらドレッシング>
材料
・玉ねぎ1/2個
・トマト1/2個
・おろしにんにく小さじ1/2
・塩10g
・こしょう少々
・オリーブオイル30g
・酢50g
<作り方>
①玉ねぎは皮をむき、1~2cm角に切り、10分程度放置する
※玉ねぎは切ってからしばらく置くと血液をさらさらにするアリシンが増えるのため
②トマトも同じく1~2cm角に切る
③ミキサーに切ったものを入れ、ドレッシング上になるまで混ぜる
④さらに調味料も加え30秒程度混ぜる
玉ねぎに加え、トマトも血液を健康的に保つ食材なのでお勧めです。ペースト状に近いドレッシングなので温野菜にかけてもOKです。
授乳中の油に注意した体温めるレシピは?
アルコールが母子ともに良くないのに対して、母親にとって悪い影響があるのが「砂糖」や「油」です。
血液を健康に保つことは母乳の質を良くすることは先ほど少し触れましたが、逆に血液がどろどろになると母乳も粘り気が出て乳腺を詰まらせ乳腺症を引き起こします。
その犯人になるのがまさに糖分と油分で、普段ならともかく授乳中はすぐに母乳に影響が現れるので気を使う必要があります。
このうち油分に関しては、脂っこい食事を気をつけるのはもちろんですが、特に動物性脂肪が良くありません。肉類もそうですし、バターやマヨネーズ・アイスクリームも注意が必要です。
ただあまり抜きすぎると便秘になることもあるので、オリーブオイルや最近注目されているΩ3系のアマニ油やエゴマ油など、むしろ脂質異常改善のパワーを持つオイルを取り入れるといいでしょう。
授乳中に限らず便秘には食物繊維がいいですよね。ごぼうなど根菜類は食物繊維が豊富な上に体も温めてくれるのでうってつけのように思われますが、根菜類の食物繊維は不溶性食物繊維が多いのでかえって便秘を悪化させてしまうのが残念なところ。
そこで、水溶性食物繊維が豊富な納豆に、良いオイルも加えたレシピを紹介します!
<納豆と茗荷のオリーブオイル和え>
材料
・納豆1パック
・茗荷1個
・生姜少々
・オリーブオイル大さじ1
・醤油小さじ1
作り方⇒cookpadhttp://cookpad.com/recipe/2742673
食物繊維の多い納豆とオリーブオイルのダブルで腸を効果的に刺激して、さらに血行を良くして体を芯から温めるみょうがが加わった、まさに授乳中のお母さんのための一品と思いませんか?
授乳中の砂糖に注意した体温めるレシピは?
糖分も母乳をべたつかせ乳腺症を起こす犯人になります。血糖が上がると途端に母乳にも変化が現れ、乳腺を詰まらせてしまいます。
また、ケーキなどの甘いスイーツに含まれるバターや乳製品の油脂が先ほど触れたとおり悪影響に輪をかけるのです。
糖分の中でも、白砂糖はさらに体を冷やすので要注意。血液をべたつかせた上に冷えまで引き起こすので、授乳中の母親にとっては天敵のような食品といえるでしょう。
とは言え、完全に甘みを断ってしまい、我慢してストレスを溜めるのは返って母乳の出に良くないですし、最近では産院でも産後食の夜食にケーキや和菓子を1つ 付けることもあるくらいですから、注意しながら少しくらい口にするのは大丈夫でしょう。
もし、やむ終えず砂糖を使う必要があるときは、少しでも体に優しいものを選びたいもの。最近の健康ブームも受けてスーパーには白砂糖以外にも沢山の種類の砂糖が置かれてます。
そんなときは、粗糖がおすすめです。白砂糖のように極端な精製がされていないのでミネラル分も含まれるので、血糖値が上がりにくく吸収が幾分穏やかだからです。
原料はサトウキビなのでもしアレルギーなどで無理なようでしたらてんさい糖がいいでしょう。砂糖類は概して体を冷やしますが、寒い地方が産地のてんさいの糖分は唯一体を冷やさず、むしろ温める効果もあります。
また粗糖と同じくミネラル類も精製で失っていないので分解吸収に時間がかかり、やはり吸収が幾分ゆっくりです。
ただてんさいはほうれん草の仲間なので、授乳中のお母さんには避けたほうがいいシュウ酸を含みます。母乳産生に沢山の水分を使う母親はシュウ酸による結石が起こりやすくなるので、極力シュウ酸をあまり含まないものがいいでしょう。
ちなみに以下のてんさい糖は、煮詰める過程で出た灰汁を色付けに使っていないので、凝縮されたシュウ酸もかなり取り除かれているのでおすすめです。
甜菜(てんさい)糖200g(スイスのオーガニック認証)
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ここで授乳中におすすめのおやつレシピを紹介しますね。体に優しい甘さで便秘にもよく、体も冷やさない旬食材を使ったスイーツです!
料理名:かぼちゃペースト
作者:dama_espresso
■材料(1人分)
かぼちゃ / 1/8個
●クリームチーズ / 小さじ2
●てんさいオリゴ(はちみつ) / 小さじ2
オールブラン / 10g
豆乳(牛乳・コーヒー牛乳でもOK) / 適量
ココアパウダー / 適量
■レシピを考えた人のコメント
豆乳でぐだぐだにしたオールブランは、
甘くておいしい!!
噛むほどに甘く、ずっしり食べ応えもあるので、妊産婦さんのオヤツにオススメです♪
かぼちゃは体を温める食材ですし、食物繊維も含み便秘の改善が期待できる、まさに授乳中のお母さんの強い味方!また体に優しい甘さが我慢しているストレスを癒してくれます。
さらにブランシリアルの食物繊維の力も便秘撃退が期待できるのでおすすめです。
糖分も前述のてんさい糖なので白砂糖よりは安心ですしオリゴ糖も便秘改善に有効です。
たまにはこんな手作りスイーツで、お母さんにも心の栄養を補給してくださいね!
まとめ
母親の摂ったものが良くも悪くもすぐに影響が出る母乳はまさにお母さんの命そのものと言えます。母親に命をゆだねるしかない赤ちゃんには気を使っても使いすぎることはないでしょう。
ただ、あまり神経質になって頑張りすぎてもかえってよくないのも事実。食べ物のことに限らず、うまく工夫しながら肩の力を抜いて頑張ってくださいね!
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